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とある街の中華屋さん

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とある街の中華屋さん

23 - 第22話・オシゴト

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2024年09月04日

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深夜になり、病院近くのビルの地下駐車場に不破率いる紫のギャングとぺいんたち三人の傭兵が集まった。ギャングたちはお揃いの紫のスーツで、傭兵になるぺいんたちは前に作ったウサギのお面の変装でその衣類を紫に変えた格好だ。


改めて挨拶をしながら今回のユニオンヘイストの作戦と配置、逃走先を確認していく。不慣れそうなギャングメンバーもいたが、ボスの不破やぺいんたちが助言をしていく。ユニオンの地下に逃走用のバイクや車を置き、警察の到達を遅らせられるようタンクローリーやトラックで地下への入口を塞ぐ。

そして最終確認が終わり、不破から開始を告げる無線が入った。


───オシゴト開始だ。


合図とともに不破が掘削機で金庫と大穴を隔てる土壁に穴を開ける。警察にもこのタイミングで通知が飛んだはずで、ここからは時間勝負だ。


案の定、しばらくすると大穴の外からヘリとサイレンの音が聞こえて来た。

───ヘリ1。レギオンからパトカー3台くらい来てる。

───1台ずつ孤立させて囲って。


同時に他の地点からも状況報告の無線が入る。

───穴上はまだ人影なし。

───木材置き場の上でサイレンの音がした。穴上か高速の方に行ったかも。

───緑地そばで青いパトカーとオレンジのパトカーやった。


徐々に警察と接敵した報告が増える。

───四つ叉から木材に来たかも。パト2台でトラックどかそうとしている。

───こっちラーク1ダウン。一人じゃきついからいったん退く。

───金庫後3つ。もう少し耐えて。

───高速入り口来た!


ラークが退いた事で金庫まで最短距離の高速側の穴から警察が侵入して来たようだ。

───高速入口のぷてさんダウン。警察のダウンも取ったけど、後続来そうだから、大穴まで下がる。

───金取り終わった。チューブ側にバイクで出る。

───木材に詰めてきた警察はダウンさせたから少し退いてる。こっちまだ大丈夫だよ。


金庫内の金を取り終わったタイミングで、不破と彼を守るミンドリーがバイクで移動を始める。高速入り口から警察が侵攻してきたので、木材置き場までラインを下げるようにギャング─カゲツとさぶ郎も下がり始めた。

───ピコピコピコピコ

───これどこだ?

───金庫前でカゲツさんダウン。何人か倒したけど木材まで下がります。

───急いで下がって合流して!


不破たちは木材置き場のぺいんたちと合流できた。金庫からブラックマネーを取ることはできている。こちらの残りはこの場にいる4人と外1名の合わせて5人。あとはアジトまで逃げ切るだけだ。


「大穴と四つ叉で挟まれる前にバイクと車で一気に出る」

「どっちに?」

「カジノとJTSに別れる。合流したからサーマルあっても誰が金持ちかわからないと思う。JTS側はバイクならPY出口まで行かなくても、途中の駅で地上に出られる」


簡単なすり合わせの後、木材置き場にいたギャングは不破のバイクの後ろに、ミンドリーはバイク、ぺいんもさぶ郎と車に乗り込んだ。

───二手に別れてPYかカジノ側に出る。

───外、カジノ側にフォロー行きます。

不破たちは一気に移動し始めた。べいんの車が先導し四つ叉をカジノ側に抜けようとしたタイミングで横から銃撃を受けた。木材から退いた警察が何人かいたらしい。

警察が車を注視している隙に不破とミンドリーのバイクは、それぞれJTS側とカジノ側に向けて駆け抜けた。ぺいんはまだ動く車で遮蔽から出て来た警官を牽制しつつJTS側に車を寄せた。しかし状況は厳しく、応戦する必要がありそうだった。


「ぺんぱい。まだ警察署側からパトカー来そう!」

「さぶ郎、先に行って?オレ、カバーするから。車ダメになったらドリーに迎えにきてもらって?」

「ぺんぱいはっ!?」

「JTS駅まで行けばバイク隠してある」

ぺいんは応戦しながら早口で方針を伝えた。さぶ郎が少し迷っていると、増援と思しきサイレンが近づいてきた。


「行けっ!」


ぺいんの声に押され、さぶ郎は四つ叉を離脱した。無線で状況も伝える。

───四つ叉で警察と接触。

───応援いる?

