この作品はいかがでしたか?
1,004
この作品はいかがでしたか?
1,004
⚠︎ オリキャラ 男夢主
⚠︎ 原作改造
__ ̄ ̄__ ̄ ̄__ ̄ ̄__ ̄ ̄
悟side
「…傑さん、の匂いが、した、」
要(かなめ)の涙が止まりかけていた時、要が唐突に言った。
『…え?』
要の口からアイツの名前が出てきた。そのことに驚きが隠せなかった。あの日から一度も、要はアイツの名前を呼んでいなかったから、余計に。
「で、も…知らない匂いも、付い…てて…」
嗚咽をしながらも、一生懸命に話そうとしている。俺の自分勝手なわがままに、要は応えてくれている。
『……うん』
だから、俺も真剣に聞く。要は俺が相槌を打った事に安心したのか、少し表情が和らんだ。
「…っ、」
でもそれと同時に、涙が溢れ出す。きっと今、要の心は色んな感情でいっぱいになっている。
自分の感情に混乱して。アイツのことを思い出して。気持ちが肯定された事が嬉しくて、安心して。我慢しないで泣いてもいい事を知って。
『…ゆっくりでいいよ。』
それなのに、俺は。
『……』
要の涙に触れられない。
「久しぶり、に傑さ…の匂いし、たから…」
「もうす、ぐ来てくれるんじゃないか…って思った、のに…!」
話す度に涙が溢れてきてしまう要を、俺は抱きしめることしかできない。
「来て…欲しくない、って思った、自分が…いて、」
その瞬間。此奴を、要を救い出せるんじゃないか、と確信した。アイツの、絶対的な呪いから、解放してやれるんじゃないかって。
「…傑さ、んのこと、大事なのに、!こんな事思ってる自分が…嫌で…!嫌いで!」
俺の目には、要が無理矢理、自分を否定しているようにしか見えなくて。抱きしめる腕に力を込めた。
『……俺は、そんな事思ってる要も。皆が傷ついて欲しくないからって、自分を犠牲にしちゃう要も、』
『全部、大好きだよ。』
そう言って、要の拘束を解いた。そしてまた抱きしめる。
「…っ」
要に自分を否定して欲しくなくて、自分を褒めて欲しくて。泣き崩れた要に、優しく声をかけ続けた。
『要は凄いよ。ずっと待ってたんだもんね。頑張ったね。』
要が震える手で、俺を抱きしめ返した。声をかける度にその手が強まる。
『…要は偉いよ。』
しばらく経つと、要は安心したように、俺にもたれかかりながら眠った。その行動が、俺に心を許してくれたように思えて、嬉しかった。
そのまま要を部屋まで運んで帰ろうとした。
『……あれ』
けど。
『…』
『…しょうがないなぁ。』
要がまるで、行って欲しくないとでも言うように、服の裾を掴んでたから。
帰ろうにも、帰れなかった。
『…おやすみ、要。』
俺に擦り寄ってきた頭を優しく撫で、包み込むように抱きしめて、俺も寝た。
__ ̄ ̄__ ̄ ̄__ ̄ ̄__ ̄ ̄
next_❤️200
❤️&💬&👤+
ヨロシク。
コメント
1件
待って神作品過ぎて泣くんだが?