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「それぞれの自己紹介」
教室──学園の第一演習棟、Cランク所属生徒のクラス『1-C』。
個性も異能もバラバラな生徒たちがざわつく中、担任がやってくる。
背中に獣耳と尻尾を持つ、若き女性教師が教壇に立った。
担任教師「葉月・レーネ」
「はーい、静かにー!お前ら全員爆破して沈黙させるぞー。はい、いい子!」
(ざわつきがぴたりと止む)
「今日から君たちは、この異能学園で学ぶ“新人たち”だ。名前と能力、あと何か一言ずつもらうわよ。順番にね。緊張しなくていいから!」
自己紹介が始まる。
それぞれの生徒が、自分の異能や出身種族を誇るように語る。
クラスメイトたち(抜粋)
「オレはマガン=スティル!種族は魔人!能力は“爆熱因子”!気に入らねぇ奴は燃やすからよろしく!」
「エルフ族のティアナです。能力は“精霊召喚”。自然と共に生きています♪」
「プロジェクター代表、獣人族のゴルド!筋肉がすべてを解決する!」
笑い、驚き、ざわめき――。
そして、順番が回ってきた。
伊弉諾 林野(いざなぎ・りんの)
静かに立ち上がる。
教室の空気が、わずかに「重く」なる。
誰かが、肩の力が抜けたような表情を浮かべた。
「……伊弉諾 林野。人間。能力は、無し。以上。」
その一言だけ。
声も小さく、感情もなく、まるで興味がないかのように。
ざわっ……
「えっ、無しって……まさかほんとに“無能力”?」
「いや、でもこの学園に入れたってことは……」
「いやいや、D-以下だってさ。マジで雑魚だって」
笑い声。嘲り。距離。
林野は何も反応せず、静かに座った。
だが、教室の後ろ――窓際に座っていた一人の生徒だけが、眉をひそめた。
ゴルド(獣人)
(……今、あいつが立ち上がった瞬間……床が、一瞬沈んだ?)
誰も気づいていない。
だが、彼の“筋肉”は感じ取っていた。
異常な重さを。
存在の重力を。
「……おもしれぇ」
彼は静かに、笑った。
エンディングナレーション(モノローグ)
「誰も気づかない。
この日、教室に座ったのが、“ただの無能力者”などではなかったことを。
彼こそが、後にこの学園を、世界を、重力ごと傾ける存在となる――
……その始まりの日だった。」