テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
めっちゃ引き込まれる!! 続き楽しみにしてます!!
キリルが死に、試合が終わった。
アポロンの元にペスパイストスが歩み寄る。
彼が言葉を発するより先に、アポロンが口を開いた
「1試合目突破、おめでとう 」
その声には怒りも、悲しみも、焦りもなかった。
「……勝ったのは、俺が選んだ少女だな」
低い声でヘパイストスが言う。
アポロンはうなずく。
本当に何を考えているのかが分からない
「悔しくないのか?」
「もちろん悔しいよ、しか し元々この戦いでは1人しか生き残れないんだ、その1人になるなんて確信もしていないし、負ける覚悟もしていた。」
「そうか……」
しばらく、沈黙が続いた。
ペスパイストスは聞きたかった事を尋ねた。
「どうして、星座召喚を使わなかったんだ? 」
そう、この戦いでは、トーメント中1度だけ
星座を召喚することができる。
自分の思い入れの深い星座を空から下ろし、
子供たちにその力を授けるのだ。
アポロンは少し笑って言った。
「召喚して欲しかったのか?」
その言葉に恐怖を覚えながらも彼の言葉に、
「いや、少しも」
と答えた。
「コップ座を下ろすつもりだったよ」
「コップ座って……!お前はコロニスを殺してしまった側だろう?彼女がどう思ってることか!」
「ただ、謝りたかったよ。
カラスの嘘情報であると言えすぐ確認せずに浮気したと決めつけてしまった…… 」
またもやしばらくの沈黙が続く。
そしてアポロンが口を開く。
「キリルは人間の身でありながらよくやったよ。
弓も上手に扱っていた。」
彼を褒めるのはいいが、へスパイストスは少し
嫌味を感じた。
「ルナが人間ではないような言い方だな。」
確かにルナはサイボーグだ。しかし彼の中では中身は人間だった。ちゃんと”生きたい”という感情があった。
しかしアポロンはその感情がないのか、さらっと酷いことを言う。
「実際そうだろう、あの子は国の戦闘用サイボーグだ」
正直イライラした。というか、彼は音楽、芸術の神で感性はとてもありそうなのに、どこで落として来たのだろうか?
完全に彼の感情は欠落していた。
じゃあ彼にも同じことを言ってやろう。
「そんなこと言ったら、キリルだって神様だろう?」
「……そうだな」
悲しそうな表情だったが、やはりあまり感じていない。彼の様子はどこかおかしかった。
「はいはい、2人とも言い合いやめて、もうすぐ第2回戦が始まるよ!」
空中にぷかぷか浮きながら話している は
ヘルメス。
これから自分たちの命がかかっているというのに
呑気なものだ。
「というか、ヘラ様イライラしてるんだよね」
その一言で2人は一斉にヘラに視線を向ける。
確かに彼女はこちらを向いて怒りの眼差しを向けていた。
2人は一気に背筋が凍る。
アポロンはゼウスの浮気からできた子であり、
ペスパイストスはヘラの子ではあるが、生まれた時に醜く足が曲がっていたため、オリュンポス山から投げ落とされている。
つまりーー
嫌われている
ヘラは最高女神なので自分たちより身分が高い。
色々考えている間にもヘラの表情はどんどん険しくなっていく。
2人の顔はみるみる青ざめていく
ペスパイスは急いで自分の席に戻り、アポロンも何事も無かったかのように前を向いた。
ヘルメスもゆっくりと自分の席に戻る。
「はぁぁ、なんでそんなに連携してるんだよ……」
少し呆れながらも、すぐに気を切り替えて、
目の前の子供たちに集中する。
あのやり取りの間に子供たちはもう舞台へと上がっていたのだ。
次の試合は自分対アフロディテだ。
すぐに試合開始の鐘が鳴った。