テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あ な た は ヒ ー ロ ー .
⚠︎
・流血表現や暴力表現
・捏造
・名前をお借りしているだけで本人に関係なし
・曲パロなのか作者もわからない
・自己満
⇩ あなたはヒーロー 原曲(piapuro)
https://piapro.jp/t/nQ9R
⇩ あなたはヒーロー 原曲(Youtube)
https://youtu.be/W9pYRs-6XOE?list=RDMMW9pYRs-6XOE
____________________________
▷ “世界を敵に回しても”
宇佐美リト.
ジムトレーナー兼ヒーロー
oriens所属のヒーローで俺の相棒。
「 …、“世界を敵に回しても”、か 」
君はたしか前僕に言ったよね。
2人で夜ご飯食べてる時に、いつもより静かだったから
とにかく僕は話しかけてあげようかなって思ってたけど。
確か君は先に話しかけてくれた。
『 イッテツはヒーロー好きなの? 』
『 勿論。人を助けるのは気持ちいいよ。 』
『 ヒーローする中でさ、考えてる事ってある? 』
君にしては、って言ったらあれだけど。
君にしてはなかなか深い質問だった。
正直びっくりして、目を見開いた。
今日の任務先でなんかあったのかなって。心配した。
『 俺は、…、えと 、とにかく人を助けなきゃって、 』
『 はは、イッテツらし、笑 』
『 俺は、“世界を敵に回しても”イッテツを守ることを考えてるよ。 』
君は笑顔で言った。
不思議だった。なんで僕を守るのか。
勿論、僕もリト君のこと愛してるよ、大好きだよ。
なのに、市民の事とか、あんま考えてないのかなって。
『 イッテツを守る事と序でに。そのほかの人守るのは。 』
君は、疲れた顔で笑った。
目元は少し赤くて、泣いたのかなって。
やっぱり任務先でなんかあったんだなぁ。
頬には少し擦りむいた様な傷があって、少し痛そうだった。
『 …リト君、大丈夫? 』
『 …なんて事ねぇよ。 』
リト君はいっつも、僕の知らないところでいつの間にか
傷付いてたりする。心の傷をずっと隠してるから、
リト君もいつか壊れてしまう。
こんなこともこの前が初めてだったし、相当辛かったんだなぁ。
可哀想だなぁ、こんな事で。
僕は部屋のベランダで煙草を取り出して吸い始めた。
窓の外からは遠くから音が聞こえてきた。
まるで雷が落ちたような。
「 リト君だ、 」
窓の外の崩壊した街を眺めた。
相変わらず、人も少なくなったなぁ。
荒廃しすぎてて、下に水が溜まってるところがある。
建物にも苔が生えている事は当たり前。
根が張っている事も当たり前。
また聞こえる。
雷の落ちる音とか、建物が崩れる音。
世界と僕に、一生懸命。
君は頑張りすぎたんだよ。
職業柄、ネクタイ締めてあげる事も無いし、
大怪我して帰ってきても手当してあげる事もあんまり無い。
だけど一生懸命な君を応援するよ。僕は。
一生懸命頑張っている人は、応援すべきだよ。
音が止んだ。
もう終わったのかなぁ。
部屋のドアからガチャっと音が聞こえた。
リト君が帰ってきた。
息は切れてて、疲れてた。
「 リト君お帰り。 」
「 ……、 」
「 どうしたの?いつもより酷いじゃん。 」
「 ……、テツ 」
リト君が抱きついてきた。
まだ体がパチパチ雷を帯びてて少し痛かった。
リト君の体は冷たかった。
「 リト君体冷たいね。冷たい人こそ、心が温かいんだよ。 」
「 ……、 」
「 もう、疲れた。 」
「 何が? 」
「 もう、あんな荒廃した街とか、死人を、見たく無い。 」
「 …、そっか。 」
「 みんな貧乏で、細くて、餓死してる人だっていくらでも見た。 」
「 もう疲れた、… 」
「 …ヒーローを辞めるのも一つの手なんだよ?リト君。 」
「 …、でも、守らなきゃいけないから。 」
「 かっこいいね。 」
「 でもあんまり、怪我しないで帰ってきてね。 」
「 僕は心配だよ。 」
こうやって、おかえりって言えることが奇跡みたいな幸せだったよ。
「 最近遅いよね。大変だね、 」
「 ここらで増えてるらしくて。荒廃してってるところ。 」
「 例のOKOGAMA-C? 」
「 そ。 」
「 俺が頑張らなきゃだから。 」
その、煙たくなったスーツを脱いだあとなら。
弱くてもいいのに。
あなたはヒーローだ。
誰よりも、一番ヒーローだよ!
見ているだけで助けてくれる気がしてすごく興奮してくる!
