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pr視点
それからほんまにすぐ、ちぐはカフェに現れた。制服のまま、ちょっと息を切らしてて、でも、俺を見つけた瞬間、ふっと柔らかく笑った。
tg 先輩…!
pr おう、ちぐ、走ってきたん?
tg ちょっとだけです……早く会いたかったから
その言葉に、心の中がじわって温かくなる。
さっきまでのモヤモヤなんて、全部吹き飛ぶくらい。
tg 昨日のこと、ちゃんと説明したくて
tg 別に俺、隠してたわけじゃなくて、でも、ちゃんと言わなかったのは俺のミスです
tg ごめんなさい
ちぐはまっすぐに俺を見て、そう言った。
pr そんな謝らんでええよ、悪いんは、俺の方や
pr 勝手にモヤモヤして、ちぐに何も言わんまま避けてしもた…ほんま、子どもやんな
tg 子どもじゃないです
pr ん?
tg 先輩が不安になるくらい、俺がちゃんと”好き”って伝えきれてなかったんだと思います
tg 俺、もっと言います、ちゃんと、言葉で
そう言って、ちぐは少しだけ照れながら、でも真剣な目で俺を見る。
tg 俺、先輩のことがほんとに好きです
胸がぎゅっと締めつけられるような、その真っ直ぐな想い。
言葉にできへんくらい嬉しくて、俺はたまらず、ちぐの頭をそっと撫でた。
pr ありがとな、ちぐ、俺も好きや、めっちゃ
ちぐは少しだけ目を伏せて、それから小さく笑った。
pr なぁ、ちぐ
tg はい?
pr 今度の土曜、空いてるか?
tg 空いてます……なんでですか?
pr ちゃんとしたデートしたいやん、もうちょいええとこ連れてったる
tg ええとこって、どこですか?
pr ふふん、それは秘密や
tg えぇ、ずるいです!
pr 楽しみにしとき
tg うん、楽しみにしてる
そんな風に、俺たちは肩を並べて、カフェをあとにした。
歩く道が並んでる。それだけで、こんなに安心するんやって、改めて思った。
すれ違っても、迷っても。ちゃんと、想い合ってたら何度でも、隣に戻れる。
今、俺の隣にはちぐがいて。
その手を、俺はしっかりと握りしめた。
♡➡︎➡︎800
次回、最終回