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響きの谷をあとにしたアクアたちは、星の導きと音のしずくを手に、“時の泉”へと向かっていた。 そこは、世界の流れが交差する場所。過去と未来が重なり合い、時がゆらぐ神秘の泉。
ミカ「ここが…時の泉…?」
エリン「うむ。空も地も水も、すべての流れがここに集まる。まさに世界の心臓じゃ」
泉は静かに波打ち、空には無数の光のしずくが浮かんでいた。 そのひとつひとつが、誰かの“もしも”の記憶——選ばれなかった未来のかけらだった。
アクア「……ここに、水の母が眠ってるんだよね」
リリのくれた“響きのしずく”を泉にそっと落とすと、泉が淡く光り、中央に小さな島が浮かび上がった。 そこに横たわっていたのは、透き通るような水の精霊。まるで眠るように、静かに呼吸をしていた。
ミカ「これが…水の母…!」
エリン「長い間、流れの乱れに心を痛め、眠りについたのじゃな」
アクア「……起こしてあげなきゃ」
アクアがそっと近づこうとしたそのとき——
空間がゆがみ、泉の水が逆流し始めた!
???「それ以上、近づくな」
現れたのは、アクアそっくりの姿をした、もうひとりの“アクア”。 けれどその目は、どこか悲しげで、どこか優しかった。
???「私は“未来のアクア”。もし君が、流れを止め続けていたら生まれた存在」
アクア「未来の…ぼく…?」
未来アクア「私は、流れを恐れた。悲しみも、争いも、全部避けたかった。だから、母を眠らせたままにした」
ミカ「そんな…!」
エリン「それは、選ばれなかった未来…」
未来アクア「でも、君は違う道を選んだ。だからこそ、私はここに現れた。君に、最後の問いを投げかけるために」
アクア「問い…?」
未来アクア「流れを戻せば、また悲しみも巡る。それでも、君は“すべての流れ”を受け入れるのか?」
アクアは、しばらく黙って泉を見つめた。 そこには、過去の涙も、未来の希望も、すべてが映っていた。
アクア「……うん。ぼくは、受け入れる。悲しみも、喜びも、全部が流れの一部だから」
未来アクアは、ふっと微笑んだ。
未来アクア「……その答えを、ずっと待っていたのかもしれない」
そして、光のしずくとなって、泉の中へと溶けていった。
その瞬間——
水の母が、ゆっくりと目を開けた。
水の母「……あなたが、私の子…アクアね」
アクア「はい。ぼく、流れを取り戻すために旅をしてきました」
水の母「ありがとう。あなたの選んだ流れが、世界を再び動かしたのですね」
ミカ「アクア、すごいよ…!」
エリン「うむ。おぬしは、もう立派な“流れの守り手”じゃ」
水の母は、アクアの額にそっと触れた。 そのしずくは、やさしく光り、アクアの体に溶け込んでいく。
水の母「これからは、あなたが“新たな流れ”をつくるのです。世界は変わり続ける。だからこそ、流れは必要なのです」
アクア「……はい。ぼく、どんな流れも受け止めて、前に進みます!」
水の母は微笑み、再び泉の中へと姿を消した。 けれどその光は、世界中の水に広がり、命のリズムを刻み始めた。
こうして、アクアの旅はひとつの終わりを迎えた。 けれど、それは新たな始まりでもあった。
流れは止まらない。 そして、アクアの冒険も——まだまだ続いていく。
🌈✨おしまい✨🌈