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「実技授業と重力の揺らぎ」
朝。第一訓練場――
広大なグラウンドには、1-Cの生徒たちが整列していた。
担任・葉月レーネが竹刀を持ち、楽しげに前に立つ。
葉月・レーネ
「さーて、今日は実技授業!身体を使って異能を実践するわよっ!」
「テーマは“基礎制圧戦”。言い換えれば、異能付きかくれんぼバトル!」
「ルールは簡単。相手に触れるか、動きを止めたら勝ち。全力でやってOK。殺さなければ」
(教室ざわつく)
〖解説〗:実技ルール(簡易版)
1対1の対戦形式
異能・種族能力の使用許可(全開)
教師が結界内で監視・安全制御
勝敗判定:1分以内に“確保” or “封じ”
対戦組み合わせ発表!
「第3試合:伊弉諾 林野 vs プロジェクター代表 ゴルド」
(その場がざわつく)
「……え?マジ?雑魚Dランクとゴルド?」「死ぬんじゃね?」
「いや、逆に見たい……あの無能力者がどう潰されるか」
第3試合:伊弉諾 林野 vs ゴルド(獣人)
リングに上がる二人。
林野は気だるそうに、手をポケットに入れたまま。
ゴルドは笑っている。だがその目は、本気だった。
ゴルド「無能力者って聞いてたけどな……お前、なんか変だ」
林野「……そっちが勝手に思ってるだけだろ」
バトルスタート!
ゴルドが地を蹴る――
地面が砕ける音。超加速で突撃!
「終わりだぁあああッ!!」
林野は避けない。
――避ける“前に”、ゴルドの身体が 止まった。
異変発生
ゴルドの全身に、異様な重さがのしかかる。
身体が沈む。空気がねじれる。
彼の足元が、まるで地球の10倍重力圏のように沈下していた。
ゴルド「……ぐっ、な、なんだコレ……!?脚が、沈む……っ!」
林野は一歩も動いていない。
ただ、目を細めてつぶやいた。
林野「“中心”がズレてる。お前、重力に逆らってるつもりだったんだな」
教師が結界干渉!
レーネ「待って!?今の……空間重力異常!?この子、本当にDランク!?」
試合強制終了。
結界が解除され、重力が戻る。
ゴルドは膝をついたまま、林野を見る。
「……お前、無能力者じゃねぇ。いや……“この世界の能力”じゃないだけか」
林野は静かにリングを降りた。
教師・レーネのひとりごと
「伊弉諾 林野……何なの、あの子。あんな異能、私は聞いたことがない……」
次回予告:第5話「昼休みの俺」
「……実技の後、やたら見られるようになった。」
「飯は、学食の隅っこでいい。静かで落ち着くし。」
「でも……なんでSランクのやつが、俺の前に座ってんだ?」
――次回、『昼休みの俺』
……騒がしい昼が、始まる