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孤月さんリクエストありがとうございます〜!ではでは、注意書きからどうぞ〜!
⚠️あてんしょん⚠️
・関係は同級生・恋人
・過去捏造
・捏造だらけ
・モブ登場有り
・名前固定
・犬飼目線
大丈夫でしょうか?ではでは、お進み下さい〜!
* * *
「_わ?!」「どしたの〜?」「降ってきた…」「え、まさか…琴華ちゃん、傘って…」「も、持ってきてる訳…」
昼休み。彼女の驚いた声に反応して、彼女の方を見ると窓の外を見ていた。朝からちょっと頭痛してたし、天気予報も見てたからもしかして、と思って外を見た。予想通り。雨がざーざーに降ってて、生徒全員青ざめてた。そりゃそうだ、降水確率3%だったもん。
「…やばいな、レインコートも持ってきてない…」「置き傘とかも…?」「な〜い…」
机にぐでーん、と突っ伏すおれと琴華ちゃん。もう半分諦め状態だ。
「…あ」「えっ何なに?!」「雨の日って言えば、最初に琴華ちゃんと出会った事思い出すなぁって」「その事かぁ…まぁ確かに、あの時もすっごい雨だったもんね」「でしょ?」
ちょっと、おれたちのこと語らせて。
***
カッカッカッ、ってチョークで名前を書く音が静かな教室に響き渡る。
「開出琴華って言います、よろしくお願いします」
高校一年の豪雨の日、転校生が来ていた。深々と頭を下げる姿と、綺麗な顔。スラッとした身体に、一般より少しある胸…髪色はグレーだったけれど、The、男子の理想、やまとなでしこって感じのおんなのこ。おれもちょっと目を奪われた。
「…」「なぁ犬飼、どうする?あの子、取られるぞ…」「おれ、興味なぁい」「嘘だろおまえ?!」
友達に話しかけられて適当に返事する。興味無いなんて言ったけど、嘘。持ち前のチャラさで、近づいてやる。と、思った途端だった。
「_犬飼、くんだっけ?」「へっ」
話しかけられて、間抜けな声が出てしまう。そうして慌てて口を抑えると
「ふふ、面白いね君、ごめんね、びっくりしたよね〜」
くつくつ、と笑う彼女。やっぱり、すっごく可愛い。あれ、そういえば開出琴華って、聞いた事あるような。
「_ねぇちょっと、転校生ちゃんさぁ」「んぇ?」
おれはさぁっと顔から血の気が引いた。よく言えば…いや、悪く言うしかない。付き纏ってくるウチのクラスの一軍女子とその取り巻きがおれの机を囲んでた。その一軍の女子には皆嫌気が刺してた。で、もうコイツおれにベタ惚れらしくてさ、こっちとしては迷惑なんだけど。だからこの開出ちゃんがいじめとかされるんじゃないか、ってやな予感がしたんだ。
「ウチの彼ピに何してくれてんの〜?」「かれ…あ、彼女さんいたんだ〜…って、あらま…茶髪…制服乱れ…髪留め…取り巻き…」
その女子の全身を食い入るように見る琴華ちゃん。
「な、なによ」「…いやぁ…私が犬飼くんだったら、付き合わないなぁって…」
…え?
「は、はぁぁ?!」「それこの子がブスだって言ってんの?!」「ん?そう」
ゴンッ
嫌な音が響く。その音は、一軍女子が開出ちゃんの顔を殴った音だった。
「アンタ…いい加減にしなさいよ…」「ッふふ」
殴られてもにこ、って満面の笑みで微笑む開出ちゃん。クラスのみんなも青ざめてる。そりゃそう、だってこいつ、校長の娘だから。
「ありえない!!お父さんに言って退学にしてもらうから!!」「ん?言えばどう?別にわたしは困らないから」「くぅ〜ッ…!!」「ほら、言いなよ〜」「おッ…お父さぁぁんッ!!」
大声で叫ぶ。プライドなんてものはどこかに置いてきたのか?ってレベルで。そうすると先生達が駆けつけてきた。
「やばいよ…」「うそ…」
って生徒たちがざわめく中、当の本人の琴華ちゃんはにこにこしてた。マジかこの子、って、驚きすぎてようやく喋れるようになった。
「どうしたんだ?!」「お父さん!!この転校生が!」「な…?!おまえッ!!“この人”を殴ったのか?!」「え…?」「も、申し訳ありません!ウチのバカ娘が…!!どうか、どうかお許しを…!」
…校長が、頭下げてる。生徒に、たった一人の生徒に…そりゃあもう、みんなポカーンってしてるし、女子も、ポカーンって…もう、琴華ちゃんと校長覗いてみんなポカーンってしてる。
「…お、お父さん?!どうい、う?!」「ふざけるな!この人はな!!ウチの学校にお金を入れてくれてる…」
ボーダー隊員さんだ!!
「…え?」「もぉ〜、バラすつもりなかったのに」「はっ!申し訳ありません!どうか、どうか…」「いいのいいの、城戸さんには言わない」
余計にポカーンってして、おれがいち早く喋れるようになった。
「こッとはちゃん!ボーダーって…!」「君もボーダーでしょ?犬飼澄晴くん、フリーのB級隊員…でしょ?」
よいしょ、って窓際に座る琴華ちゃん。で、足組んで…
「…私は開出琴華、ボーダー隊員、脅すつもりは無いけど…ここが気に入ったからひとつ、忠告ね」
足を組んで、人差し指を唇に当てる琴華ちゃん。
「私に逆らったり、私殴ったりしたら…この学校、無くなるわよ」
その瞬間、おれは恋に落ちた。全部の時が止まったみたいで、女王様みたいな可憐な姿や、高圧的な態度…もう全部に惚れた。そしておれは決めた。
「_絶対に、おれのものにする…」
*END*
楽し過ぎるぞこれ…次回がっつり🔞です〜!めっちゃ楽しいのですぐ書いてきます…w