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「ん……もう朝…?」
窓の外からは激しく打ち付ける雨の音が聞こえる。灰色の雲の所々から雷が落ちていて、何かの前兆のよう悪天候ぶり。
いや、そんなこと考えている場合じゃなかった。お泊り会の準備をしないと…。
コンコン
「はい!」
「迎えに…来た。」
急いで荷物を準備してドアを開ける。
目の前にはいつもとは違う雰囲気の聖さんが立っていた。
「この格好…何か変か…?」
「そんなことないですよ。むしろカッコいいなって思いました。」
「そ、そうか…。それより俺の部屋行くぞ。」
「お邪魔します…。」
前に部屋を訪れたときとは雰囲気がガラッと変わっていて、前の時にはなかったウサギのぬいぐるみや、おしゃれなティーセットなどが置かれていた。
「模様替えしたんだね。」
「花月に喜んでもらいたくて……嫌だった?」
「そんなことないですよ。すごく嬉しい。」
「よかった。あ、荷物は奥に置いとくから座ってろ。」
私が持っていた荷物を軽々と持ち、置きにいく聖さん。聖さんてすごく紳士的だ。
「今日のために菓子も用意した。」
目の前に苺がたくさん乗ったタルトケーキが出される。色も鮮やかで美味しそう。
「聖さんって、可愛いもの好きですか?」
「好きっていうか…花月に喜んでもらいたくて用意してたら…自然と揃った。湯が沸くまで時間かかるから…食うか?」
「うん。いただきます。」
口に入れた瞬間にフワッと口の中いっぱいに広がる苺の香り。わずかな酸味と甘みが絶妙。
「このケーキ、すごく美味しい!どこで買ったんですか?」
「実はこれ…俺が作った。泰揮に教えてもらった。」
聖さんの手作り。こんなにおいしく作れるだなんて凄い。
「美味しいって言ってもらえてよかった。もっと食うか…?」
「こんなに美味しかったらたくさん食べちゃいます!」