あの後、お互い何も喋らずに焚き火を見ていた。静かなのは苦手じゃないが、なぜか少し気まずい空気が流れる。俺だけがそう感じているだけかもしれないけれど。
(早く2人とも帰ってこい…!!)
すると遠くの方からライトがチカチカしているのが見えた。よく見ると、規則的に点滅している。
A「何だあれ、モールス信号かよ」
どうやらこいつは通常運転らしい。やっぱり俺の思い過ごしか。
E「俺“SOS”しか知らないけど」
A「まさにそれじゃん」
だんだんと近づいてくるその明かりは、持っている本人の顔を下から照らしていた。しかもなぜか笑っている。
嫌な予感がした。
F「はい、今から肝試しします!」
は?何いってんだ?
A「俺ら風呂まだなんですけど」
K「この近くに川があるみたいでさ、ちょっと行ってみようぜ」
E「こんな夜中にですか」
K「夜中だからいいんだろ!」
みんなも知っての通り、この4人はホラー耐性がとにかく高い。こんなところで怖がるような歳でもないし、驚かない自信はある。それにしてもなんでこのタイミング?俺らの話聞いてなかったのか?
…早く風呂に入りたいのに。
俺はちらっとあろまを見てみた。案の定、めんどくさそうな顔をしている。俺も同意見だ。さっさと終わらせて風呂に入りたい。そして寝たい。
俺の視線に気づいたのか、薄く笑ってこちらを見る。
E「なんだよ」
A「いや?」
E「めんどくせーなって顔してんじゃん」
A「お前もな」
発案者の2人はタオルやら服やらをしまっているところだった。
A「俺さ、いいこと考えたわ」
いつも見る顔がそこにはあった。ニヤニヤして、何かを企んでいる顔だ。消えかかった焚火の明かりの中で、それは少し不気味に見えた。
A「先行くわ」
あろまが立ち上がり、俺にアイコンタクトをする。何をするのかわかっていない俺は、とりあえずついていくことにした。
F「まじかよ、随分やる気じゃん」
A「早く終わらせたいから」
F「ひでぇ!!」
いつもより歩くスピードの速いあろまを、俺は小走りで追いかけた。何でか今日はよくこいつとつるんでいる気がするな…
To Be Continued…
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