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夏の穂||フォロバ|低浮
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第7話 鎖の結び目、溶ける心
更衣室の冷たい空気の中で、僕たちの吐息だけが白く、熱く、不規則に絡み合っていた。
カイザーに唇を塞がれた瞬間、僕の頭の中は真っ白になった。これまで「王と影」として完璧な距離を保っていたはずの境界線が、ドロドロに溶けて崩れていく。
「ん……っ、カイザー……!」
苦しくて、だけどそれ以上に甘くて、僕は彼の広い肩にしがみついた。
カイザーのキスは強引で、まるで僕のすべてを今すぐ食い尽くそうとするかのように狂おしい。僕の口内を蹂躙する彼の舌、首筋を這う大きな手のひらの熱さに、全身の力が抜けていく。
「……ネス。お前、自分がどれだけ俺を狂わせているか分かってんのか」
唇が離れた瞬間、カイザーが低く、掠れた声で 囁(ささや)いた。その青い瞳は、いつも試合で見せる冷徹なものじゃない。独占欲と、むき出しの情熱で、ギラギラと燃え上がっていた。
「……ネス。お前、自分がどれだけ俺を狂わせているか分かってんのか」
唇が離れた瞬間、カイザーが低く、掠れた声で 囁(ささや)いた。その青い瞳は、いつも試合で見せる冷徹なものじゃない。独占欲と、むき出しの情熱で、ギラギラと燃え上がっていた。
「俺の足元に、お前以外のゴミがパスを落とすたび、反吐が出そうになる。俺のゴールを、俺の美しさを、世界で一番正しく理解しているのはお前だけだ。……他の誰も、お前の代わりに俺の隣に立たせるわけにカねぇ」
カイザーの口から溢れ出たのは、傲慢で、だけどひどく必死な剥き出しの執着だった。
天才として孤独に生きてきた彼もまた、僕という存在に、僕のパスに、狂うほどの孤独を埋められていたんだ。
「カイザー……、僕もです。僕も、あなた以外の人に触られるのも、あなたの隣に別の誰かが立つ想像をするだけで、胸が引き裂かれそうになる……!」
僕はカイザーの頬を両手で包み込み、その綺麗な瞳を見つめ返した。2年後の未来で僕をあんなに苦しめることになる、寂しくて、辛くて、狂いそうなほどの感情の原液が、すでにこの時、僕の中で爆発していた。
「あなたがいない世界なんていらない。僕の心も、体も、僕が蹴るボールのすべて、人生の1秒残らず……全部、全部、カイザーにあげます……っ!」
「あぁ、そうだ、それでいい。お前は俺の額縁だ。一生、俺だけを閉じ込めてろ」
カイザーが再び、僕の唇を強く塞いだ。今度は優しく、だけど二度と離さないと誓うように、深く、深く、僕たちの魂を 繫(つな)ぎ合わせていく。
ソファに押し倒され、彼の大きな体躯に覆い被さる安心感の中で、僕は涙を流していた。悲しいんじゃない。あまりの幸福と、この人にすべてを支配される快感に、心が震えていたんだ。
雪の降るドイツの夜。僕たちは、互いの心に一生消えない愛という名の重い鎖を巻き付けた。どんなに離れても、どれほど苦しい未来が待っていても、もう二度と外せない、二人だけの恋が始まった。