目黒side
ファンのみんなから「シンメ」として親しまれる様になった頃から、俺は向井康二という人物が
嫌いだった。
おちゃらけたキャラクターも、弱虫なところも、鈍臭いところも気に食わなかった。
元々、俺にひっついてきては「なぁめめ!かまってぇーや!」とうるさいもので
「康二うるさい」と言えば不貞腐れるものの、俺の近くから離れないものだから面倒だった
デビューして一年たったある日のミーティングで、俺と康二の関係性はガラリと変わった。
その日の朝、ミーティング室に向かうエレベーターで「康二」と居合わせた。
しかしそれは俺の知っている「康二」ではなく、どこか疲れており、色気を纏っていた。
その時点で遊んでいたんだろうと俺は考えた。
アイドルという職業で鬱憤の溜まるところもあるのかもしれないが、バレたらグループ全体に迷惑がかかると意識して欲しいものだ。
「康二、昨日はお楽しみだったの?」
「え、な、なんのことやめめっ冗談きついで笑」 明らかに引きつった顔で見ていられなかった。
「バレないようにな、首元跡ついてるぞ。」 そういえばこいつオメガだっけ?ネコか
「ちょ、めめ?!なんか今日「どえす」やない?!」 やかましいなぁ
「はいはい、」 早く帰って寝たい
でもその「康二」は次の仕事も、その次の仕事も、そのまた次の仕事も現れた。
ついに我慢の限界がきた俺は康二を人気の少ないスタジオの大道具室に呼び出し問い詰めた。
「お前ふざけてんの?」
胸ぐらの襟を掴み、首元についた赤い斑点を強く指で押す。
「ッツ…なにがや、最近めめこわいでぇ?てかふざけてるってなんのことやねん、収録中のあれはおちゃらけみたいなもんやで?」
「毎晩女と遊んどいてよくそんなこと言えるな」
自分の中から湧き上がってくる感情がなんなのかわからなかった。
「そんなことしてへんて笑なにかの勘違いや笑」
軽い調子で康二は手をフラフラ振って否定するように軽く返される。
「うるせぇな」 少し脅すつもりで軽く首を絞めた。
「あ゛…ッツ♡」
康二が急に変な声を出して妖艶な雰囲気を出すものだから俺は驚きつかんでいた手をばっと離した。
背中からザワザワ迫ってくる欲が気持ち悪い
「なんやその程度かいな」
ハハっと嘲笑され、本能が背中から脳を欲で満たしていく。
その顔にむかついたからか、俺が彼を嫌いだからか、彼がオメガで俺がアルファだからか
理由なんてなんでも良かった。
押し倒し、組み敷き、彼の全てを奪いたいと本能が叫んだ。
「めめ…ッやめッあ゛ぅ…♡」 気づけば俺は彼を床に押し倒していた。
首を絞めれば細い彼の首がドクンと脈打ち、細い腰がぐぐぐと押し上がる。
どこの誰かに仕込まれたかもわからない嫌いな男を抱くのかと思うと何故か興奮した。
彼の後ろに手を伸ばせばぐちゅりと湿った音を出し、俺を誘い込む様に痙攣している。
理性が危険信号を発し、全力で彼の首から手を離せば、彼は咳き込みながらこう言った。
「ゲホッカハ…はぁ゛、おもんな♡」
甘い香りがしたんだ。
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気づけば俺は彼を床に組み敷き腰を振っていた。
「あ゛ッオ゛ッツ♡はぁあっあああああああ゛ッ」
叫び声の様な喘ぎ声と共に康二が白濁の液を出し続ける。彼の膝はガクガク震え、ピンと伸びている。
頭を抑えれば、汗で湿った前髪が指に絡みつく。
「は…ぁっうるさい。」 彼の口を塞ぐために彼の口の中で指を掻き回す。
俺の指にしがみつくように舌を動かしてくる。
「オングっン゛オ゛ォ♡ホオッ ハァ ハァ…ッ♡」
指を引き抜くと、必死に呼吸しようとする姿が無様だった。
「ア゛ッヒィ♡はぁあ゛あ゛♡しぬぅう゛ッツぎもぢィい♡」
かわいいな
「死なないよ…ッハァ、うるさいなッ」
気持ちいい 気持ちいい事しか考えられない…甘い、クラクラする。
康二の喘ぎ声と、彼の中で彼の体液と俺の体液がグチュリと混じり合う音だけが部屋に響いている。それしか聞こえなかった。
あ、うなじ
お い し そ u
「康二‼︎‼︎目黒‼︎‼︎」
見知った声の人間が俺と康二を無理やり引き剥がす。
なんだか俺はこの人に怒られているみたいだ
頭がふわふわして何もわからない…
ああ、気持ちよかったのに もったいないなぁ
気づけば俺は楽屋で手足を縛られて椅子に座っていた。
「ん…?オエッゲホッカハ…はぁ」
まだ視界がぐらぐらする ここは…楽屋?
「お、起きたか。目黒、大丈夫か?」
「照君…あ、俺康二のこと…ッ」 取り返しのつかないことをしてしまった
「聞いたよ、康二が襲われているところを助けに入ったら康二のフェロモンに当てられたんだって?」
「え…そうだっけ。そう…わからないです。ごめんなさい」
わからない、そうだったのだろうか。いや、おれが問い詰めようt
「せやで!ほんまにありがとおなぁめめ!めめが来てくれなきゃ俺襲われるとこやったもん!
