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(笑)
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再び小畑くんが帰って来た。
僕が大学の図書館で、西洋美術の論文の為の資料を探していると、いきなり耳元で、
「僕はルノアールが一番好きなんだ。」
と囁かれた。
驚いて振り向くと、それは小畑くんだった。
「君か。
今までどうしていたんだい。
今は、もうフクロウの姿じゃないようだが。」
僕がこう言うと、小畑くんは決まり悪そうに、
「いやあ。
色々あってね。
フクロウの暮らしは、初めは気楽なものだった。
ネズミを獲ったり、昼寝をしたりして過ごしていた。
だがある時、フクロウの雌に捕まっちゃってね。
そいつがまあ体が大きくて、大変気性が荒いのだ。
フクロウの女王といったものだった。
僕を大変気に入ったらしく、一日中傍を離れないのだ。
それが、他の雄のやっかみを買ったらしく、僕は迫害されてしまった。
だから逃げて来たのだ。
気が付いたらもう羽は無かった。」
と言った。
小畑くんが帰って来て、大学生活がまた楽しいものとなった。
小畑くんと僕は、暇さえあれば寮の裏にある森で木登りをしていた。
僕は小畑くんがあんまり上手く登るので、驚いた。
また、そこら中の無花果の木から実を採って、寮に持ち帰って二人で食べた。
僕は、もう小畑くんが何処かに行ってしまうことは無いだろうと安心していた。
しかし、しばらくすると小畑くんが日光を避けるようになった。
そして僕は、寮の風呂場で体を洗っている小畑くんの脇の下に、薄い皮が垂れ下がっているのを見た。
僕は不安になった。
そしてとうとうそれは起きてしまった。
ある朝、小畑くんが部屋にいないので、僕が探していると、寮の庭の木の上で小畑くんが素っ裸で眠っていた。
僕があっと声を上げると、小畑くんが目を覚ました。
「おはよう。
君、どうやら僕は今度はモモンガになったらしい。」
と言った。
小畑くんは、腰を抜かして座っている僕に、淋しそうに微笑んで、
「さようなら。」
と言って両手を広げて飛んで行ってしまた。
僕は、以前よりも大きくなったように見える小畑くんの目を、忘れることが出来ない。
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