DMが来てから1週間後。
今日はアニメフェスの日だ。
(アニメフェスとは、アニメのグッズや同人誌などが売られる場所のことです)
僕はうきうきるんるんで会場に来ていた。
もちろん痛バを持って。
エンカするFFさんもいるためストーリーにここにいます!っていうのを上げながら、うろうろしていた。
すると、肩を叩かれた。
「はい?」
振り返ると
「いむさんであってますか?」
りうちゃんがいた。
え?!りうちゃんいるんだけど?!なんで?!
「はい。そうですけど…。どちら様ですか?」
なんでこんなこと聞いてんだ!僕!
「えっと、りうらって言います」
「りうらさん!はじめまして。いむです」
「はじめまして。その、覚えてくださってるんですか?」
そりゃね同じ学校ですから。あと、好きな人ですから。
「はい。前に痛バのDMくださった方ですよね?」
「はい!そうです!いむさんにお会い出来るの楽しみにしてました!」
あれ?エンカの約束してないんだけど?誰かと間違えてんじゃね?
「そうなんですね!」
「はい!お会い出来て最高です!それで、良ければなんですけど、一緒に回りませんか?」
なぬ?!バチクソ嬉しいんすけど!でも、僕みたいな人と回るのは…やめといたほうが…
「すみません。この後一緒に回る人がいて…」
「そうなんですね。すみません。図々しかったですよね」
「いえ、そんなことないです!」
「それじゃ、お互い楽しみましょうね!」
「はい!」
そして、手を振って別れた。
りうちゃんは会場内へ。
僕はエンカする人の所へ。
「やほー。Sくん!」
「お、やほーいむ」
「中入ろうよ」
「おけ」
そしてSくんと一緒に会場入りした。
色々なものを買って歩いた。
アニフェス限定タペストリー、アクキー、アクスタ、フィギュア。
そして、そのキャラの設定資料集。その他もろもろ。
買っている間にお昼ご飯の時間になったので、一旦会場からでて、レストランに来た。
「いむ結構買ったね〜」
「そういうSだって結構買ってんじゃん」
「まじ、こんなに買う予定じゃなかったのに」
「うんうん。これは僕達が悪いんじゃなくて、こんなビジュが爆発しているものを出す運営が悪いんだよ」
「それはそう」
「あ、そうだ。午後どうする?」
「俺、もう1箇所寄りたいところあるからまた会場戻っていい?」
「いいよ」
「じゃ、爆速で食べて会場戻ろうぜ」
「おけ」
という話をしている間に頼んだものがきた。
それを爆速で食べて、また会場に戻った。
会場に戻ったらなんか騒がしかった。
元から騒がしかったのだが、1部分だけすごい騒がしい場所があるのだ。
なんだ?なんだ?
と思って行ってみたら
「りうちゃん?」
りうちゃんがオタク達に詰め寄られてた。
「弱オタのくせに何出しゃばってんだよ!」
「い、いや、別に出しゃばってるわけじゃ・」
「は?うるせえよ。お前のせいで俺の欲しいやつ無くなったじゃねぇか」
「し、知らないですよ」
「お前が買ったやつあれ、ラスワンだったんだけど?」
「す、すみません」
「で、俺も欲しいからそれ、ちょうだい?」
「え?」
「え?じゃねぇよ。俺が欲しかったものをお前が取った。だからお前は俺にそれを渡す義務がある」
「そんな義務ないでしょ」
「は?うるせぇよ」
グシャッ
「あ!りうらの♪♪が!頑張って買ったのに…」
「ふん!これ以上やられたくないんだったら渡せよ」
「いやだ」
「は?大人しく渡せよ!」
ドカッ、ボゴッ、ドカッ
「ぐっ。痛い」
「じゃあ渡せよ」
「絶対やだ」
「チッ。その減らず口が無くなるまで蹴ってやるよ!」
僕はそれを遠巻きに見ていた。
「あれ、いむの友達?」
「うん」
「助ける?」
「いや、めんどうだしやめとこ」
その時目があった。
りうちゃんは目で助けてと言っていた。
自然と僕の体が動いていた
「あの、僕の連れに何してるんですか?」
「何ってそいつが生意気だからしごいてたんだよ。 弱オタのくせに調子乗って俺の前に並んでくるから」
「あなた、名前はなんですか?」
「俺は☆☆だ」
「あ!あの、自分はオタクだ!ってでかい声で騒いで周りに迷惑をかけまくったり、自分がマウント取れるような人にちょっかい出したり、弱オタに暴力奮ったりしていつも警備員さんに連れていかれるで有名の!」
「てめぇふざけんなよ!」
そう言って拳が振り下ろされた。
と同時に
「お前また何やってんだ」
警備員さんがやって来て捕まり、裏に連れ出された。
「大丈夫?」
僕はりうちゃんに向かって手を差し出した。
「大丈夫」
りうちゃんはそう言って僕の手を掴み、立った。
「ごめんね。迷惑かけて」
「全然大丈夫。怪我ない?」
「うん。ないよ」
「そっか。じゃ、Sくんのところ戻るから。またね」
「うん…」
僕はSくんのところに戻った。
「おまたせ〜」
「おまたせじゃねぇよ。こっちはドキドキしてたんだからな」
「あはは。ごめん。ごめん」
「まあ、無事だったからよかったけどな」
「うん!それより、寄りたい所あるんでしょ?行こ!」
「ああ」
そう言って歩き出した時。
グイッ
袖を掴まれた
「ぬお!」
若干崩れたバランスを立て直し、後ろを見たら
「りうちゃん?」
りうちゃんがいた。
「どうしたの?」
1呼吸置いてから。
「その、さっきのあって怖いから一緒に回りたい」
「僕はいいけど、どう?Sくん」
「俺もいいよ」
「じゃ、一緒に行こ」
「あ、ありがとうございます」
そうして、一緒にSくんが欲しいものを買い
「お買い物終わり〜」
会場を出た。
「めっちゃ買った」
「俺のお小遣い全部消えた」
「この後どうする?」
「解散?」
「だと、寂しくね?」
「だよね。うーん」
「じゃあ、皆でプリ撮るのはどうですか?」
「良いじゃん!りうちゃんナイス!」
「いいな!りうら!」
「じゃあ、行こ!」
「ほら!りうらも!」
「え、あ、いいの?」
「言い出しっぺのお前が行かなくてどうするんだよ」
りうちゃんは少し戸惑いながらも着いてきた。
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