テラーノベル
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「あは、あはは!!パパ!僕、やっとレモン色に…」喜びの絶頂を迎えそうになった途端身体に染みた色に気がつくが、もう遅かった。
「え…?」
身体には嫌な色が染みていく。ドロドロと赤色が染み込んでいく感覚が身体中を蝕む。
「ねえ、パパ!!僕、こんな…こんな色!!いやだ、いやだいやだ!!こんな色!!大嫌いだ!!!」
「レモン色に、なれるはずなのに、どうして、こんな色…」
いのちで染まった身体を、何度も何度も確認する。こんな色が、自分の色のはずがない。手を、足を、胴体を。それでも身体はいのちが宿ったように、ドロドロと赤色が流れている。気持ちが悪くて、赤色を取ろうと腕を引っかいた。
「うわっ!」
じわじわと痛みが襲い、赤色が流れ出してくる。ドクドクと一定のテンポが体中を巡る。目から水がボロボロと零れ落ちて、地面へと染み込む。
「パパ…返事してよ…僕…レモン色が…ほしいだけなのに…気持ち悪いよ…」
そこにある「パパ」からは、もう返事も返ってこなかった。
コメント
2件
ありがとうございます、しんどいです、本当に好きです、ありがとうございます…😭💖💖💖