めめのおかげやで!」
あまりにも康二がさっぱりしていて俺にはわからなかった。
「あ…うん、ごめんな康二」
「なにがよ?めめこそ嫌な思いさせてごめんな」
「まあ一旦2人とも帰って休んでくれ。俺が軽くスタッフに伝えとく。
そう言いながら照君が俺の縄を解く
「照兄おおきに!」「照君ありがとうございます…」
エレベーターのボタンを押す。重低な機械音が聞こえる。
「康二。」
「なんや?」
「もしかして最近男にレイプされてたってことはないよな?」
なんだかあの時の康二は妙に慣れていて、…違和感があった
それだけ。根拠なんてない
「…あんな、めめ
ゴウンとエレベーターの扉が開く。2人で乗り込み一階のボタンを押すと扉が閉まった。
「そんなわけないやろ笑、首の後は軽い炎症が起きてるだけや」
そう言うと康二は自身の首をポリっとかき、へらっと笑って見せた。
その顔をぐちゃぐちゃにしたいと思った時、俺は康二への恋を自覚した。
向井side
ファンのみんなから「シンメ」として親しまれる様になった頃から、俺は目黒蓮という人物が
大好きだった。
アイドルを貼り付けた笑顔も、俺にかける冷たい言葉も。
彼の全てに惹かれていた。
だからか、昔から引っ付いては「うるさい」と言われ、心底笑っていない笑顔で俺に微笑むものだからたまらなかった。
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いつものようにベータのゲイ向けのアプリでセフレと合流する。俺はオメガだけど、抑制剤飲んでマスクをつけていれば案外バレないもので、いつか辞めようと思いながらズルズルと引きずっている。
「あ、君がオレンジ君?」 今日は初めて会う男だ
かっこいいな
「お!太陽さんですか?合流出来てよかったぁ」
第一印象は大切に。笑顔、笑顔
「えー思ってたよりかっこいいねwホテル直でいいの?」
「だいじょぶですよ!笑」
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部屋が湿った欲と卑猥な音で満たされていく
「オレンジ君いつもこんなことしてるの?」
俺のをしゃぶりながら男が問いかける
「そっんな♡しょっちゅぅッとかじゃない…からぁ♡」
裏筋をすーっと舐められつい腰がカクカク揺れる
「え〜うそだぁオレンジ君こんなえっちなのに?w」
俺の体の色んなところにキスを落としながらスルスルと俺の服を脱がしていく。マスクも外してこようとするものだから、
「それはあかんねん太陽さん、ごめんな」 と軽く返し、
「俺のここ、好きに使ってええから…ッツ♡」
と自ら足を開いて煽って見せる。
「たまんないね、」
ぴと、と彼のそれがあてがわれたと思ったと同時にぐぐぐと質量が俺の中をこじ開けてくる。
「は、あ゛あ゛あ゛あ゛♡ッヒィ♡」 この瞬間がたまらなく好きや
「たいよぉさッん♡はやくうごいッツてぇ♡」
はふはふと息を整えながら早く早くと自ら足を束ねて、腰を揺らしオネダリして見せる
「オレンジ君…ッツ♡煽るの上手すぎでしょ♡」
彼が腰を打ちつけるたびに快感がバチッと脳を刺激する
「ぎも…ぢぃい♡あ゛あ゛あッツ♡」
気持ちいい、気持ちいいなぁ…これがめめと出来たらどれだけ幸せなんやろか
この人はベータやけどアルファに犯されるってどんな感じなんやろか
「オレンジくッン♡好きだよ…ッ」
どうでもええなぁ
「俺も、お゛ッツ好きやで♡…ちゅーしでっやぁあ゛♡ッヒィ♡」
「なにそれッ可愛すぎ♡ック…」
リップサービスも忘れぬようにしっかりと
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛♡…ッツもっとォ♡」
ごちゅごちゅと奥をつく音と俺の精液と彼の精液が混じり合う音が聞こえ続けてなんとも気持ち悪い。
それでも腰はガクガクと震え口からは唾液が零れ落ちる。あ、意識なくなりそうかも。
俺の意識がなくなっても、
俺を満たして独りにしないで
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ホテルで寝落ちしとった…
太陽さんいなくなってるし…ちょっと煽りすぎて意識失うまで抱かれるとは
「まぁ、ええかぁ…」
仕事行かな、シャワー浴びとこか
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ミーティングに向かうためエレベーターに乗ると、めめに居合わせた。
腰痛いけど慣れたもんやなー
あ、めめや。おはようって言わな
「康二、昨日はお楽しみだったの?」 え?