だけど、一緒に戦えなくてごめんね。
KOZAKA-Cの攻撃とかじゃなくても、風邪とかで死んじゃう事もあるから
気をつけてね。
「 僕がもしカイジンになっても、ちゃんと眠って、ちゃんと食べて、出て行ってね。 」
「 置いていかねぇよ。 」
やっぱりヒーローだ。
君はずっと優しくいてね。
言葉しか送れなくてごめんね。
僕は料理とか、お風呂沸かしておくぐらいのことしかできなくなっちゃったけど。
でも本当に僕がカイジンになったら、ちゃんと眠って食べて、出て行ってほしいなぁ、
冗談抜きで。
_____________________
▷ 落ちた破片
今日はリト君の任務先に行かせてもらった。
彼は汗水流して戦ってた。
顔に傷をつけていっつも戦ってた。
戦いが終わった時、リト君は壁が剥き出しになってた民家に入り込んでしまっていた
落ちた破片を片付け始めた。
それを見て僕は立ち尽くした。
この世は不幸だ。
公平で無い、その上戦争は絶えない。
いっその事、君もあの世に。
「 イッテツ!! 」
リト君は僕の手を止めた。
「 何してんだ、 お前本当にテツか? 」
「 …本物、だよ。 」
「 ……、大丈夫か? 」
「 …大丈夫、 」
これから死ぬまで優しさを食べて生きてくの?
リト君、今はもうそんな甘い世界じゃ無いよ。
何も食べられない無感情な人間もいるのに、
君は一番貴重な優しさを食べてる。
僕も少しだけの優しさを毎日食べてるけど、
すべてこれは君のだよ。
あなたはずるいね。
「 テツ、お前無理すんなよ。 」
「 …、なんで 」
「 …俺が守りたいのはお前なんだよ。だから戦場に行かせるのもやめた。 」
「 なのになんでお前が無理しなきゃいけねぇんだよ、! 」
「 …、 」
君の嘯くような慰めの文句で眠りたく無いよ。
燻る喉の奥ため息を飲む。
「 ただいま。 」
「 おかえり。 」
ここは平和だ。
ここだけは、へいわ。
でも、ただいまの聴けるここはどこよりも天国の近く。
「 …、昨日、小さい女の子にあっただろ? 」
「 …うん、 」
「 守れなかった、 」
「 …、リト君はかみさまじゃ無いから、守り切れない正解もあるよ。 」
「 しょうがない。 」
「 大丈夫だから今日はもう寝よう? 」
「 でも、テツは 」
「 僕は大丈夫だから。 」
___________________
▷ あなたはヒーロー
イッテツ。
普通の生活じゃなくてごめんな。
この前そう言っても、
お互い様だよって言ってくれたよな。
お互い様だよって何回聞いても、お前の声は穏やかだよな。
優しくて、いっつも温かいよ。
冷たくても心は暖かいって言ってたけど、
それはお前のことだよな。
リト君。
君はヒーローだ。
だからもし僕がカイジンになっても、
ちゃんと眠ってちゃんと食べて出て行ってね。
リト君から感じる知らない匂いは知らないふりしてたよ。
全部知ってるよ。リト君は可哀想だね。きっとたいへんだったんだね。
僕はそんなリト君が帰ってくるまで水を待つ鉢植えみたいに
靴箱を眺めてることしかできなかったけど。
結局僕がカイジンなったら
ちゃんと眠って、ちゃんと食べて
_________________.
任務先、君に会った。
「 リト君!今日は君が戦ってくれるんだね! 」
「 イッテツ、…! 」
君は思いっきり驚いた。
僕も君の表情を見て笑いそうになったよ。
でも僕はリト君に弱いから、すぐ仕留められたね。
「 …、殺さないの? 」
「 …お前を守るのが俺の仕事だから。 」
「 リト君に伝えたいことがある。 」
「 ん? 」
「 時間がないから全部は伝えられないけど、 」
「 明日がもう来なくなってしまったら、あれもこれも全部伝えられないままになるけど 」
「 最期は少し焼け残るぐらいが丁度いい。 」
その瞬間、遠くから僕の体へ火が投げられた。
リト君も予想外のことだったらしく口を開いて驚いた。
飛んできた日の先を見たら子供がいた。
まるで僕を睨むようにこっちを見た。
僕の体は火に包まれた、
僕はリト君に死んでほしくなかったから、リト君を安全なところに突き飛ばした。
僕の体はだんだんと火に包まれていった。
もう僕の感情も消え去る頃だ。
じゃあねリト君。
またてんかいで
___________________
▷ 最期は
イッテツが消えた。
燃えて塵になった。
現実が、見えない。
イッテツがいない。
「 イッテツ、イッテツ、? 」
吹けば飛ぶようなあはひの亡骸を抱きしめ損ねて
悼むような哀もすり抜けてしまえ