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コメント
2件
この作品めっちゃスキです! フォロー失礼します!
まばゆい光が収まったとき、
エデンの塔を支配していた重苦しい静寂は消え去っていた。
「……ん……。……わか、い、涼ちゃん……?」
床に倒れていた元貴が、ゆっくりと目を開ける。
若井と涼ちゃんは、恐る恐る元貴に触れた。指先が、透き通ることなく、確かな温もりを捉える。
「……元貴……。お前、ちゃんと『ここに』いるんだな!?」
若井が声を震わせる。
元貴の猫耳は、元の琥珀色の光沢を取り戻し、若井の呼びかけに応えるようにピクピクと元気に動いた。
「うん。……なんだか、体がすごく軽いんだ。……もう、どこも透けてないよ」
三人が立ち上がると、窓の外には驚くべき光景が広がっていた。
エデンを覆っていた偽りの虹が消え、そこにはありのままの、けれど力強い太陽の光が降り注いでいる。
呪いは解け、世界中の獣人たちの「喉」が開かれ、人間たちの「心」に音楽が戻ったのだ。
「……腕は、戻らなかったな」
若井が、動かなくなった右腕を見て、少しだけ苦笑いした。
涼ちゃんも、聞こえない左耳をそっと押さえる。
「でも、不思議と悲しくないよ。……この傷は、僕たちが三人で今日まで歩いてきた『証』だから」
涼ちゃんの言葉に、元貴は二人の腕をぎゅっと抱きしめた。
「……ううん。若井、涼ちゃん。見て」
元貴が完成したノートを空に掲げると、二十の音符が空中に飛び出し、三人を包み込む柔らかな光の帯となった。
その光が若井の右腕に触れると、腕は動くようにはならなかったが、代わりにリュートと一体化したような不思議な紋章が刻まれた。
涼ちゃんの耳にも、風の精霊のささやきを可視化するような光の模様が浮かぶ。
「……治るんじゃなくて、『進化』したのかよ。……最高じゃねえか」
若井が不敵に笑い、左手でリュートを、右手で剣を構える。
数ヶ月後。
三人は、エデンを後にして再び旅に出ていた。
でも、それは「逃げる旅」ではない。世界中に新しい音楽を届けるための「演奏旅行」だ。
ある街の広場。
若井の力強い一撃がリズムを刻み、涼ちゃんのフルートが空高く舞い上がる。
そして、その中心で、元貴が琥珀色の瞳を輝かせ、誰よりも自由に、誰よりも幸せそうに歌い出す。
「——……♪」
その歌声には、もはや「呪い」も「犠牲」も存在しない。
ただ、三人の絆が紡ぎ出す、世界で一番優しい不協和音だけが響いていた。
「……ねえ、若井! 涼ちゃん! ……僕、この世界に生まれてきて、本当に良かった!」
元貴が歌の合間に笑う。黒い猫耳が幸せそうに揺れる。
若井が元貴の頭をクシャッと撫で、涼ちゃんが二人に寄り添って音を重ねる。
彼らの旅はこれからも続く。
たとえ道が険しくても、この三人の音が揃えば、どんな場所だって最高のステージに変わるのだから。
**(完)**
最後までみてくださり
ありがとうございましたぁm(_ _)m
ここまで着いてきてくださり、
嬉しい限りです⸝⸝o̴̶̷ ·̭ o̴̶̷⸝⸝
本当に皆さんありがとうございます🙇♀️
あとお知らせなんですが、スマホ機種変により、アカウント削除または移行するかもです。
消えてたらまた新しいスマホで始めたいとは思ってるのでご機会があればまた〜😆😆
移行が出来たらそのまま継続です
(((o(*゚▽゚*)o)))
それまでよろしくお願いいたします🙏