「ただいま。」
「おかえり。」
5月1日
俺に彼女ができた。
「ほんとに、私でいいの。」
「いいよ。君がいい。」
彼女と付き合って1年
「ねぇ、一緒に住みたい。」
「君がいいなら、来なよ」
同棲して2日目の夜
「…ちょっと聞いて、」
「ん、」
「これから先も私とキス以上のことしないで」
映画を見ていると、突然言われた。
そういえば、付き合ってから1回も
彼女とキス以上のことをしてこなかった。
理由は聞かなかったけど、
「したかったら、他の子とやってきて。」
「…ぇ?」
そんなの、浮気と一緒じゃん。
「でも、……」
「いいの、私は君が帰ってきてくれれば」
「それでいい。」
「…なんで、…」
彼女は、それ以降
答えてはくれなかった。
彼女は、
何時になっても、
何をしてきても
俺が家に帰ると
「おかえり」
そう言う。
彼女は、俺の事が好きじゃないのか
「……ね、」
「…なに。」
「…俺のこと、好き…?」
「…大好き。誰よりも。」
彼女は、俺の頬に手を当てる。
「…ほんとに、?」
「うん、嘘ついてるように見える?」
「…見えない、」
1ヶ月後
俺は、我慢が効かず
彼女以外の女と遊んでしまった。
でも、全然楽しくなかった。
そんな雰囲気になったのに、
俺は、家に帰った。
時刻は朝の5時
うちに帰って
「ただいま」
と、一言。
いつもの「おかえり」は無い。
「…ぇ……」
いつも玄関の扉を開けると「おかえり」と
眠そうな声が聞こえるはずなのに…
リビングに繋がる扉を開けると
部屋が荒れていた。
「……うそ、…」
全身から汗が吹き出す。
俺は、彼女を探した。
すると、寝室の方から物音が聞こえた。
「…っは、……」
寝室に行くと、彼女が部屋の隅で
俺の上着を羽織って蹲っていた。
「……よかった、」
俺は
彼女を抱きしめる
「は、…ッ…」
すると、彼女が俺にめいいっぱい抱きついた
「…も、…かぇって、こない…と…」
「ごめん、ごめんね。」
「ま、また…捨て、られた…かとおもっ、た」
「大丈夫…絶対捨てたりしないから、」
「…こ、…こわ、かった……。」
「もしかしたら、…死んじゃっ、たかと…」
「ごめんね、怖かったね…」
「心配させてごめん…」
「わ、…私の事…すき…?」
「大好きだよ、世界で1番」
数日経って、彼女に聞いた。
「…なんで、キス以上ダメなの?」
「ん〜…?」
「私さ、男の人苦手なんだよね…」
「…ぇ、…」
「…恐怖症っていうか…トラウマが、あって」
「じゃあ、なんで俺と付き合ったの」
「好きだから」
「君となら、一緒に居れると思った」
「……そっか、…」
「もう少し、時間をちょうだい」
「君との生活に慣れてきたら、きっと」
「キス以上も、できるようになるから。」
「…待ってる、」
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