テラーノベル
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詩はチャットGPTに書かせました。よく再現してくれたな、わたしの滅茶苦茶なお願いを。
これから他国視点混ぜていこうと思います。一発目は中国さんです。
英国の午後は、よく言えば穏やか。悪く言えば眠気を誘う。
けれど……と中国は、円卓の先を見やった。
一切の安穏も無く、火花を散らすふたりの男……イギリスとフランス。
言葉を武器にしてきたふたりが、用意されていたかのように言葉を交わしはじめた。
「相変わらずブリテンの方々は霧に誇りを持っていらっしゃる。」
「霧の中に浮かびくるものこそが真核であり、全ての真理ですから。」
オドオドと視線を彷徨わせる日本に、ほっとけいつもの事だ、という目線を投げやる。
「埋もれてしまえば偽物、って?じゃあ、その中で凍える人はどうするわけさ。」
イギリスが淡々と理論を紡げば、目の奥の炎を燻らせフランスが笑い飛ばす。
詩的な表現に満ちたふたりのやり取りは、美しい分その毒が目立つ。
「相変わらず、旗を自由に靡かせるのがお好きなようで。」
「誰のために掲げられた心があったのかこそが、詩の真理でしょ?」
肘掛けに置かれたイギリスの手が、何度も苛立たしげに組み直される。
「詩は生きてるんだ。誰に向けて、どんな魂を叫んだものなのか。…きちんと考えもせず訳そうとするのは、君のエゴで、詩への冒涜だ。特に、こういう恋を綴ったものに関してはね。」
フランスが旗のように、詩をかざした。
淡い光に助けるインクの行が、唇音のように揺れている。
日本がクシャリ、と指先から音を立たせた。
彼の動揺を示すように、茶器の水面がざわめいている。
フランスは向かい合うイギリスに挑発的に微笑みかけながら、長い指先で紙片を弄ぶ。
軽やかな動きは優雅だが、言葉には隠しきれない刺々しさがある。
「この詩が誰に向けられたものかなど、些細なこと。真理とは、言葉にしか宿らないものです。」
日本が静かに、ずっと握っていた詩を置いた。
まるで、この部屋に充満する言葉の火花から身を守るように。
「あなたのその、恋と作者を結びつけてしまう天使のような性質こそ、詩への冒涜だとしか思えませんが?」
イギリスの声が、春の日差しを割るように響いた。
「…へぇ、冒涜?僕の解釈が?」
「えぇ。詩を恋愛譚にし安心するのは、解釈の放棄だ。」
中国は隣に座る小さな肩へと目をやった。
日本の伏せられた目線は、ずっとまっすぐ、イギリスに向けられている。
「『わたしのまことなれば』…そこまで作者を動かす情動が、恋以外にあり得る?」
手汗で滲んだインクが血のように、その細い指に巻き付いていた。
「『解釈』。それこそお得意の方便だね。真理を探すフリをして、感情から目を逸らす。…ねぇ、何が怖いの?この詩を誰が書いたかが?」
「…フランス、」
低く呟いたイギリスの声に、フランスは人を食ったような笑みを返した。
「あぁ、ごめん。違うね。お前は、この詩が自分以外に向けられたものかもしれないのが…」
「『知られずとも』。」
息を吸い、空気に染み込ませるように呟く。
ふたりは夢から覚めたように、こちらを向いた。
小さく震える日本の指を見ないように、詩を読み上げる。
「『届かずとも 風に紛れて春となれ 凍てついた時よ 今も 忘れじの君の鼓動に在らんと願う』。」
「……『それがわたしの まことなれば』。」
一行ごとに、俯いていた日本の影が深くなる。
言葉が降り積もるたび、強く握りしめた指先が白くなっていった。
固く閉ざした痛みを思い返すように、その双眸が不安定に揺れる。
「……お前ら、論点がズレすぎネ。ここは人生観競わせる場所じゃねぇアル。」
「今日はもう、お開きにするヨ。」
イギリスが気まずそうに、白熱してすまない、と日本に言った。フランスも大人しくそれに習う。
「…いえ。おふたりが凄すぎて挟まれなかっただけです。とても参考になる意見ばかりでした。……中国さんも、ありがとうございます。」
楽しかったです、と笑う日本にイギリスが肩の力を抜いた。
中国は去っていく3人を前に、そっと視線を伏せた。
「……あの野郎、なぁんにも覚えてやがらねぇアルなぁ………。」
ひとりきりの部屋に、ため息と呆れの混じった声が落ちる。
外には春の光。
眩しいほどに真っ白なそれは、爪痕のついた日本の手のひらによく似ていて。
中国はひとり、ただただため息を吐いた。
(続く)
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