全く気配がしなかった。
若井「……あっ……もとき……あっこれ……」
必死に言葉を絞り出そうとするけど、意味の無い単語ばかりでてくる。
元貴「あ〜あ。だから開けるなって言ったのに。若井悪い子だね。」
今すぐここから逃げなきゃと本能が訴えてくる。
でも足に力が入らない、全身が震え歯がガタガタと音を立てる。
元貴がこっちに近づいてくる。後ずさりせるけど、壁に追い詰められてしまう。
元貴が俺の顎を掴み、口をこじ開ける。
何やら錠剤の様な物を入れられ、両手で口を抑えられる。
元貴「ほら、早くごっくんして?」
俺は必死でバタバタと四肢を動かすが、元貴の力が強くて全く意味をなさなかった。
息が苦しくなり、俺は錠剤を飲み込んでしまう。
途端に激しい頭痛に襲われ、俺は床に倒れ込む。
意識を手放す直前、俺に馬乗りになってる元貴を見上げると、ニィッと笑ってこちらを見つめていた。
どれくらい意識を失ってたんだろう。
俺が目を覚ますと、さっきの部屋のベッドに寝かされていた。両手両足を鎖でしっかりと拘束されたまま。
ふと横をみると瓶の中の目玉と目が合う。
うわぁぁぁああ!!と叫び声を上げると、部屋の扉が開かれる。
元貴「ちょっと若井うるさいよ。防音の部屋っていっても節度弁えてよね。」
若井「元貴っ!これ何なの外して!この血って元貴がやったの!?」
元貴「目覚め早々うっさいんだけど。元気だね〜。」
耳を抑えて鬱陶しそうな顔をする元貴。
元貴「若井はね、今日から俺のペットになるの。」
元貴の言ってる事の意味が全然入ってこない。
元貴「俺は若井のご主人様ね。一生たっぷり可愛がってあげる♡」
そういって俺の頬を撫でる元貴。体の震えが止まらない。
若井「元貴ってあの事件の犯人なの……?」
俺が声を振り絞って聞くと、そうだよ。とあっけらかんに言われる。
若井「なんでっ……なんでそんなことするの!」
元貴「なんで?なんでって言われても……。お腹が空いたらご飯食べる、眠くなったら寝るのと同じ。殺したいから殺すってだけ。」
まるで普通のことのように話す元貴が、理解できなかった。
元貴「安心して?若井は特別だから。殺したりなんてしない。一生縛り付けて愛でてあげる。」
元貴「若井を街で見かけて俺のものにしたいなって思って、ずっと付けてたんだよ?気づいてた?」
若井「ずっと……?どういうこと?」
元貴「だから!若井と会う前から若井の事全部知ってたんだって!家だって入ったことあったし。」
出会う前からずっと?監視カメラや盗聴で俺のこと把握してたから、話も合うし、話してない事も知ってたってこと?
今まで感じていた小さな違和感が、繋がっていく。
俺はとんでもない怪物に見初められてしまったらしい。
若井「いや……やだっ!やめて、帰して!!」
俺はパニックになり、ベッドの上で暴れる。
激しく動く度に、枷がくい込み鬱血痕を作る。
元貴「ちょっと暴れないでよ。……やっぱり体に教えこまないとダメかな。あまり痛くはしたくなかったんだけど。」
元貴が俺の髪を掴んで、無理やり目を合わせてくる。その目は真っ黒で光を宿してなかった。
コメント
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あああああ大好き大好き大好き〜〜〜!!! ❤️さんが殺人鬼だったって知って、そんなサイコパスに捕らわれちゃってる💙さんが可愛いいい…… ずっと泣いて怯えてても鎖で逃げられない姿がもう癖…… 次回が!!楽しみすぎる〜〜〜!!
うへ~いい…サイコパス森さんはいい…
闇いいねぇ〜