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⚠注意⚠第二話のデータが飛んでいました…再UPしたのでそちらを見てからこちらを見ることを推奨します…ごめんなさい!
この部屋、改めて見ると狭いな…
【ロストクロック】第三話『濃すぎる三十分(進行形)』
「…あの…」
「おお珍しい。キミから口開いた。」
なんだコイツ、人見知りくらいさっきまでの会話で気づいてたろ。
「ここ、狭くないですか?」
「う…あー…まあね、高校生5人がバイトして、食費にほとんど回さないとだからね… 」
5人も居るのか。住めて3人暮らせて4人だと思っていた。
―ちょっと煽ってやろ、という考えと、自分の家5人家族用の家、お母さんが買ってるから、住まわせてやろう。という気持ちがあった。そんな事を考えていたらやっぱり煽りたい。その気持ちが勝っていたのに
「えーっと、俺の家、来ます? 」
「…え??」
「ちょーっとまってちょーっとまって。どういうこと?」
「まあ…5人家族だったのに、今俺以外いないんで…」
俺の家族は死んでいる。気づかぬ間に強盗の餌食になっていた。だから、一人で暮らすには広すぎる場所なのだ。
「…じゃあ、ちょーっとここの部長的な立場の人に聞いてみて。僕、決定権ないから。」
「わ、わかりました。」
そんな事を話していると、あの秋、という人が入った部屋のドアが開く。
「わかってるって…秋。ほら、 優香、彩葉。行くよ。」
「「は〜い」」
女が3人、男が2人。ほんとに5人住んでるんだな。
「あ…こんにちは。君、だよね。」
茶色い髪に、左に流れた髪。いかにも『モテる』ようなビジュアルだった。
やっぱり、この人も―
「あ、こんにちは…」
「こんにちは〜!」
「…」
一気に3人も来たため、人見知りの俺は固まってしまう。
見たことはあると思うのに。やっぱり思い出せず、人見知りが発動する。
「もしかして君…人見知り?」
「…」
そんな事実を並べられ、俺はコクリと頭を下ろす。
「あ…おんなじ…」
「はは、確かに優香も…」
「…」
優香、と思われる人は明を思い切り睨んで、明はゆっくりと視線をそらした。
「あの…いけて…何人?」
「え…知らない人は…2人?ですね…」
「えーっとゆっくり話してるところ悪いけど…お名前、教えてくれない?」
「あ、はい…時雨、連です。」
「分かった。年齢は?」
「19。」
「あ、2歳上だ。じゃあ、よろしくね。」
「あ、はい。」
と、会釈を交わしていると明、が
「敬語、やめておきな。」
と耳元で囁いてきた。
「え…うん。」
今俺は、濃すぎる三十分間 を過ごしている気がする。今までこんなことがあったのだろうか。