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リオヌヴィ/メイドの日にあやかって書いたただの趣味/リが女装するし、ヌの頭のネジは何本が外れてる/微キャラ崩壊
「リオセスリ殿……」
ぐぅっ、とリオセスリの手を引っ張り、かすかに肉の着いた己の胸元へヌヴィレットはその手を寄せた。なにか口に出そうとしたのか彼ははく、と何度か口を開閉させる。が、一向に言葉は出ず、ただてらてらと唾液によって光る健康的な色の口内が晒されるだけだった。
「…なにか?」
ふにふに、と密かにヌヴィレットの胸を堪能していたリオセスリは、ふと尋ねる。こうやって言いたいことを口に出せず、人知れず悩むのは彼の悪い癖だ。言え、と催促するかのように、彼の薄い唇にキスを落とす。1度、2度。端麗な顔中にキスをしていると下から、くすぐったい、と声が聞こえてくる。眉を下げ、楽しそうに笑う彼に、参ったか?とでも言うように笑いかける。そうすれば彼はふふ、と微笑みをこぼし、咳払いを1度してから口を開き始めた。
「あぁ、わかった…。これは、お願いなのだが……。」
そう言い、腰掛けていたベッドの下からなにやら白色の箱を取りだして、こちらを彼は見上げた。
「開けてくれ」
言われた通りに、なにやらフリルの着いた可愛らしいリボンをほどき、蓋を開ける。
そうしてリオセスリの目に飛び込んできたのは、黒と白を基調にしたメルヘンな服だった。そこらじゅうにあしらわれたフリル、リボン、ハート、etc……。所謂、メイド服というやつだろうか。スカートは明らかにミニ丈どころではなく、重ねて上側のシャツは背面がガラ空きだった。
なんだこれ、と思考を止めていればふとなにかに気づく。もしかして……
「…なァ、ヌヴィレットさん」
「……」
「これ、一体何に使う気なんだい?」
「…ぅ……」
「教えてくれよ、あんたの口から。ちゃあんと、用途を教えてくれないとなぁ」
ぽぽぽと次第に彼の白い顔は真っ赤に染まり、つり上がった眉毛は、幼げにへにょりとへたれていく。口元を隠し、目をそらすのはなにか恥ずかしくて言いづらいことがある時だ。何度も”そういうこと”をして、彼の癖はよくわかっているのだ。
胃もたれしそうなほどに甘く煮詰めた声をヌヴィレットの耳元で囁けば、ひくと彼の白い喉は蠢き、「ひぅ」と気の抜けた声が聞こえてくる。そして、それを隠そうとして口元を更に両手で隠すものだから、もうたまらない。
ヌヴィレットさんにメロメロになっていれば、その…と彼は蚊の鳴くような声で呟く。
「…………っ言っても、君は失望しないだろうか…」
「約束する」
「…こ、今夜、これを……」
「あぁ」
「…」
「……君に、着て欲しく」
ん?
ヌヴィレットさんが着るんじゃなく、俺が?
「私が君をご奉仕♡しよう♡♡」展開は……?
「やはり、ダメだろうか…すまない……」
目の前の美麗は明らかにしゅん、として肩を落とした。そういうわけじゃない、と彼に伝えて未だパンクしている頭を抑える。
どういうことだ?ヌヴィレットさんが着るんじゃなく、俺が……??俺が着たところでなんの利益が発生するんだ……
「…今日はメイドの日、らしい。なので、良ければ君に」
「…いやいやいや、普通こういうのはヌヴィレットさんだろ!!!俺は何十回も見た事あるぞ!」
「……?何をだ?」
「………………、それは置いておこう」
まさかあんたの恋人があんたを題材にした薄い本を複数持っているとは言えるまい。長い沈黙の後、どうにかはぐらかす。「そうか」と未だにクエスチョンマークを浮かべながらも納得したのか、追求するのをやめたヌヴィレットさんを見て安心したのと同時に、この人、危機感が無さすぎるんじゃないかと不安になった。
うんうんと唸っていれば、ふと首に腕が回される。俯いていた顔をあげれば、美術品のような顔が視界いっぱいに広がった。ほんと、この人綺麗すぎだろ。どうした?と尋ねながら彼の柳腰を抱き、近かった距離をさらに縮める。だが、一向に動きを見せない彼に疑問を抱き首を傾げていれば、交わされていた視線がふと逸らされ、彼は口を開いた。
「…君にはいつも恥ずかしいことをさせられているので。今日限りは私の願いを聞いてもらおう。
君にもわかってもらわねば…」
そして、心底楽しそうに笑い、顔をこちらに近づける。鼻先はもう触れ合っていた。顔を少し傾ければ唇も合うだろう。まるでなにかの導入のような展開に、思わず心拍数が上がる。これが夢にまで見た誘い受けってやつか……?!
「さ、私の面倒を見てくれるか。リオセスリ…♡」
「……ハッ!メイドにこんな事させるなんて、とんだ淫乱な主人だな」
腕を広げ、まっさらなシーツに寝転んだ彼に覆いかぶさりそう呟く。そうすればくふくふ、と楽しそうに彼は笑い始めた。ほう、まだ余裕があるらしい。いい、上等だ。前後不覚になってこんなこと言わなきゃ良かった、って思うくらい甘やかしてやるから 。
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