今日は、連休明けの火曜日。いつもと同じ道。とっくに学校も終わって、帰っているところ。今日は、少し遅くまでやってたから、もう外は、真っ暗。星がキラキラと輝いている。少し用事があったから、少し寄り道をして帰っていた。俺が通る道は、人が少なくて静かだけど、ここはいつも明るい。
「はー疲れた。」
スッ
今すれ違った人、凄い見た事があった。あの日また会うと約束した、あの人に、咄嗟に腕を掴んでしまった。
「もしかして、神谷くん?」見た目は、凄く大人びていて、あの頃とは雰囲気が全然違った。でも、
「えっと、どちら様ですか?」え?声も、顔も、たった1年だけど、見てきた。ずっとそばに居たから忘れるはずが無い。だけど、戸惑った表情の君を見て、こう答えるしか無かった。
「すいません。人違いでした。すいません。」
忘れてた。そりゃあ2年だもんな。だけど、凄い泣きそう。約束、忘れちゃったのかな、嫌な想像をしてしまう。
ピンポーン
『はい。って龍馬くん?どうしたの?ちょっと待って、今ロック外すから、』
「うん。」
何故か分からないけど、いつの間にか雨宮くんのマンションのインターホンを押していた。
「いらっしゃい。」
「お、邪魔し、ます」声を出すのも必死で、喋り続けたら、泣いてしまいそうだった。
「で、どうしたの?アポも無く、来るなんて珍しいじゃん。」優しい。いきなり来た人をちゃんと受け入れてくれた。
「……それが、さっき神谷くんに、会ったかもしれないんです、」
「え?悠馬くんに?こっち戻ってたんだね。」そりゃびっくりするよな、2年間音沙汰無しだったんだから。
「でも、俺の、事」声を出すのが精一杯で、
「いいよ。ゆっくり話して、」2人でソファに座ってて、背中を撫でてくれた。
「俺の事、わ、忘れて、た、ポロポロ」言うことを言ったら我慢していた分が、溢れ出てしまった。
「うん。よく泣かないで頑張った。思う存分泣いていいよ。」抱きしめてくれた雨宮くんの手も少し震えていた。
「ポロポロ」
それから、1時間くらい泣きっぱなしだった。今までの悲しみ。苦しみ。貯めていた分が一気に溢れ出てきた。その間も雨宮くんは、ずっと背中を撫でてくれてて、その温もりで、やっと落ち着いた。
「落ち着いた?」
「うん。グス落ち着いた。ごめんね、一方的に話聞いてもらって、」俺が泣いている間も、何も言わないでずっとそばに居てくれてた。
「いいよ。ほら、泣き過ぎて目元腫れてる笑」
「ありがとう。俺、帰るね」
「うん。途中まで送ってく、危ないし、」
「ありがと、」
「ありがとう。送ってくれて、」
「うん。じゃあね」
「うん。」ありがとう。
神谷くんに、また会える事がなく気がついたら土曜日になっていた。
「久しぶりに、あの人たちのところにでも行こうかな、」前は、ちょくちょく顔を出していたけど、最近は、ずっと行けてなかった。
ピンポーン
ガチャ
「はい。どちら様って龍馬か?」出てくれたのは、デネボラさんだった。
「お久しぶりです。ずっと来れてなくてすいません。」
「いいんだ。ほら入れ。スピカも喜ぶぞ。」
「はい。」
「スピカ。居るか?」久しぶりに見たな、スピカさんの書斎、本が沢山あって、奥の方にスピカさんの机がある。
「えぇ、居るわ。どうしたの?」
「龍馬。来てくれたぞ。」ひょこっと顔を出すと、驚いた表情で、
「久しぶりです。」
「久しぶり。なんかあった?目が腫れてる。」
ちょっと見ただけで、俺の些細な変化に気がつく。凄いな、
「実は………」
今回は、ここで切らせていただきます。
最後まで見ていただきありがとうございました。
次回も是非見てください!
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