TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

若き覇王に、甘くときめく恋を

一覧ページ

「若き覇王に、甘くときめく恋を」のメインビジュアル

若き覇王に、甘くときめく恋を

90 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.2「ドキドキの久我邸へ訪問」③

♥

2

2025年02月28日

シェアするシェアする
報告する


邸内へ招き入れられると、改めてその広さに驚かされた。


「お部屋は、どちらにご案内をされますか?」


源治さんが声をかける。


「私の部屋に。ティーセットもそちらに持って来てもらえるか」


彼がそう答えると、


「承知しました。彩花お嬢さまも、どうぞごゆっくりと」


源治さんは笑顔を返し、離れて行った。


彼に付いて廊下を歩きながら、壁際に並ぶアンティークのガラス製の花器や大理石の胸像などの調度品に、目を奪われる。


「……本当に、お城みたいで」


思わずため息が漏れると、


「……君は、私の母と同じ反応をするんだな」


と、彼が呟いた。


「お母さまと?」


「ああ、かつて母がそう話していたと、父から聞いたことがあるんだ」


「そうなんですね……」


お母さまのことを思い出してか、彼が薄っすらと目を細めて、亡くなられたお母さまやお父さまの分まで、せめてこの人のことを愛していけたらと思わずにはいられなかった……。


緋色のじゅうたんが敷き詰められた長い廊下の片側には、幾つもの部屋が並んでいて、時折そこから家政婦さんらしきエプロン姿の女性が現れては、笑顔でおじぎをして行った。


「えーっと……家政婦さんとかって、何人ぐらいいらっしゃって……」


それぞれの部屋から出て来る人たちは、みんな違った顔で、一体どれくらいの方がいるんだろうと、単純に気になった。


「そうだな……使用人らは、住み込み以外も含めると、だいたい十数人くらいか」


「そんなにですか⁉」


驚きの隠せない私に、「うん」と彼が頷いて、「家には会社関連の訪問客も多いので、いつも気持ち良く整えておくために、ある程度のスタッフも入り用だからな」と、話して聞かせた。


「そう、ですよね……」


あれだけの規模の会社の創業主なんだもの、それも当然なのかもと思うけれど、やっぱり自分とはだいぶ次元の違う話に、まるで夢物語のようにも聞こえるみたいだった。

若き覇王に、甘くときめく恋を

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