「なんのことやめめ?冗談きついで?笑」 笑顔、笑顔
「バレないようにな、首元跡ついてるぞ。」
めめが俺の首をとん、とんと触ってくる。
吐き捨てるように言われればわかる。どうでもいいんやろなぁ…
「ハハッめめなんか今日「どえす」やな笑」
「はいはい、」
でも今、俺のこと見たなぁ
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仕事の前日は太陽さんと会い、セックスするサイクルができていた。
理由はその方が何故かめめが俺のことを見てくれるからだ。
嫌悪でもなんでもいい。見てくれるならそれでよかった
でもそれが嫉妬だったらいいやんなぁ…なんて
そんなある日のことだった。
「康二、撮影終わった後ちょっといい?」
え、え、え‼︎めめに呼び出されてもぉた!♡あかん!!嬉しすぎて死にそぉ…
「なんやぁ…全然ええで」 平常心、平常心。
どないしよ!もしもがあるし、アレ持ってこか
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2人っきりの倉庫…♡
告白だったらうれしぃなあ、なんて。でももしかしたら…
「お前ふざけてんの?」
強引に襟を掴まれ、首を指でぐぅと押される
「ッツ…なにがや、最近めめこわいでぇ?てかふざけてるってなんのことやねん、収録中のあれはおちゃらけみたいなもんやで?」
痛い、気持ちぃ、幸せ!!!!
あああああああ、めめがおれのことみてる!!!!!!
俺の服触っとる!!!この服洗濯できんやん♡♡最高や!!
「毎晩女と遊んどいてよくそんなこと言えるな」
ああ、ばれてたんや
「そんなことしてへんて笑なにかの勘違いや笑」
まぁ男やし、してへんのと同じやろ
「うるせぇな」
めめの手が!!俺の首ィ♡ぎゅぅってして…るぅ♡
「あ゛…ッツ♡」
めめの手がぱっと離れる。
ああ、めめのその目、知っとるでぇ♡欲情した自分を必死に押さえ込んでるだけの獣の目や♡
なに冷静なフリしてんねん、俺のこと組み敷いて従わせたい癖に
もっと俺のこと支配したい癖に!!!
「なんやその程度かいな」 笑えるわ
ドッという音と共に床に押し倒され首を絞められる
「めめ…ッやめッあ゛ぅ…♡」
背中にじんわりと広がるぶつかった痛みと首にぐぐぐと押し込められる痛みを体が快感に変えていく。
ああ、好きな男に責められるってこんなに気持ちええんやなぁ
めめが俺の後ろに手を這わせ、ぐちゅ、と俺の中を指で探ってくる
めめ、めめ、めめ♡犯してもらえる!やっとやぁ♡
ぱっとめめのからだがはなれた
は?ここまできて辞めるような男なん?そんなんめめとちゃう。もっと俺だけを見て、俺に夢中になって、
ね゛え゛!!
自暴自棄になった俺は太陽君から貰ったヒート誘発剤を飲み込んだ。
「ゲホッカハ…はぁ゛、おもんな♡」
ここまでしてこの男に犯されたいと思ってる俺が一番おもんないなぁ
こうまでしないと犯してもらえないという事実に俺は絶望していた。
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「あ゛ッオ゛ッツ♡はぁあっあああああああ゛ッ」
叫び声の様な喘ぎ声が部屋の中を欲で更に満たしてゆく
「は…ぁっうるさい。」 こんな時でも俺はうるさいと言われる
「オングっン゛オ゛ォ♡ホオッ ハァ ハァ…ッ♡」
だけどそんな俺が無様で気持ちよかった
「ア゛ッヒィ♡はぁあ゛あ゛♡しぬぅう゛ッツぎもぢィい♡」
このまま死にたいなぁ
「死なないよ…ッハァ、うるさいなッ」
ほんまやろか。
いっそうなじでも噛んでくれれば…
「康二‼︎‼︎目黒‼︎‼︎」
他の男の声が聞こえて、めめとのつながりが離されて、ひどく哀しくなった。
「康二‼︎聞こえてるか?!目黒もお前なにやってr
いやや、めめを悪者にせんといて
「ハ…あっ♡ちゃうねん照兄…ッ聞いてや。
実は…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
めめの目が覚めると、焦って本当のことを言おうとするものだから危なかった。
なにもなかった、それでいいと思っている
「まあ一旦2人とも帰って休んでくれ。俺が軽くスタッフに伝えとく。」
照兄はほんまに優しい
多分気づいとる
「照兄おおきに!」「照君ありがとうございます…」
2人でエレベーターの前に立つ。
なんとなく気まずいなぁ
「康二。」
ああ、好きな声や
「なんや?」
「もしかして最近男にレイプされたってことはないよな?」
心臓がドクンと音を立てる。冷や汗が止まらなかった。
もちろんレイプなんかじゃない、合意の上だしお互いWin-Winの関係だ。
問題はそこじゃない、なんでめめがそうかもしれないと疑ったのかだ。
誘い方か?薬を飲んだのがばれたのか?まさか最初から気づいて…
「あんな、めめ
エレベーターが開いた。
エレベーターの鏡が俺の酷い顔を写した。なんて惨めなんだろうか。
嫌われたないなぁ
「そんなわけないやろ笑、首の後は軽い炎症が起きてるだけや」
めめは俺を見ていた。
それだけで幸せだったんや
康二side
あの一件以来めめとはあまり喋らなくなった
楽屋であっても話す事は無い。気づけばなんとなく遠くにいる。
「ただのメンバー」って感じ
やらかしてもうたなぁ…
ーーーーーーーーーーーーーー
「じゃあこれで解散だからまた来週!」
「おっちー(^^)」
「照〜聞きたいことが…」
気づけばもう撮影が終わっている
メンバー各々散っていく。
メンバーみんなで集まれるんはもう来週なんや
