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「いや〜、やっぱ俺でしょ」
「いやっ!蝶使さんが俺を捨てる訳がないやろ!」
男二人に迫まられて、
「え…えぇ?」
「あ〜…、大変な奴らに好かれたね?蝶使…さん?」
後ろにはもう一人男がいる。
ぱっと見逆ハーなこの状況…だがこの状況は私から見ればどう考えても面倒くさい絡みだった。
「た…助けて兄さん」
「えっ、俺に来んの…!?」
「「えっ!?」」
遡る事、少し前…。
コネシマが私の部屋に遊びに来ていた。
「なぁ、今日は見上げ話持ってきたんよ」
「本当!?ジェンガしかすること無いんだわ!助かる!」
「え?カードゲームは?」
「二人用だか四人用だかばっかだからさ…。」
「あぁ〜」
コネシマは私の足の枷と部屋の鍵を外ずした。
「出ていいの!?」
「庭しか許可出なかったわ…」
「いやいいよ!そもそも私アウトドアじゃないし!」
私はコネシマを置いて真っ先に外に出た。
そこに広がっていたのは庭園だった、綺麗な花が咲いていてひとらんらんの顔が浮かぶ。
そういえばひとらんらん、お花好きって言ってたな。
だがそんな考えも吹き飛ぶ人物がそこには居た。
注意
他の実況者さん、あまり私の知らないメンバーさんが出てきます。
「妹!?俺の妹飛び出して来たんだけどwww」
「ぴくとお兄ちゃん!?!?」
ゲラなお兄ちゃんがそこには居た。
「ぴくとの兄貴!いやぁやっぱ雰囲気似てるとは思ったんすよ!」
私の兄をぴくとの兄貴と呼び親しむコネシマ、それを見て私は状況を理解した。
「いやー本当ありがとね?俺の事仲間にしてくれて」
「…良かった、何気に心配してたんだよ。」
なんやかんや私は運良く好かれたけど、お兄ちゃんはもう駄目なんじゃないかと思った。
奴隷だった事知ってるだろうし、奴隷商売に関わってたら殺す…って判断の可能性もあったから。
私はお兄ちゃんに思いっきり抱きついた
「うおっ!痛い!痛い!」
「もー!!!!」
「いやー…っす〜兄弟愛っすねぇ!」
ハグを嫌がるお兄ちゃん、久しぶり…なんて思いながらコネシマを見た。
「ありがとうコネシマ!」
「おん!じゃ、僕はそろそろ!」
だが思わぬ言葉に疑問が浮かんだ。
「…え?帰るの?」
3人で話したり、遊んだりするもんだと思っていたから少し残念だ。
「ぴくとの兄貴への案内と蝶使の顔見たかっただけなんでね!帰りますわ!」
「…だってさ、引き止めちゃ駄目だぞー?」
「辞めてよ私を甘えん坊みたいに言うの…。」
だがお兄ちゃんが茶化してくれたお陰で少し楽になった、手を降って見送るとコネシマは多分仕事に帰っていった。
「…にしても、グルッペン達にどうやって取り入ったの?」
「取り入った…って言うか、コネシマいるじゃん?」
「ちょ、あんまそういう事言わないで…。怖いから…。」
「コネシマさん、お前の所でお世話になってる時ウチにもお世話になってるんだよ」
「… … … ん?どゆこと?」
「正社員だったんだよ、コネシマさん」
「… … …あー!!!」
私はいつしかのグルッペンの言葉を思い出した。
【回想 「「後輩」」引用】
「お願いだ、丁度このオークションに行くつもりだったんだ。どうせなら正式なルールで入場したい」
だが思わぬ情報に思わずツッコんだ
「おいどういうルートで行く気だったんだ、これ私の身内だから開いてるの…って言っちゃった。」
【回想終わり】
…あれって、コネシマから頼んでオークションに行くって意味だったんじゃ…。
ゆうてどっちも身内ルートじゃねーか、おい。
「…色々打点が行ったよ」
「本格的に兄貴って呼ばれたのは〜、ご飯食べてないらしくて倒れた時に飯奢った時だと思う。」
「なんだと。倒れたのか!あの事件の前に一回職場で倒れたのか!」
あぁ、通りでパンの供給切った時すぐに倒れなかったんだ…。別の場所で倒れてたのね…うわぁ本当にごめんなさい…。
「もーそれ私のせいだわー。最悪…。」
「まぁセーフだよな、今国の幹部だし」
「あ、良かった幹部なのは変わってないんだ。」
新聞で我々国が出来た時は恐怖もあったけど普通に嬉しかったんだよなぁ。
「…誰ですか?その人」
声がした方を見る、そこにはショッピが居た。
「あぁ、お兄ちゃん」
そう言って、違和感を覚えた。
あれ、私は今何を思ってお兄ちゃんって言った?
