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ドサッ

アマリジョが地面に倒れ込む。全員何も言えなかった。“もういやだ”というのを言ってはいけなかったのかもしれないが、それにしてもこの仕打ちは酷い以外の何者でもない。

「これは……これが、人間に対しての仕打ちですか……!」

「……人間に対してこんな事する奴の気が知れないね」

Mr.すまないがアマリジョを抱き上げる。

「貴様っ!」

アナランハドが僅かに怒りを内包した声で止め槍を向けるがMr.すまないは動じず

「傷付けたりはしないよ。君もおいで?」

と言って身を翻してアマリジョを連れて行った。アナランハドは少し躊躇ったがいつでも反撃出来るように槍を持ち、神経を研ぎ澄ましたまま後を追った。


「ブラック、この首輪外せそう?」

「少々お待ち下さい」

ぱっと見チョーカーにしか見えないシンプルなデザインだが、その実態は決まった音声に反応して装着者に電流を流すという恐ろしい代物。まずはそれを外さねば話も何も出来たもんじゃない。

カタカタカタ……

「特に外すのに特別な手順は必要無さそうですが、変に刺激を与えると危険なので先に中の線を切ってから外した方が良さそうですね」

「なるほどね」

Mr.すまないはポケットからペンチを取り出して首輪の外装を破って中の配線を一つ一つ、しかし全て切った。

「これで外せるかな。ブラック頼んだよ」

「分かりました」

ブラックは静かに承りアマリジョ首輪を外した。長年付けていたのか首輪が付いていた所に肌の色の境界線が出来ていた。

(……相当長い間ドールとして生きて来たんだろうね……)

そしてチラッとアナランハドを見る。まだ酷く警戒していて首輪外させてくれるような状態ではない。

「あー……wどうしようか、ブラック」

苦笑しつつそう呟いた。ブラックもこの様子には対処しかねるようで首を振る。しかし、機転は案外早く訪れた。

「……外せる……のか……?」

アナランハドがそう聞いた。Mr.すまないとブラックはお互いに顔を見合わせたあと、しっかりと頷いた。アナランハドはおずおずと槍を手離し

「……外して……欲しい……」

と蚊の鳴くような声で小さく呟いた。Mr.すまないとブラックはお互いに頷き

「「もちろん!/もちろんです」」

と答えた。


数分後。

アナランハドの首輪も滞りなく外せた。神経が過敏なのか首に触れるたびにビクッと跳ねていたがそれ以上は何も無く、とりあえずホッと一息吐いた。

「……これで……終わりなのか……?」

「うん、君は自由だよ。首輪の呪縛にも命令にも囚われる必要はもう無いんだ」

アナランハドは何年振りか分からないほど久しぶりに自由なった首を摩り、呪縛の首輪が無い事を再確認すると静かな声で

「ありがとう……ございます」

と小さく、だがしっかりと聞こえる声でそう言ったのだった。

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コメント

1

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バナナ大丈夫かな…マネーに刺されてたし…流石ブラックとすまない先生!2人とも呪縛から逃れられたね!ドールから解放されたマネーとバナナはこれからどうするんだろう…この話めっちゃ好きなんよ!続き待ってるー!

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