寂しいなぁ
ピコン!と音がして、スマートフォンにダイレクトメッセージの通知が入る。
予想は付いている
今すぐ誰かにこの心の隙間を満たしてもらいたかった俺にはちょうどよかった
「オレンジ君!よかったらこれから池袋でどうかな?」
やっぱり太陽さんや…
特定の相手と会いすぎるのは良くないとわかっている。
でももう5回以上会っているしいいかな、と思う
「ええですね!すぐ向かいます!」
まあ、俺がどうなってもめめは俺を心配しないし、
誰も俺のことを慰めてくれないのだからいいだろう
「太陽さん…」会いたいなぁ
俺太陽さんのこと好きなってもうたんかな…
恋なんて何年してないんやろか
「康二、何してんの」
気づけば横からさっくんが覗いていた。
「うぉ、さっくんなんや!驚いたわ!w」
スマホの画面を急いで閉じる。
「にゃはは〜びっくりした?ww」
「ほんまやで!」
「ごめんて!w
…で、メッセージしてた人誰?」
「え
喉がヒュッと締まる
「誰だって聞いてんの」
さっくんが俺のスマホをトン、トンと触る
「に、兄ちゃんやで…」
咄嗟に兄の名前を出す
「じゃあこれから兄ちゃんと池袋で会うの?」
「せ、せやで」
「ふーん」
「なんやさっくん!怖いで!」
冷や汗が背中をつたう
気持ち悪い
「ホテル行ってヤるんだろ?」
ドッと冷や汗が溢れ出す。
もう春なのに寒くてたまらない。怖い。寒い。気持ち悪い
こんなに怖いさっくん初めてや
「え、ちゃうで」
「そ?じゃあ今のメッセージ見して?」
「なんでや」
バレてるのか?
「兄ちゃんとどんな話してんのかなーって」
「他愛もない話やって」
バレてるんだろうな
「ねえ、もういいから。早く見して?」
「ちゃうねん!俺はッ」
違う、違う…俺はただ蓮に…ッ
ピコンッ
「ッハァハァハァ…夢かいな…」
スマホの着信音で目が覚めた。
着ていたパジャマは汗でぐっしょりになっていた。
「春に冬の布団はダメやな…」
ピコンッ
( オレンジ君!今度俺の家に来ない?)
「太陽さん…」
今日は一日中オフだし午後からならいいかな
スマホをタプタプしシャワーを浴びに歩き出す。
(ええんですか?行かしてください♡午後からが良いな〜)
ピコンッ
(もちろん!午後2時に洲ノ間駅で!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
帽子とマスクで顔を隠しつつ彼を待つ。
ここら辺はメンバーの誰かが住んでた気がするけど…まあ一日オフおれだけやし大丈夫やろ
「(つきました)よっと…」
ここら辺金持ちしか住んでないイメージやなぁ…お金持ちなんやろか
「康二?」
自分の名前を読んだ方向を向くとそこにはさっくんがこっちを覗き込んでいた。
予知夢みたいになっとるやん、しんど
「さ、さっくん…」
「やっぱ康二じゃん!おつ〜(^ ^)」
どうしてこんなところに…
「佐久間さんの実家寄ってく?w今日午後からオフになっちゃったんだよね〜」
さっくんの実家セレブやった…ここら辺にすんでんのも納得やわ
だとしても、タイミングが悪いなぁ。しゃーない、なんとなく断るかぁ…
「友達来るからあかんねん!ごめんな」
「にゃ!そうだったの?おっちー」
さっくんがスタスタ歩いていったのを見送ったと同時に、
「オレンジ君!久しぶり笑」
太陽さんが俺に話しかけてくる。
「っ太陽さん、お久しぶりです!」
太陽さんがチラッとさっくんが歩いて行った方向を見る。
「行こっか」
「はい!」
この時俺はさっくんが俺を見ていたことにきづかなっかったんや
「…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
佐久間side
およよ…あざとい警察佐久間大介、ガチの警察にならなきゃかもであります!
なんとさっき会った康二が知らない男の人と2人で会って歩きだしたんですよぉ…
しかも盗み聞きしたら「オレンジ君」だって!
怪しい!!!!多分わかんないけど怪しい!!!!
「どうしたら…グヌヌ」
あ!
テンテレテンテレテンテンテレテレテン テンテレテンテレテンテンテレテレテン ピ!
【どしたの佐久間】
「あ!阿部ちゃん?おっちー(^^)」
【もう撮影終わったからいいけどなんかあった?】
「なんか康二が多分ネットの人と2人で会ってて」
【え?!】
「仲良さそうに多分家?に向かってる」
【それやばくない?】
「雰囲気は恋人っぽい!友達って言ってたけどね」
【康二…週刊誌に抜かれたらどうすんの…】
「いや男」
【は?】
「ちな俺尾行中ね」
【えぇ…】
「どうしたらいいかな?」
【これから俺も行くから、着いたら住所送って。なんかの犯罪に巻き込まれてたらシャレになんないから】
「お、おっけぃー」
【よろしくね】
「了解ピーマンでありマァす!」
ピッ
「頼りになるなぁ、よし出動ッ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
康二side
太陽さんの家につき、客間に通される。
思ったよりがらんとしたシンプルな部屋で生活感があまりなかった。
「久しぶりに太陽さんと会えて幸せやで」
「ほんと?うれしいな、良かったらお茶どうぞ」
「おおきに」
お茶いい匂い…落ち着くなぁ
「…マスクは外してくれないよね」
お茶を飲むためマスクを少しずらしていたらまた言ってくる。
俺が芸能人だと疑ってるんやろか
「せやな、ごめんなさい」
まあ向井康二がこんなことしてると思わんやろ
「いやいいんだ」
あれなんかほわほわしてきてもうた
さっき起きたばっかでまだ眠いんか?
