テラーノベル
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キラーの…John doeの足音がすぐそこまで迫っている。手に持った杖をぎゅっと握りしめる。と、後ろで風を切る音が聞こえた。何か、振りかぶっている?まずい。早く逃げなければ…
「う…はぁ、はあっ」
でも、スタミナがもうない。このままだと、やられ—…
一瞬の痛みのあと、目が覚めると、そこは見慣れたロビーだった。
「…あはは…一番乗りか…」
誰も守ることができず、それどころか真っ先に殺されてしまった。私の存在は、キラーにとっては煩わしいのだろう。彼らは皆、必ずと言っていいほど最初に私のことを倒しに来る。
「はあ…暇だな」
あまりにもすぐに殺されてしまったものだから、ロビーにはまだ誰も居ない。こうなると、誰かが来るまで暇しているしかない。頭にかぶったカボチャの損傷具合を確認してみる。何も変わっていないのは分かりきっているけれど。
ロビーを一通りうろうろして元の場所に戻る。と、そこには何かが落ちて…いや、倒れていた。
「Taph。君もやられたのか」
Taph。私が唯一、素を出せる相手。二人ともだいたいすぐにキラーにやられるため、何度もロビーで顔を合わせていたら、そのうちに仲良くなっていった。
まだ起きる気配はない…と思う。彼の顔はフードの影に隠れて、全く見えないのでよくわからないが。
しばらくその顔を見つめていると、ぴくりと彼の体が動いた。そのまま、のろのろと体を起こす。
「🎃…👤🔪🤨❓️」
彼は言葉を話さないが、彼の身振り手振りを見ればだいたいの意味は伝わる。他の生存者はそれを見てもあまりピンとこないらしく、私のことをTaphの通訳代わりにしたりする。
「うん、そうだよ。私もキラーに殺されてしまった」
そう答えると、Taphはなにやら怒り出す。
「👤🔪💣️🎃💀‼️😡‼️」
私達がまず最初に狙われることが気に食わないようだ。確かに私もそれは嫌だが…
「まあ…仕方ないよ。私達はキラーにとって邪魔者以外の何物でもないんだろう。」
キラーに対して有効なトラップを仕掛けられるTaphと、キラーから生存者を守るためシールドを展開する私。私がもしキラーでも、まず最初に2人を殺しに行くと思う。
「😑😮💨」
それは彼もわかっているらしく、がくりと肩を落として溜息をつく。表情は見えないが、彼は見かけによらず感情表現が豊かだ。
不貞腐れたのか、彼は膝を抱えてその場に座り込んだ。私も彼の横に座る。
「でも、私は殺された後のこの時間も好きなんだ。」
だって最初に殺されるのは大抵私と君で。しばらくはゆっくり、二人きりでいられるから。そんなこと口には出せなかったけれど。
「……😌」
Taphは私の顔をじっと見つめたあと、こくりと小さく頷いた。
すると、なにやら入り口のほうから声が聞こえる。もうラウンドが終わったのか。サバイバー同士の話し声や、今回のラウンドのキラーであったJohn doeをからかう声も聞こえる。どうやらサバイバーが勝ったようだ。
そこに向かおうと腰を上げる。Taphもそれに倣った。歩きながらTaphに話しかける。
「結局やられたのは私達だけだったね…」
ははは、と笑いながらTaphの方を見る。彼はローブの袖を口に当て、静かにくすくすと笑っていた。
コメント
2件
あまりにも可愛すぎます。たふもドゥセももっと好きになりました責任取ってください😰😰😰😰💦💦💦