pr視点
その日の夜、俺は結局ちぐに連絡せんかった。
メッセージアプリを何度も開いては閉じて、既読をつけたまま放置してるちぐのトーク画面を見て、ただため息をついた。
pr 別に疑ってるわけやない
pr でもなんや、胸の奥がモヤモヤして落ち着かへん
普段やったら、ちぐの方から「今日もお疲れさまでした」とか、ちょっとした一言が届くのに今日はない。
たぶん、あいつも何か感じ取ってるんやろな。
次の日の放課後。
俺は大学の帰り道、ふと思い立って、いつものカフェに寄ってみた。
もしかしたら、ちぐが来るかもしれへんって、どこかで期待してた。
だけど
いなかった。
当然か。こっちは連絡してへんし、向こうからも何もないままやったし。
それでも、カフェでぼーっとしてたら、スマホが震えた。
ちぐからやった。
tg『先輩、最近なんかあったんですか?』
その一文を見たとき、胸がチクリと痛んだ。
ちぐは悪くない。俺の勝手な、ただの嫉妬や。
わかってる。でも、その気持ちをすぐに言葉にするのは、ちょっと難しかった。
返すまでに、しばらく時間がかかった。
pr『ちぐが昨日、一緒に帰ってた子、楽しそうやにったなって思って』
既読がついたあと、返事が来るまでに少し間があった。
tg『あれ、ただのクラスメイトです、買い物の話してただけで』
tg『先輩が見てたなんて、気づきませんでした』
すぐに続けて、もう一通。
tg『俺、先輩と会いたいです』
その言葉を見た瞬間、思わず笑ってしまった。
こんなに素直に伝えてくれるんや。ほんま、ちぐは俺の大事な人や。
pr『ほな、今から会おうか』
tg『うん、すぐ行きます』
俺は今いる場所を伝えてスマホをポケットにしまった。
ふと、カフェの窓を見ると
その向こうに、あいつが駆けてくる姿が浮かんだ気がした。
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コメント
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続きが楽しみです!((o(。>ω<。)o))ワクワク