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2×××年×月×日
「ふぁぁ…ねみ…」
僕は背伸びをしながらいつもの道を歩いた。
「今日小テストじゃん、、勉強してね…」
「××先生まじでだるい笑」
「体育持久走?嫌だぁ…」
色んな声が聞こえてくる。
「今日さ転校生来るらしいよ」
「へー今の時期に?めずらし」
転校生か。どんな人だろう。
少し期待を胸に学校へと歩き出す。
ガラガラ
「おはよー。」
「「おはよー!」」
眠い目をこすりながら朝の準備をする。
「ねぇ聞いた?転校生来るんだって」
「可愛いといいなぁ…」
キーンコーンカーンコーン
先生が教室に入ってきた。
「知ってると思うが今日は転校生がくる。
入ってこい。」
綺麗な金髪に鮮やかな青い目
軽やかな歩みで前に出る
「皆さん初めまして。××ア・スペ×ー×です」
そんな時頭が割れるような痛みと共に知らない記憶だ流れ出した。
「あ”あ”ぁ’あ”っあ”あ”ぁ!!!」
どうして?涙が止まらない。こんなの知らない
「大丈夫か?保健室に連れて行ってやってくれ!!」
そこからずっと知らない記憶だけが流れ続けた
気づけば意識を失っていた。
目を開けると真っ白な天井とほのかにアルコールの香りがした。
「あら。起きたのね。良かったわ。」
保健の先生か。
窓に目をやるともう空は茜色に染まっていた。
「みんな帰っちゃったわよ。家の人に迎えに来てもらう?」
先生は心配そうに聞いたけれど僕は首を横に振った。
「そう。気をつけて帰ってね。」
僕はベットの横にあった鞄に手をかけ保健室から出ていった。
家族に迎えに来てもらうよりも1人で考えたかったのだ。あの時の出来事について。
どうして転校生と目が合った時だったのか。
流れ込んできた記憶はなんなのか。
そんな意味もわからないことを考えながら家路に着いた。
「おかえりなさい、渉。聞いたわよ。××大学への推薦が決まりそうなのね。」
まただ。
また勉強の話。
軽く流して部屋に入った。
鞄からスマホを取り出し掲示板サイトを開いた
1: 今日知らない記憶が頭痛と一緒に入ったんだけど分かるやついる?
2: 厨二病?
3: その話kwsk
4: >>>3: 転校生が来て目あったら凄い頭痛で知らない記憶と共に意識消えた
5: 嘘?
6: そういう時期か、構う必要無し。
7: 臓器移植とかした?
8:>>>7: したことない
9: 前世?w
10: そういうの信じないけど気になるわ
11: もしかして転校生がキー?
12:なわけねぇだろwwww
13: 前世の記憶持ってるんですけど前世に関係のある人と繋がりを持ったら前世の記憶と共に何かしらの強い不調が起きるらしいです。
14: 嘘乙
15:イッチ参考したら?
16:>>>15: 参考にしてみる。おめーらさんきゅ
「前世、か」
制服のボタンを外しながら呟いた。
確かにあの時流れ込んだ景色は現代のものでは無い。明らかに古い木造建築の家に血塗れの人が。
やめよう。思い出すな。
あの時のことを。絶対に。
次の日教室に入るとクラスメイトが数人駆け寄ってきた。
「大丈夫?」と心配そうな顔で見つめてきた。
嘘のくせに。
「あぁ。大丈夫だよ。良くなった。」
そう答えると自分の席に座った。
どうやら転校生は僕の隣だった。
「大丈夫ですカ?」
カタコトな日本語で話しかけてきてくれた。
この人が原因であんなことが?
考えるな。
「うん。大丈夫だよ。心配ありがとう。」
授業が終わり外が赤く染まろうとしている時。
転校生が話しかけてきた。
「一緒に帰りませんか?」
何故か断っては行けない気がした。
「いいよ。帰ろう」
彼女は嬉しそうに礼を伝えた。
鞄を持って一緒に校門を出た。
名前も聞いて色んな話をした。
彼女が公園に寄りたいと言った。
ブランコに座って色んな話をした。
気づけば太陽は沈み月が登ろうとしていた。
「あ、もう帰らないと」
彼女が言った。
「またね!」
小走りで彼女は公園を出ようとした。
「待って、!!」
引き止めてしまった。
あぁ。前世ってあるのかな。
ラリア。会ったことがある。
いや必ずある。思い出した。忘れない。
「久しぶり。ラリア、!」
何を思われたっていい。
なぜなら会ったことがあるから。
神にも仏にも誓ってやる。
「やっと思い出してくれたね。渉」
彼女の顔は涙で溢れていた。
「ねぇ。見て。」
彼女は駆け寄って手を掴んだ。
その瞬間辺りが公園から魔法の様に過去の風景に変わった。
「…懐かしい」
気づけば頬に涙が伝っていた。
「今度は守ってね」
彼女が笑いかけた
「あぁ、絶対に君を離さない。守って見せる」
「ありがとう」と彼女が言った。
その瞬間彼女の唇が頬に触れた
「また明日ね」
彼女はそう告げると家に帰って行った。
あんな約束をしてしまった。
守れるかも分からないのに。
それでももう後悔の無いように。
「卒業おめでとう」
桜の花弁が舞う。
その言葉と共に。
あの日から僕達は付き合った。
親に勘づかれないように。
防がれるから。
母親の操り人形じゃないから。
彼女は校門を出ると明るい笑顔でこちらを見た
「見て。綺麗な青空。」と彼女は言う
太陽が輝く光を受けた君はあの頃と変わらないまま僕の大好きな貴方だ。
彼女はまた君を光す太陽へと走り出した。
僕達の未来はこの世界だけが知っている。
この日はこの世界で1番幸せな夜になるだろう
大好きな貴方を追いかけて。 [完]
あとがき
ここまで見て下さりありがとうございます。
この作品は1番の大作だと思います。上話3500文字下話2300文字程とかなりの量です。元々コラボ作の予定だったのですが相手側の都合により上話のみ相手側原作とし下話は水無瀬のオリジナルにさせて頂きました。沢山の方に見ていただけると嬉しいです。もし上下合わせて500♡行きましたら外伝的なのも書きたいです。「大好きな貴方を追いかけて」をこれからもよろしくお願いします。
水無瀬一颯