テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
“ゲーム”が終わってグッタリと疲れた様子の面々を見渡して、フフンと鼻を鳴らす。結果は自分の一人勝ち。
たった4人だとやっぱり簡単な気がする。
らだおくんみたいな優しい人がたくさんいたら、もっともっと楽しいミドロンパになるだろうな…
「これズルくなぁい…!?」
「エー?」
ゴロリと仰向けになって頬を膨らませるらだおくんは少し幼く見えて、なんかちょっと新鮮だった。
「みどりが作ったんでしょ?それならみどりが有利じゃん!俺らは人生初参加だし!」
「ハハ」
「何笑ってんだ」
ともかくこれで俺とらだおくんが番になることはケッテージコーだから、あとは……
「ヨッコイショ」
「え、ま、あの、マジ…?」
「マジマジ」
「あの、でも、えと、ねっ、年齢差とか…」
魔竜は年齢なんかに差はない。
そもそも種族間の繋がりよりも個々を大切にするタイプだから、俺が見てきた成体の魔竜は相手を適当に見繕ってた。
その相手の中にはメスもオスも、成体も幼体も関係ない。
「ダイジョーブ、マカセロ」
「いやいやいや…!!」
着物が絡まって虫みたいにてんやわんやの皆んなを無視して竜体になってかららだおくんのお腹の辺りに座った。
番になれば、番う相手が攻撃を受けそうになった時、魔力の一部を使って盾のように相手を守れるのだ。
そうすれば、今後の将来らだおくんがあんな痛そうな傷を負う可能性が低くなるどころかゼロになる。
「……ぅ?」
「ンー」
「………えっ……とぉ…みどりさぁん…?」
「?」
番になると、俺の首には紋様が浮かび上がるはずなのに…何の変化もないのは何故……?
「デキナイ…ナンデ?」
「どりみー!お前にはまだ早いって事や!」
「エェ?デモ幼体デモデキル……」
魔力量と魔力操作に関しては魔竜の中でもピカイチだし、出来ないはずないんだけど…
「みどりくんに出来なかったって事はつまりまだ条件を満たしてないんだよ!!」
「エ〜?」
「みっどぉがきっと多分おそらく!?まだ小さすぎるんじゃないカナァ!?」
「ンンンー……」
ものすごい勢いでらだおくんの上から撤去されて、きょーさんの腕の中にぐいぐいと手足を詰められた。
らだおくんはと言うと、すっかり放心状態で天井を見上げている。
「デモ…」
「「「ね???」」」
「……」
…とりあえず、顔が怖い。
俺が渋々ながらも小さく頷いたのを確認したきょーさん達はあからさまにホッと息を吐くと、家に帰ると言い始めた。
教育に良くないだとか、環境が悪いとか言って帰らないといけなくなりそうだったのを「やめて?マジで、きょーさんの顔が怖いの。ねぇ、みどり?俺死んじゃう」と喚き散らすらっだぁの足にしがみついて交渉した結果……
「邪魔すんでー」
「お邪魔しまーす」
「よろしくねぇ〜」
「ハーイ」
全員で住むことになった。
「……邪魔すんなら帰ってくれ…」
当面の間は、番になる方法と他の恩返しの候補を見つけるべく、山の下の方に降りてみようかなぁーなんて考えたり。
ともかく、皆んなで楽しく暮らせるのが一番嬉しいことだった。
ー ー ー ー ー
next?→200♡
コメント
2件
補足 番になれなかったのは、みどりくんがただ座っただけだから。 猫が飼い主のお腹の上に乗るみたいなアレ。 番になるには、本来は“そーゆーこと”しないとダメ😊