「もう見れるからね」
視界が…ぐらついて…
「それって…」どういう…ぃ…ミ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん?なんか寒い…」
ってうおおおおお?????
手縛られ足縛られ身ぐるみ剥がされてロッカーの中ですか!
なんでだよって…みんななるよな。わかるで。
だけどみんなと違って俺はこんなことこれで3回目くらいや!
その度になんとかしてきたプロや。なんとかなるっ
…マスク外されてもうたかぁ
とりあえずここはどこや?はよ逃げな…
って、ん?なんか違和感…
これ俺の中になんか入れられとるなぁ。変態さんやないか
太陽さんいい人や思ってたんやけど残念や
「は…ん…っ♡」
ちょっと気持ちよおなってまうわこんなん
ここどこやそんで…隙間から外見え…
ってここ…明日撮影の局の俺らの楽屋…ッ
あかんこんなの…ほんとにやばい変態さんやないか
みんなにバラして俺の居場所なくして…った感じか?
俺のこと大好きやな、太陽さんw
落ち着け、太陽さんに会ったのは夕方。多分今は深夜や。
出ても大丈夫なはず
扉を思いっきり叩いて出ても誰もいないはずっ…
ドンッドンガチャッ
危なかったぁ…あ。
「おっちー(^^)康二大丈夫そ?」
「なんか康二気持ちよさそうな顔してんね、何してたのか教えてもらえるかな?」
そこには懐中電灯を持ってニヤニヤしてるさっくんと
冷ややかな目を向ける阿部ちゃんがいた
「さ、さっくん…阿部ちゃ…」
「とりあえず服着て話してもらおっか、俺らと」
「俺にな」
「岩本っさん…」
メンバー3人に醜態を晒した挙句、全てバレることとなった。
俺終わったんだが…
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後2人に拘束を解いてもらい服を着せてもらった。
岩本さんはパイプ椅子に座りじっっっと俺を見ていた。
流石に中のものは自分でやらせてもらった。
気まずすぎるからな!
「で、お前何してんの」
阿部ちゃんから聞いたことのない低い声で詰められる
「…えっとぉ」
「康二、素直に話した方が身のためだよ(^^)」
「ネットで会った男と遊んでました…」
「お前オメガだよな?」
岩本さんが驚いたような声で言ってくる
「はぃ」
そりゃメンバーが恋人でもない男と遊んでたなんて驚き以外の何ものでもないだろう
「噛まれてない?」
「はぃ」
「なら良い。もっと自分を大切にしろ。こんなことじゃこの前の一件もお前に負があったと考えざる負えなくなるかもだぞ」
「ほんますいません…」
「自制しろ」
「はぃ」
「えっ終わりでいいんでやすか?!」
「まあな」
「ほら佐久間帰るよー、康二も早く帰んな。このまんま舐めた態度でアイドル続けるとかやめてね?」
うっ阿部ちゃんの目が冷たい…
「はい、ごめんなさい…帰ります」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
やっぱ特定の人と会い続けんのは良くないな
太陽さんブロックしてしばらく控えよ…
阿部ちゃん怖すぎたわ
はーめめに会いたいわぁ
タクシー呼ばな、
スマホを出し、タクシーを呼ぶため電話番号を入れる。
「もしもし?あの須野局にタクs
ゴッ
って音だけして気づけば地面に這いつくばっていた
あれ…なんで俺地面触ってるんやろか…
頭なんか痛いなぁ…あれ…スマホ落ちて…r
ゴッ
「あ。
『お客さーん?聞こえてますかー?おきゃくs』
ピッ ツーツーツー
阿部side
康二がとんでもないことをやらかしてからしばらく事務所に来ていない
まあまさか局のロッカーに全裸で入れられているとは思わないよね
佐久間とこの目で見なきゃとてもじゃないけど信じらんないよ
「明日youtube撮影か…」
流石に明日は来るでしょ、こんなだとめめに嫌われちゃうよーだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはざっth〜」
「おは〜わら」
「おはよう」
…
「みんなお疲れ様!それぞれの仕事も順調そうでよかった…
…
「ところで康二は?誰か連絡貰ってる?」
「貰ってないよ?」
「俺も特には…」
「聞いてないね」
まさかこの前のこと気にしてんのか?
あいつアイドルとしての気概とかないのか…?
「ふぅ、俺ちょっと連絡してくるよ」
椅子から立ち上がり、徐にスマホを取り出す。
「阿部、ありがと」
いえいえ、なれてますんで
「はいよー」
エントランスまで来て、康二に電話をかける。
テンテレテンテレテンテンテレテレテン テンテレテンテレテンテンテレテレテン ピ!