───バイクはJTSとカジノに抜けました。金持ちはJTS。

───金持ちのフォローに行きます。

───ぺいんさんだけ残って応戦。さぶ郎は車でPY方面に進んでいます。

───了解。

───カジノ側、警察がいたけど撒いた。このままPY側のフォローに行く。

───俺とりかしぃ、カナトと合流した。

金持ちである不破たちは無事外のラークと合流できたようだ。このままアジトまで逃走するだろう。


遅れてさぶ郎がPYと呼ばれる場所から地上に出ようと地下の入り口ギリギリで様子を伺うと、警察はおらず、カジノ側から警察を撒いてきたバイクのミンドリーがいた。

「さぶ郎一人?ぺいんは?」

「さぶ郎を逃すために四つ叉に残りました」

「………迎えに行く」

「さぶ郎も行くっ!」

乗ってきたぺいんのイグナスは全てのタイヤがパンクして使い物にならなかった。

さぶ郎がミンドリーのバイクに乗りPY入り口から再び地下へ向けて移動し始めた時だった。


───ピコピコピコピコ

───ダウン?傭兵の誰か?

───さぶ郎は今ミンドリーさんに拾ってもらいました。

───じゃ、残っていたのはぺんちゃん?


不破からの問いかけは、言葉ではなく無線の音で返ってきた。


───ピコピコピコピコ

───ぺんちゃん、もう護送中?

───ピコピコピコピコ

───ぺんちゃん、俺らで助けられそう?


返事は無音だった。


───もう警察署に入った?

───ピコピコピコピコ

───了解。他は逃げられそう。ドリさんたちもアジトに戻ってきて。


その無線をさぶ郎とミンドリーは静かに聞いていた。

「………さぶ郎、アジトに行こう。いつ警察が来るか分からない」

そういうと、ミンドリーはギャングのアジトに向けて方向を変えた。


道すがら、さぶ郎はミンドリーに想いを吐露する。

「………ミンドリーさん。ぺんぱい、助けられなかった」

「ぺいんの判断は間違っていないよ。金持ちが逃げ切れるまで誰かが殿しんがりをやらないといけない」

「………分かってる。………でも、家族だもん」

「………そうだね。アジトに寄ったら、すぐ迎えに行ってあげよう」


二人はその後、無言でアジトまでの道を走った。


(状況的にぺいんの判断は正しい。四つ叉からの護送なら、警察署裏に先回りしない限り助けることはできない)

ミンドリーはバイクを走らせながら自問自答する。

(ただ、家族を助けたいさぶ郎の気持ちも分かる)

ミンドリーは深くため息をついた。

(これが正解だったのだろうか)




アジトに着いたミンドリーとさぶ郎に、不破が話しかけてきた。ギャング側は逮捕者以外、全員帰ってこられたらしい。

「傭兵、ありがとうございました。何人か捕まったんすけど、利確できました」

「ユニオンは成功となります?」

「はい。うちは今回初成功っすね。次は単独でやれるようがんばりますわ」


そのまま約束していた報酬を受け取り、暇を告げようとしたところで、カナトからも声をかけられた。

「今回はありがとうございました!この後どうされます?」

「うちのぺいん君が逮捕されたはずなので、プリズンまで迎えに行こうかと」

「じゃ、みんなで行きましょう!ぺいんさんにもお礼言わなくちゃ!」

ギャングたちは着替えた後、そのままヘリ2台でプリズンまで行くらしい。


ミンドリーとさぶ郎は着替えとヘリを取って来た後にプリズンで合流することを伝え、一度ギャングのアジトを離れた。

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