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りおちゃんと話してから数日、私の頭の中にぐるぐるする、二人の顔。
一人はりおちゃん、そしてもう一人は、りおちゃんのお兄さん。
お互いのことを思い合っているのは、きっと同じのはず。
そうでなくては、彼が私と会った理由を説明できないから。
なんでここまでこじれているのかは分からないけれど、二人の溝は結構深い。
二人ではなく、家族全体でなのかもしれないけど。
部外者の私が、りおちゃんの家族の問題に口を出す権利がないのはわかっている。
それでも、仲良く会ってほしいと思うのは身勝手というものなのだろうけれど。
・・・家族に、替えはいないのだから。
一人親の一人っ子に何が分かるのかという話だけれど。
人のことより自分のことに目を向けるべきなのに、どうしても避けてしまう。
あのときのあかりちゃんの笑顔も、光景も、思い出すたびに手足が震える。
弱い自分が嫌になる。私が言えた話ではないかもしれない。
「消えればいいのに、私なんて。」
そう、呟いた。
すると、ドアが開き、そこには彼が立っていた。
「・・・なんで、そう思うんだ。」
そういいながら、私に近づいてくる。
私の目をじっと見つめながら、そう問いかけてくる。
「だって、意味、ないから。」
不思議なくらい、スッと零れ落ちた私の言葉。
親の前ですら取り繕った嘘の言葉も、彼の前だと本音と変わってしまう。
「クラスの中では浮いていて、物がなくなることも増えて・・・」
「捨てられたこともあった。」
自分の中で誤魔化していた、その出来事。
自分が無理やり、忘れようとしていたこと。
消えた私物が、ゴミ箱に入っていた。
・・・ゴミ箱に、入れていたあかりちゃんの姿を見た。
気のせいだと思いたかった。あかりちゃんはきっと、全然違うものを持っていたんだって。
私、何かしたかな、あかりちゃんが不快になるようなこと。
それがどんな行動なのか、言葉なのかもわからない。
それとも、私自身なのかな。
「ご飯にゴミを入れられていることもあったんだよ・・・」
私の小さな叫びが、病室の中で響いた。
彼は、じっと私の目を見つめている。
少しの間、病室は静寂に包まれた。
その中で、彼は口を開ける。
「じゃあ、おれと・・・」
彼はにやっと何かをたくらむような顔で、続きの言葉を発す。
「一緒に死のう」
この言葉が、私の運命を大きくゆがめる、ような気がした。