「え、切られた?」
あいつまじでぇ…はぁ
テンテレテンテレテンテンテレテレテン テンテレテンテレテンテンテレテレテン
もっかいかければ出るでしょ
テンテレテンテレテンテンテレテレテン テンテレテンテレテンテンテレテレテン
【あ!阿部ちゃん?!】
「康二!今日撮影だよ?」
【阿部ちゃッ…グスッ助けて、もう俺あかんねん…】
「何言ってるの?」
【あ゛ぅ…♡だすけで…】
「はぁ?お前また…ッ」
ピッツーツー
「ちょ康二?!おーい!」
まさかとは思うけど…
一度楽屋に戻ろう
「照」
「おう、阿部どう?連絡取れた?」
「ちょっとまずいかも…佐久間もこっち来て」
「にゃす!」
「ちょっと俺と阿部と佐久間外出てくるから!」
「あいよー」
「りょー」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で、阿部。なにがまずいって?」
3人でカフェスペース二座り、スマホを取り出し通信履歴を見せる。
「さっき電話を3回かけたんだ」
「にゃすにゃす」
「1回目は切れて、2回目はしばらくして繋がった。けど3回目はすぐに切れたんだ」
「なるほどね、それでなんでやばいって判断したの?」
「実は電話越しで…
「えーーー!!!こおじえっろぉ!!」
「ばか佐久間うるさい、」
「ごめんなしゃい」
「もしかして康二監禁されてレイプされてたり…しないかなって」
「ストーカーが行為中に電話させたってことか?そんな趣味悪い…
こともありそうだな。あいつだもんな」
照もなんだかんだ納得してしまっている
「ろっかぁ…」
佐久間は先日のロッカーを思い出したようだ
「助けに行かないとまずいと思うんだ」
俺は2人を交互に見る。
照は考え込んでいるし、佐久間も冷静に見えて爪をガリガリ弄っている。
そりゃそうだ、大切なメンバーがそんな目に遭っているだなんて誰でも腹が立つ
今回の件は康二も多少悪いと思うけどね、俺は
「佐久間、指、血出ちゃうよ」
「わ!ごめ、あべちゃ…」
「まあ取り敢えず、警察に連絡しようか」
こんな時でも照は冷静だった
「こうする以外今はないだろう。一週間経っても進展がないなら奴の部屋に乗り込もう」
「家…あ、そっか。住所はわかってる!」
「そ。」
照がコーヒーを飲みながら淡々と話してくる。
筋は通っている、と思う
「メンバーに話す?阿部ちゃん」
佐久間は不安そうに聞いてくる
「言った方がいいだろうな、この状況はあいつの落ち度もある」
照の言っていることは正しい…でも…
「阿部、何に悩んでる?言ってほしいんだけど」
言いたくなかった
言いたくないけど俺は気づいていた。好きな人のことはずっと見てたから
俺に見向きもしないキャラメル色の甘い目を
「康二は…めめのことが好きだ…、多分」
「まあそうだろうな」
「に゛ゃぁ?!がチィ?!」
照はさっきと同じようにコーヒーを啜り、佐久間は驚いて立ち上がったまま止まっている。
「目黒に知らせるのは可哀想ってか?」
「まぁ、うん…そういうことだね」
これは情なのか、それとも…
「お前は康二が好きだもんな」
「ゲッホエホッ、だぅえ?!」
「びゃああ?!阿部ちゃんまじぃ?!」
「照ッ!なんでそれを?!」
「リーダーだからな。」
ほんと敵わないなぁ
「どっちにしろメンバーには伝える。これは共有すべきだ。」
「そうだね、そうしよう。ごめん」
「みんなのとこ…もどる?」
「ああ、そうだな。行こう」
康二side
うわあ…頭くわんくわんする…ふわふわぐらぐら気持ち悪い…
「ん?ここ…どこ…っ痛ぅ」
あれ?とじこめられてぇでてきてぇここ、どこだ?
「オレンジ君…♡いや、向井康二君♡」
「んあ、太陽…さん?」
ジャラリ
「え、なんか鎖で繋がっとる」
もしかして俺やばいんか?てか本名バレて…ッ
「康二君のこと守ってあげるためなんだ!わかって!」
「は?」
なんやこの人。セフレ如きがなんか言っとるわ
「そーゆーのええから。はよ拘束解いてぇや」
「だめだよ!これから康二君は俺と一緒にいなきゃなんだから」
「…は?」
目の前に鏡が置かれた
そこには頭に包帯を巻かれ、鎖で足を固定された無様な自分の姿があった。
「いや…自分おもろないで?」
急に背筋がゾッとした。今までの悪ふざけとは格が違う。
「俺ね、康二君を見守るためにいろーーーんな場所でバイトしてんだ!
