テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
敦芥推し
11
#文スト中原中也夢
茉莉(まつり)
9,099
トロール
53
かいじう🦖
3
首領の部屋を出て、薄暗いマフィアの廊下を歩く二人。
中也の首元には、あの黒い革のチョーカーが巻かれていた。
だが今の中也には、それがまるで「欠陥品」を繋ぎ止めるための本物の首輪のように思えて仕方がなかった。「おい、太宰」
中也が立ち止まり、太宰の背中に声をぶつける。
「さっきの言葉……どういう意味だ。俺の鎖を握るって、何様のつもりだ」
太宰はゆっくりと振り返った。
その顔には、いつものおどけた表情はない。
15歳とは思えない、底なしの闇のような瞳が中也を見つめている。
「言葉通りの意味だよ、中也。マフィアに入った以上、君はこれから先、戦場でヒートを迎えたらどうするつもりだい? 敵のαに群がられて、這いつくばって啼くのかい? 」
「なっ……ッ! 舐めるな! そんなもん、根性で抑え込んでぶっ殺すだけだ!」
「無理だね。オメガバースの本能は、精神論でどうにかなるものじゃない。でも」
太宰が一歩、中也に近づく。
その瞬間、中也は息が詰まった。
太宰の身体から、まだ未分化だと思っていたはずの、圧倒的に冷たくて凶暴なαのプレッシャーが放たれたからだ。
マフィアに加入したばかりの中也の身体が、本能的な恐怖と、それ以上の歓喜でわずかに震える。
「僕の前でだけは、君はただの『中原中也』でいられる」
太宰の手が、中也の首元──黒いチョーカーのすぐ上の肌に触れた。
ひんやりとした感触が、中也の熱を帯び始めた肌に伝わる。
「僕の異能は、君のΩの本能すらも無効化する。……中也、君がマフィアで生きていけるようにサポートしてあげるよ。その代わりに、君の初めてのヒートは、僕がもらう」
「手前……ッ」
反発しようとした中也の唇を、太宰の指先が強引に塞ぐ。
これが、のちにヨコハマを震撼させる「双黒」の、あまりにも歪で、けれど絶対的な「契約」の始まりだった。
コメント
1件
うわっ…第2話、重くて熱くてやばかったです😭💦 中也が「欠陥品Ω」って自分を認識しちゃうところ、胸がぐっさぐさに刺さる…。あと太宰の「私の前でだけは、君はただの『中原中也』でいられる」、この言葉だけで感情が追いつかん…! 歪で絶対的な契約の始まり、この先どう転ぶか怖いけどめちゃくちゃ気になります🔥 続き待ってます〜!