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〇〇「……今日は怜華か」
窓際の席で、涼しげにふわふわな白髪をかきあげながら紅茶を口にする少女――
令嬢だからか口調は上品そのもの。
怜華「あら、〇〇さん。本日はわたくしとペアですね。……よろしくお願いいたします」
〇〇「……あ、あぁ。よろしく」
(なんか気後れする……。オーラがすごい)
今日の実験内容は「相手の長所を褒めて心の動きを記録する」らしい。
先に褒められたのは、俺だった。
怜華「〇〇さんは、落ち着いていらっしゃるのね。いつも周りに流されないで、自分を保っている。わたくし、そういう方……素敵だと思います」
〇〇「……っ」
(……いや、俺なんてただの陰キャだろ。なのに、真っ直ぐ褒められると、くすぐったい……)
〇〇「……あ、ありがとう」
怜華「ふふ、照れていらっしゃるの? 可愛らしいですわね」
(やばい。からかわれてるわけじゃないのに、めっちゃドキドキする)
今度は俺の番。だけど……。
〇〇「……怜華って、なんか……」
〇〇「……ほんとにお姫様みたいで、すごいと思う」
怜華「まぁ……」
彼女は少し目を丸くし、それから柔らかく笑った。
いつもの完璧な笑顔じゃなく、素の驚きが混じった笑顔。
怜華「……そんなふうに言ってくださったの、初めてですわ。ありがとう。……わたくし、少し……嬉しいです」
その時――。
怜華「……あ、うち……じゃなくて、わたくし……照れてしまいましたわ」
〇〇「……今、“うち”って言っただろ」
怜華「っ……聞き逃してくださいっ!」
慌てて顔を赤くする怜華。
完璧なお嬢様だと思っていたけど、意外と抜けてるところもあるらしい。
(……そういうギャップ、ずるいな)
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その後はお互いどういうことが好きなのかを話し合い、お互いの趣味を褒めあった。