たとえば局の清掃員とか!♡」
「はぁ」
「でね、俺見ちゃったんだ。目黒君に襲われてる康二君を…ッ」
「は?」
「怖かったよね、大丈夫。もう外には出さないし、目黒君なんて忘れさせてあげるからね!」
「ちょ、何勝手に…ッ」
「目黒君のこと嫌いなんでしょ?大丈夫!俺はわかってるよ♡
俺とたくさん愛を育もうね♡」
ギシッと音と共にベットの上にあがってくる
逃げようにも足の鎖のせいで逃げ出せない。
頭がいたい。気持ち悪い。彼の手が俺の足に触れてくる。
「気持ち悪ぃんだよ!さわんじゃねぇ!!」
息を荒げて全力で叫ぶ
パァン
ピリッと痛みの電流が頬に伝う。それと同時に頭の痛みもズキズキ増してくる。
「うるさいな、黙れよ」
もう逆らえないと本能的に悟った
「嫌だ…ッ嫌だごめんなさい!やめて!ごめんなさい!!」
涙をぼたぼた落としながら謝り続ける
彼の口が俺の耳に触れ、ふと呟かれる
「康二君、オメガだったよね?噛まれたくないなら静かにしてくれない?」
バレてる
「は…い、ごめん…なさい」
身を委ねるように彼の首に手を添え自らキスをする
彼は微笑み、俺のトラウマとなる地獄の日々が始まった。
1日目
ひたすら抱かれる。
記憶ももうない
2日目
食事を求めたら口移しされて吐いたら殴られた。
包帯が一つ増えた
3日目
自ら行為を求めたら優しくしてもらえた
明日もそうしよう
4日目
阿部ちゃんからの電話に出させてもらえた。
行為中に限るって言われて一瞬しかできなかったけど。
5日目
そんなにしんどいならと言われてナイフをもらった
死ぬのもありかもしれない
6日目
外でデートしたいとねだったら酷い目にあった
もう言わない
7日目
スマホがハッキングされておりこっそりさっくん連絡したことがバレて消された
ひどく折檻された
…
…
20日目
もう死のうか
21日目
「じゃあ仕事に行ってくるから。康二、いってきます」
「いって…らっしゃい…」
疲れた。もういいのかもしれない。鏡の自分を見る。
痣が目立ち痩せた自分を。
「…」
ナイフを手に取り腕にスゥと通す
赤くぷつぷつ血が出てきて生を実感する
「たすけて…め、め…」
またすぅと切るのを繰り返す。頭がすーっと冷えていく
もうええわ
首筋にナイフを沿わせる
「さいなら」
渡辺side
康二がなにをしたのか、現在どんな状況で今後どうするのかを照からメンバー全員に伝えられた。
阿部ちゃんはしんどそうな顔してたし、佐久間も珍しく静かだった
俺もなんとなく空気感からやばいな感は伝わってて涼太の後ろでちびちび水を飲んでた
みんなで助けに行こう!…ってなるかと思いきや、助けに行こう派と警察に任すべきだ派に分かれてしまった。
もちろんラウールにはこんな話聞かせられないので別室に連れて行った。
どうすんだろ、俺よくわかんねぇや
実感わかねぇし
「翔太どうする?どっち派?」
「んぁ?…まーあいつが遊び過ぎだったのもあるしなー…」
「俺は警察に言うべきだと思うけどなぁ」
「たしかにー?」
「警察連れてみんなであいつの家行くのどうでしょう?」
気づくと後ろでめめが手を上げそう発言した。
「えーわら、証拠ないし厳しいんじゃない?」
ま、正論か
「じゃあ俺が窓ぶち壊して入ります。そしたら目の前に証拠広がってますよね?」
「それはそうかもだけど!わら」
その後も色々話し合いが進んで、結局警察と一緒にインターホン鳴らしてみるってことになった。
けど俺は聞こえてた
めめが「俺のなのに」って呟いてたのを
まあしーらね、あーこわこわ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結局連絡が取れなくなってから捜索し三週間経ってしまったので、とうとう本丸に突っ込むこととなった。
まあインターホン鳴らすだけだけどね
ピーンポーン
「すいませーん白猫急便でーす」
「ダメそうじゃね?」
「思った」
「厳しそう」
各々本当に康二が監禁されているのか?と思い出した時だった
「俺、上行ってきます」
そう言ってめめが走り出した。
「は?ちょ目黒?」
深澤がそう言った頃には目黒は隣のマンションの3階まで上がり、そいつの家の2階に飛び降りた。
「ちょいちょいちょい!目黒?!笑えないよー!今警察と一緒なんだけど?!」
また深澤がそう叫んでも目黒は躊躇なく拳を強く握り込んで窓を叩き出した。
「うおぉ…あいつやべぇな」
「拳じゃ厳しいだろうな…俺が固いもの届けてくるわ」
「ちょ、涼太?!」
「はい、目黒」
いつのまにかマンションの2階に登った涼太が近くに合った家の少し大きい庭石を目黒に手渡す。
「やりたい放題だな…ここが入り組んだとこじゃなかったら特大スクープだよ」
照が当たり前のように引いている
まあ俺も流石にそれなって感じ
その瞬間その場に大きな音が響き渡った。
ガシャンッ
康二side
ガシャンッ
「康二いたっ…!」
窓ガラスが勢いよく割れ、めめが入ってくる。
「はぁ、やっと割れたよ…すげぇことになってんなぁ」
「え、め…め」
めめがくるっと身をベランダに向け、「みんなー!康二いたぁ!!!」と叫ぶと
外から
「よっしゃーー!!!」
「よかったあああ!」
