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まだ全てストーリーを見た訳では無いのでおかしいところがあります。ご了承ください。
俺は太宰が好きだった。
だったと過去形なのは今はもう”俺の知る太宰”では無いからだ。俺は俺と相棒でどうしようもない、自殺愛好家で口を開けば俺と言い合いの応酬をする太宰が大嫌いで、それ以上に愛してしまっていた。そんな毎日が嫌いではなかった。あいつの無茶な作戦だが俺の力が存分に発揮される作戦は俺は好きだった。俺にしかできない作戦で俺と太宰が阿吽の呼吸で動ける作戦が楽しかった。
だから勘違いをしていたんだ。
あいつにとって俺は特別だと、唯一無二なのだと勘違いをしてしまった。あいつが男を拾ってきた”織田作”と言うらしい。太宰はそれからよく”織田作”と言う名をことある事に口ずさみ、俺と比較した。「織田作ならもっと早く片付いたね」「この後、織田作と飲みに行く約束をしてるんだから早く終わらしてよね!」しまいには、「織田作が相棒だったら良かったのに。」俺はずっと比べ続けられた、だが別に良かったいや良くは無いが、この世にあるものに何一つ興味を示さないあいつが興味を示したものがあった、例えそれが俺じゃなくとも、この世にあいつを縛っておけるやつがいるならいいと思った。比べられる度胸が締め付けられ思わず、「俺は織田作じゃねぇんだよ」と言いたくなったがそれを言っ
てしまえば、もう相棒でも居られない気がして言えなかった。だがそんな曖昧な関係を神は許してくれなかった。
俺が長期任務でヨコハマに居ない間に太宰は消えていた。
首領にこれからのことや色々話されたが、ほとんど頭に入っていなかった。何故?どうして?と俺の頭は疑問符で埋め尽くされた。
その疑問符の答えを知りたくても、もう答えてくれる人物は存在しない。せめて経緯を知りたくて、資料保管室を訪れた。そこには、色々な資料があるが、比較的最近の資料棚に行き探した。報告者”太宰”と書かれた報告書を見つけた。そこに書かれていたのは、ミミック首謀者ジイドと相打ちになった下級構成員死亡という文字だった。”死亡者 織田作之助”という文字だった。ありふれた報告書だと思う、闇社会で生きていたら抗争で誰かが死ぬなんで普通だ。だが、その誰かが太宰にとって”大切”だったのがいけなかったのだろう。もうどれだけ、あいつの名前を呼んでも、どれだけあの黒い格好を愛おしもうともうあいつは戻ってこない、そんな気がした。あいつがこの資料を出してから行ったのは最後の弔いだったのだろう。”大切”を最期まで看取ったあいつはどういう気持ちだったのだろうか。俺には分からない。
俺は静かに報告書を戻し、資料室を後にした。
長期任務が終わった後の為、この後はもう帰るだけだ。俺は一番いい酒を置いているセーフハウスを思い出し、そこに向かうのだった。
車が爆破されたが、あいつからの最後の嫌がらせなのだろう。最後まで俺には甘くないやつだ。だが、二輪車に仕掛けなかったのは、あいつがちゃんと俺にとって二輪車が大切だと分かっているからなのだろう。ホントに腹が立つ。最後までクソみたいなことしやがって。優しさなんて見せてんじゃねぇよ気持ちわりぃ。
俺はペトリュスの89年物を開けた、あいつが死ぬのか、また別の闇に身を沈めるのか、光へ向かうは知らないが、あいつの今後が最悪になるように願ってグラスの中の液体を飲み干した。「あいつの未来に乾杯。」
続きます。良ければtwitterID貼っとくので仲良くしてください🙌太中を語る相手がすごく欲しいです。