クリスマスは嫌いだと言っていた君が
12月25日にケーキを買ってきた。
ピカピカの赤いコーティングに、
中身がチョコレートの可愛いケーキ。
それから君は、
何も言わずに私を外に連れ出した。
夕日が落ちかけた空は薄い紫色。
話す度に口から白い息が出て、
冷たい風に
ほっぺたが赤くなるのを感じる。
寒そうに両手を摩ってみるけれど、
手を繋ぐのが苦手な君には伝わらない。
合わない歩幅に置いていかれないように…
早歩きの私が見る先は二人の足元。
急に君が止まったから、
私はふいに上を向いた。
すっかり暗くなった空と
青と白のイルミネーションが目に映る。
一際大きなツリーがキラキラと輝いて
まるで夢のような世界。
世の中がクリスマスに彩られている事に
感心していると、
君がゴールドに白のリボンで
ラッピングされた袋を
目の前に差し出した。
開けて良いの?
私の問いに君が頷く。
リボンを解いて、中身を見て…
思わず微笑んだ。
今年のクリスマスプレゼントは
スモーキーピンクの手袋。
いつも寒そうにしているからかな?
本当は手を繋いで欲しいのだけど…
でも、そんな所が君らしい。
私の不器用なサンタさん
素敵なクリスマスをありがとう。
コメント
5件
『君』が『私』のためを想ってケーキやプレゼントを用意してたところにキュンとしました🥰