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こちらnmmn作品となっております。
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界隈のルールを守ってお読みください。
最終的に付き合うsrngがイチャイチャしてます。
最初らへんsrが童貞ムーブしてます。
ngが鈍感。
いつも通り糖度高めです
以下の内容が把握出来た方はお進み下さい
side:S
「ん〜〜〜〜⋯」
凪ちゃんの声が静かな事務所内に響き渡る。
声を出した彼の方に目をやれば、ずっとしていた作業が終わったのか、椅子から立ち上がり大きな伸びをしていた。
「なぎすおつかれ〜」
自分の掛けていたソファーから立ち上がり、彼の元へと向かう。再び椅子に腰掛けた彼に労りの言葉を伝える。
「ん、ありがとう」
「なぎち、だいぶ疲れてるでしょ、特別に俺がコーヒー淹れてあげる」
「なんで上から目線なんだよ⋯まぁ、淹れてくれるならお言葉に甘えて」
「はいよ〜」
簡易キッチンに行き、いつものようにコーヒーを淹れる。
「はい、これなぎなぎなぎらの分」
2つ持ってきたティーカップの片方を彼の目の前の机へと置き、俺は再び接客用のソファーへと腰掛ける。
スマホをいじりながらコーヒーを飲み進める。コーヒーが飲み終わる頃、ふと隣を見れば隣には先程まで椅子に居たはずの凪ちゃん。
「あえ、なぎなぎいつこっちに来たの」
「あなた気づくの遅すぎませんか?だいぶ前からここに居ますけど」
「ほんとに?」
「ほんとですよ⋯⋯けど、貴方が気づかないなんて私ってそんなに信頼されてるのね」
ほんとそういう所だぞ、と言いかけそうになった口を噤む。何故この男は俺が喜ぶような言葉を反射的に発するのか。俺の気持ちも知らずに⋯
そう、俺は目の前の男、もとい四季凪アキラの事が好きだ。
いつから好きだったなんて覚えていない。気がつけば、彼に好意を抱いていた。
何も知らない人間初心者な俺に、居場所を、感情を、色んなものを与えてくれた彼に俺はいつしか惹かれていったんだろう。
「⋯セラ夫?」
彼の眉目秀麗な顔が視線に入ってくる。長い間反応しなかった俺のことを心配するかのように視線を合わせてくる彼。
「ん、大丈夫」
これ以上彼の顔を見つめていると俺がどうにかなってしまいそうだったので迅速に返事を返す。
「セラ夫、今日って何の日か知ってます?」
「え、今日?⋯⋯今日って11月11日だよね?」
「ええ、あなたは知らないかもだけど今日は世間一般ではポッキーの日なんですよ。」
そう言うと彼はコートの中をガサゴソと何かを探すような動作をし、その後中からお菓子の箱を取り出す。
「これ、ポッキーです」
「⋯なんで持ってんの?」
「いいじゃないですか、イベント事を楽しみたいってだけですよ」
「⋯⋯せっかくだし、ポッキーゲームでもしません?」
⋯これは俺は期待していいのだろうか?この話をした後ポッキーを取り出すなんて偶然なんてものでは済ませないだろう。その上ポッキーゲームの提案なんて、キスしたいとしか思えない。しかし本当に彼が偶然ポッキーを持っていただけなら?俺の思い込みでキスをしてしまい引かれてしまったら?⋯そんな事されたら俺は立ち直れないかもしれない。
やってしまえ、いや辞めておけと脳内で天使と悪魔が論争していると、自分の下からき着心地のよい低音が聞こえてくる。
「セラ夫、もう始めちゃいますよ?」
急すぎる事態に困惑しながらも彼の命令には従う。
「ん、じゃあはひめまふよ⋯」
若干艶やかさを感じる声がスタートの合図を切る。
いつも下ろされている彼のサイドの髪の毛は耳にかけられ、いつもより妖艶さを醸し出していた。綺麗な濡羽色の髪の毛と、紫陽花の双眸が自分との距離を徐々に詰めてくる。あと少し、というところで彼がポッキーから口を離す。
「⋯え?」
「ん〜ポッキーってやっぱり美味しいですね、ポッキーゲームに付き合ってくれてありがとうございます」
きっと今俺の顔は惨めで、無様だろう。自分の口元に残されたあと数ミリのポッキーを飲み込む。
ここまで煽っておいて辞めるなんて許さない。奥からふつふつと怒りが湧いてくるのが分かる。
俺の心に火を灯したのは君なんだから、俺は君を逃さないよ。
「⋯ねぇ凪ちゃん、君がやったんだから次は俺にやらせてよ」
「いいですよ、セラ夫も食べたくなりました?」
「うん。」
ポッキーじゃなくて君が。そう心の中で呟き、先程彼がしたのと同じようにポッキーを咥える。
少しずつ、少しずつポッキーを食べ進める。食べ進める度、近づく麗しい顔。
あと数ミリとなったところで彼が口を離す素振りをした。俺はその瞬間を見逃さない。離れようとした彼の頭の後頭部を支え、残ったポッキーを彼の僅かに開いた口に入れ込む。そのまま舌も入れ込み、口内を食い荒らすようにキスをする。歯列をなぞると、少し震える彼が愛おしい。
「んっ⋯ふ、ぅ⋯」
静かな部屋にぴちゃ、ぴちゃと水音だけが響く。舌を吸うようにすれば彼の再び体が激しく震える。その後、背中を叩かれる感覚。艶やかな声が漏れ出る彼が愛おしくて、もう長い間キスをしていたようだ。
はぁ、はぁと息を漏らす彼に俺がこうしたんだ、という若干の独占欲と興奮を感じる。
まだ息が整わない中こちらを見てきた彼の姿は、それはもう妖艶なものだった。
甘く蕩けた美しい紫陽花、白い肌に映える綺麗なピンク。睨んでいるものの快楽のせいかいつものような圧はない。
「⋯あ、なた⋯!何するんですか⋯!」
息を整えながら彼は俺に問いかける。
「だって凪ちゃんが誘うから。」
「誘ってなんか⋯⋯」
そう言い途中で黙ってしまった彼。
「え?やっぱ誘ってたの?」
「⋯⋯セラ夫が私の事好きならやってくれるかもしれないって、少し希望を見いだしただけですよ、⋯でもまさか貴方が私の事を好きで、こんなにドロドロにされてしまうなんて思っても見ませんでした」
そう告げたあと、再び耳から頬を赤らめた凪ちゃんは俺には刺激が強すぎたみたいだ。
気がつけば彼を抱きしめていた。
「な、なんですか、もう⋯」
「好き、かわいい、凪ちゃん大好きだよ、アキラ可愛いよ」
包み隠さず考えてることをそのまま口に出せば凪ちゃんはまた照れて黙り込んでしまった。
「⋯……セラ夫、すきです」
「⋯え、今凪ちゃん俺のこと好きって言った?」
「黙れセラフ自意識過剰ガーデン!!!!」
そう言って俺の腕を離れようとした凪ちゃんを引き止める。
「俺のこと、嫌いになった?」
上目遣いをするように彼を見つめる。凪ちゃんは俺のこの顔に弱いから。
「⋯⋯嫌いな訳ないでしょう、何年間この思い拗らせてると思ってるんですか、Dキスからの告白なんて本望じゃないですけど、あなたならそれを許せるくらいもう私は貴方にゾッコンですよ」
そう言った彼を再び強く抱きしめる。
「うん、知ってる、俺もアキラのこと大好き」
窓の外にある景色は昨日となんら変わらない。だけど俺たちにとって今日は特別な日みたいだ。