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彩っさん
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緑茶【妊娠パロ】
地雷の方はUターン
朝から、ずっと気持ち悪かった
💚)…..っ、やば….
洗面台にしがみついて何度目かわからない
吐き気をやり過ごす。
喉が焼けるように痛いのに何も出ない。
鏡に映る自分の顔は青白くて、ひどく弱っていた。
💚)…..風邪かな..
そう呟いたものの、どこか違和感が残る
熱は無い…
でも、体の奥が妙に熱っぽい。
それに——
💚)……周期、遅れてる……?
ぽつりと零れた言葉に、自分でハッとする。
ありえない、とすぐに否定した。
でも、その“ありえない”が頭から離れない。
💚)(いや、でも……オメガだし……)
可能性は、ゼロじゃない。
むしろ——
💚)……やだ……
心臓が一気にうるさくなる。
思い当たるのは、ひとりしかいない。
“まさひろ”
優しくて、でも時々強引で、どうしようもなく好きな人。
その名前を思い浮かべた瞬間、胸が締め付けられた。
💚……違う、よね
震える手でスマホを握る。
検索画面に打ち込んだのは、“妊娠 初期症状”。
表示された文字列が、今の自分にぴたりと重なっていく。
吐き気、倦怠感、体温の変化、遅れた周期。
💚)……嘘、でしょ……
息が浅くなる。
逃げるように画面を閉じた。
——確認なんて、しなければいい。
そうすれば、きっとこれはただの体調不良で済む。
でも。
💚)……っ
腹の奥に、ほんのわずかな違和感。
気のせいかもしれない。
それでも、その感覚が離れない。
気づいてしまったら、もう戻れなかった。
気がつけば、薬局の前に立っていた。
自動ドアが開く音に、びくりと肩が揺れる。
💚)……買うだけ、だから
誰に言い訳してるのかもわからないまま、中
へ入る。
棚に並ぶそれを見つけた瞬間、足が止まった。
妊娠検査薬。
あまりにも現実的な存在に、喉が詰まる。
💚)……
手に取るまで、少し時間がかかった。
レジでのやりとりも、ほとんど覚えていない。
ただ、早く帰らなきゃ、という焦りだけがあった。
💚)……はぁ……
自室のトイレで、一人。
手の中の小さな箱が、やけに重い。
説明書を何度も読み返して、それでも落ち着かない。
💚)……大丈夫、大丈夫……
何が大丈夫なのか、自分でもわからない。
震える手で、検査を終える。
あとは、待つだけ。
たった数分。
なのに、永遠みたいに長かった。
時計の秒針の音が、やけに響く。
💚)(違うって出て)
💚)(お願いだから)
強く目を閉じる。
祈るように、ただそれだけを願った。
——でも。
恐る恐る目を開けた先。
そこにあったのは。
くっきりと浮かんだ、二本線。
💚)…………え
思考が、止まる。
理解が追いつかない。
💚)……うそ……
かすれた声が、震える。
💚)……ほんとに……?
足の力が抜けて、その場に座り込んだ。
手の中のそれが、現実を突きつけてくる。
逃げ場なんて、もうどこにもない。
💚)……まさ、ひろ……
名前を呼んだ瞬間、涙が滲んだ。
嬉しいのか、怖いのか、自分でもわからない。
ただ一つ、はっきりしているのは——
この子は、あの人との子供だということ。
でも。
💚)……どうしよ……
思い出すのは、あの言葉。
“子供、あんま得意じゃないんだよね”
胸がぎゅっと締め付けられる。
💚)……言えない……
ぽろりと、涙が落ちた。
💚)こんなの……言えないよ……
好きだから。
大切だから。
だからこそ——壊したくない。
💚)……ごめん
まだ見ぬ小さな命に、そっと呟く。
💚)でも、ちゃんと守るから
その日、たくやは決めた。
何も言わずに、離れることを。
大好きな人の未来を、守るために。