“あぁ、(いま側にいるこの人は)お兄ちゃん(だよ)“?
“あぁ、(ぴくと)お兄ちゃん(ショッピさんの方を見てほしい。)“?
“あぁ、(ショッピ)お兄ちゃん(来てたんだ)“?
呼んでいる側が混乱していることに、呼ばれている側が処理しきれる筈も無く
「ん?」
「はい♡」
沈黙が流れ___
「「…えっ?」」
事故った。(しまった…。)
「とりあえず誰ですか?通報しますね」
「ア〜↑辞めてッ、コネシマ公認だから。もう申請通ってます!」
「お兄ちゃん奇声発しないで」
「てか蝶使ちゃんのお兄ちゃんは俺だけでしょ!?」
そんな事無かったんです許してショッピィィィ!
「おーい、何してんだ?」
声の張本人は兄さんだった、本名は知らない。
実は皆と再開した時に、そこに知らない人が一人だけいた。彼だ。
まぁそんな関係地も低い彼の名前を知るわけないので、愛称を呼んで___
「「「あ、兄さん」」」
3人でハモった。
「「えっ、兄さん知ってんの!?」」
私とショッピがお兄ちゃん(ぴくと)の認知の広さに驚く。
「まぁ…、仕事仲間だし…?ちなみに兄さんなんでここに?我々国にも一枚噛んでたんですか?」
「あー…、というかここがボスなんだよね。俺の組織」
「アッ、そうなんすねぇ〜!知らなかった。」
見聞を高め合うお二人、でも私はもう気づいていた。
もうこの場に兄が3人いる事に。
「というか蝶使!」
ぴくとが声を荒げる
「なーに男引っ掛けて遊んでんの!駄目でしょー、子供なんだからー!」
「いや言うて20超えてるんですけど…。」
ショッピが口を挟む。
「それはこっちのセリフです、蝶使さんに気安く触んないで下さい。妹なんで」
兄さんが弁明をする
「ぴくとさんは本当に従兄弟のお兄さんでショッピ君は口約束の兄弟やろがい。もう面倒い事するわぁ〜ほんと。」
ありがとう…明確な説明ありがとう…。
後なんでお兄ちゃんの事しっかり知ってるんだろう…、しっかりしてんなぁ…。
「あ〜そっかぁ〜、やべっ、うちの妹タラシやん。」
「(ぴくと)お兄ちゃん!?」
語弊があるよ!?
「…別にお兄ちゃんの絆は時間で決まるもんじゃないですよ。こちとら夜までみっちり身体に教え込んだんですよ…?」
「(ショッピ)お兄ちゃん!?」
それ勉強の方な!?変な言い方しないで!?
兄さん、助け…!
「(仏の顔)」
兄さん関わる気なぁ〜〜〜い(泣)
「(しく…しくしく…)」
思わず地面に倒れ込んで現状を悲しむ、あぁ草の匂い…久しぶり…。
「いや〜、やっぱ俺でしょ。血縁特有の安心感は再現出来る訳ない!」
「いやっ!蝶使さんが俺を捨てる訳がないやろ!…血縁で結ばれた糸なんて法律持ち込んで千切ってあげますよ!」
「「蝶使はどうおもう?!?」」
「え…えぇ?」
話を振られて見上げると、そこにはよくあるハーレムの景色ー…じゃねぇよめんどくせぇお兄ちゃんズだなぁ!?
どうせなら恋愛で取り合われたかったわ!なんでお兄ちゃん合戦なんだよ!
少し後退ると、後ろから声がした。
「あ〜…、大変な奴らに好かれたね?蝶使…さん?」
あ、そっか。そこにいたんだっけ。
仏の顔をした瞬間に完全に兄さんの存在は忘れていた。
…今なら…兄さんが何とかしてくれる…?
私は混乱していて、引いてはいけないトリガーを引いてしまった。
「た…助けて兄さん」
思い切り兄さんに抱きつく、と言っても助けを求める抱きなので大分力は無い。
「えっ、俺に来んの…!?」
「「えっ!?」」
「もう兄さんがお兄さんでいいですぅ…」
「「「…ダメー!!!!」」」
あの後私は眠ったのか気を失ったのか…とにかくどう会話が繰り広げられたかは知ることは出来なかった。
後日、ショッピお兄ちゃんがお兄ちゃん枠を降りてました。
理由は怖くて聞けてません、もう二度とお兄ちゃん作らないと私は心に決めた。
「コネシマー、お兄ちゃんどんな感じ?次いつこれる?」
「あー兄さんね!兄さん〜…兄さん…ねぇ〜」
「暫く顔見たくないって!」
「…うそぉ。」
何故ならモノホンのお兄ちゃんが面倒くさくなって来ないから。
許さないお兄ちゃん事件。