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#にじさんじBL
蒼月
3,639
重い扉の前
主人が大きな鍵を取り出す
そして鍵を回すとゆっくりと扉が開く
俺の視線に入ったもの‥‥
それは異質で異様だった
部屋の奥にはベッド
その部屋の真ん中には大きなガラスケース
そしてその中に白くふわふわした何か‥‥
俺がそれに目が釘付けになっていると
「どうした?今日はお腹が空いたのか?」
主人の声に白く丸まった物体から耳の様なものがピョコっと現れた
だがまだ身体は丸まったまま、身動きはしない
「仕方ないな、待っていなさい」
そう言うと主人はそのものから離れてこちらに向かってきた
「どうですか?綺麗でしょ」
「これは‥‥犬ですか?」
「まぁそんなものですよ。私はこの子のご飯を持ってきますから少々落ちください」
「‥‥はい」
扉はそのままに主人は部屋を後にする
俺は少し躊躇いながらもガラスケースへ近づいて行く
ガラスケースの前まで来ると俺はしゃがみ込み、犬の様子を伺った
随分とおとなしい
と言うか、こんなケースに入れられて苦しくないのかな?
広さ的には2畳程だろうか
フワフワの毛はよく見るとキラキラとシルバーに輝いている
手入れはされている様だ
俺は思わず手を差し伸べ、ガラスケースをノックしていた
コン‥‥
コンコン‥‥
また耳がピクっとして体が動いた
モゾモゾとした後、頭がこちらを振り向く
そしてゆっくりと開く瞳
その時俺に衝撃が走った
「‥‥えっ⁈」
その瞳の色
忘れるはずがない
なんで君がこんな所に‥‥?
そしてなんでそんな姿になってしまったのか?
俺がパニックになっていると、彼は俺には興味がないかの様にまた身体を丸めて顔を隠してしまった
そんな‥‥
俺の事を忘れたの⁈
何十年も前の事だから?
「こ‥‥小柳‥‥君?」
「‥‥‥‥‥‥」
俺の言葉にまた耳を動かす
もしかして気付いてくれた?
「すみません星導さん。この子に食事だけあげたいので、少しだけ外に出てもらえませんか?人が居ると食事を摂らないもので」
「え?あ‥‥わかりました」
「すぐに終わりますので外までお見送りさせて下さい」
主人がお盆に食事を乗せて俺とすれ違う
野菜とお肉が細かく切り刻まれたものが皿に盛り付けられている
そして‥‥
それはなんだ?
主人の手が邪魔でよく見えなかったが、注射器に見える何かが一緒に乗っている
俺はそれが気になり振り向くと、主人もこちらを見ていた
そして早く出て行けと言わんばかりに俺へと会釈をする
俺は何も言えず部屋の外へと出た
その後すぐに家を出て俺は小柳君が残る屋敷を見上げた
君はなんでここにいるの?
君が望んでここにいるの?
俺はどうしても確かめたかった
だって俺は
君の事が好きだったから‥‥
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コメント
4件
読了しました…。うわ、これ、めっちゃ切ない展開…! ガラスケースの中の白いふわふわした子が、まさか小柳君だったなんて。しかも食事を拒むなんて、何か大きな事情がありそうで…。最後の「好きだったから」って言葉が、今の絶望感をより一層深くしてる気がする。続きが気になりすぎる…!🤍🥀