「がちでいんの?!わら」
と声が聞こえてくる
すると扉が開きドカドカと警察の人が入ってくる
「向井康二さん、で間違いないですね?」
「はい、むがい…ごうじでず…」
涙と鼻水が止まらなくて嗚咽しながら喋った
「康二すごいことになってんなぁ、あーあー腕も切っちゃって」
するりとめめの綺麗な手が血で濡れて痩せた俺の腕に触れる。
「めめ…」
綺麗な人やな
「うなじ…噛まれてないね、よかったな」
「めめ…」
ほんまに綺麗や
「ん?」
「好きや」
ガチャッ
「え、今?わら」
「愛の告白でやんすか?!」
「ちょ2人とも!今喋っちゃダメだって!」
「康二!!大丈夫か?!意識は?!」
「ちょ照うるせぇよ」
「なんで今しゃべっtjbすxぁ
あー声聞こえん。なんかめっちゃ眠い
もうええか。寝よ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「康二」
あ、好きな声
「めめ…おはようさん」
「えー!俺の声じゃ起きなかったのに!」
「白雪姫の王子様じゃんwウケるw」
「とってもロマンチックだね」
「ここ…どこ?」
「「「「「「「病院」」」」」」」
だよ だぜ だね だ
「はは…そっか」
「どしたの康二?」
さっくんが俺の点滴のついてない方の手を握ってくれる。
「さっくん…いや、みんなに迷惑かけてもうて…ごめんなさい…
ほんまにごめん…ッグスッ」
「まあ無事だったし」
「これからは監視下かなーわら」
「まさかネットの男たぁなぁ?」
「スリルがありすぎたね」
みんないい意味でどうでもいいように振る舞ってくれる。
「康二、もうしちゃだめだよ。」
俺の手を握ってそう言ってくれるめめの瞳に映る俺は、とても惨めだ
「はい…」
「康二が俺と付き合って落ち着くなら付き合っても良いよ」
「へ」
意外過ぎる言葉に一同固まってしまった。
(小声)
「告白の返事でやんすか?!」
「俺ら退散するかーわら」
「そうだね、いこっか」
カラララ パタン
「つ、付き合って…くれるん?」
冗談じゃないん?
「こんなことしなくなるならね」
「めめは…俺のこと好きなん?」
これ夢やないやんな?
「好きでもないやつとヤってる奴に言われてもなぁ
まあ、正直言うとわかんない!」
「え」
「でもなんか…ほっとけないよね
あと意気消沈してる康二が可愛かったから(^^)」
アイドルスマイルでゴミみたいなこと言っとる
惨めな俺のことが好きなん?!
「え、あ、つ、付き合ってほちぃdっ噛んだっ…!」
ああ俺今めっちゃ無様や!
気づくとめめに抱きしめられていた
「いいよ」
「ほ、ほんま?!」
「うん、ほんま」
「好きや…」
「泣くなって」
俺の涙を拭きながら俺の鼻水を「うわきたなっ」って言ってくるめめは俺の好きな正真正銘のめめで幸せがとろとろ脳を満たした。
きっと俺は正しい愛を向けられていないけどそれでよかった。
きっとそれは俺への罰。
それでも愛してもらえるならええわ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「康二君、かわいいね…キスしてごらん」
「は…っあ♡いややぁ離し…ッ」
必死に振り解こうと抵抗するが
バシッ
抵抗も虚しくいつものように叩かれる
「いぎぃッごめんなさいごめんなさい…んっ」
自らキスをすれば満足そうにまた腰を振り出す
「良い子だね…」
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
いやや…いやや…たすけてッ…たすけてッめm
「康二!!」
「ハッハッハ…夢?夢かハァ…めめ?」
咄嗟にめめの顔を触る
「そうだよ?」
めめが俺の手を握ってくれる。そこには確かに体温があって、握ればじんわりお互いの体温が混ざる。
「ほんまにめめなんか?ほんまか?」
「大丈夫、めめだよ。目黒蓮だよ。」
「蓮…はぁ…ごめんな…」
あれ以来夢にあの日々が頻繁に夢へ出てくる。
その後の症状の緩和のためにめめとの同棲を始めたが症状は続いている。
最近ではメンバー以外のアルファへの恐怖心も増してきてチョーカーが外せない。
「蓮…蓮…」
ふと背後から不安が迫ってきて
「なに?どうしたの?」
俺の存在価値を示したくて
「俺のこと抱いてくれ」
めめに懇願するように言ってしまう。
「…終わった後またしんどくなっちゃうよ?ぎゅーするから寝よ?」
「…」
こんな時でも蓮は優しい。
あれ以来行為がするのも怖くなってしまった。
今はスキンシップ程度ならできるが、当初は男の人に触れられるのすら
恐怖だった。
「康二」
大好きな声だ
「蓮…?」
「愛してるよ、大丈夫。寝れるよ」
赤子をあやすように背中をさすられる
「おおきに…な…スゥ…」
あたまがふわふわして眠くなってくる。次は幸せな夢が見れたらええな
Fin
目黒side
康二の涙を指で拭う。
日々可哀想な康二と付き合えて俺は幸せだ
だけどそれはあの男のおかげだと思うと心底腹が立つ
可哀想な康二を守るヒーローでいなくちゃ
康二、愛してるよ
俺はこの気持ちを恋…いや、愛と呼ぶことにするよ
コメント
1件
とても躍動感があって、人物の対比が悲しいほどに美しいです。