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「第四章 赤月の魔女」 ―第一戦
赤い結晶の槍が、矢の雨のように降り注ぐ。
あなたは星剣を振るい、迫る槍を弾き返すが、一本一本が鋼よりも硬く、衝撃が腕に響いた。
「下がって!」
セレスティアが叫ぶと、周囲の小さな星が一斉に輝き、盾のようにあなたの前に並んだ。
結晶の槍が星に突き刺さり、光と破片が宙を舞う。
その間に、セレスティアは星剣を両手で構え、地を蹴った。
光の軌跡を描いて魔女へと迫る――だが、魔女は指先を軽く振るだけで、結晶の壁を生み出す。
「甘いわ、あの日と同じ」
壁が反転し、刃のような結晶となって襲いかかる。
セレスティアは後方に跳び退くが、その頬を赤い光が掠めた。
魔女はゆっくりと歩み寄り、声を低くする。
「あなたが“鍵”を持つ限り、私の封印は解ける。あの日、なぜ私を殺さなかった?」
「……殺せなかったんじゃない。殺さなかったのよ」
セレスティアの声は震えていた。
「私たちは……かつて同じ側だったから」
その言葉に、あなたは思わず彼女を見る。
しかし問いただす暇もなく、魔女が手を広げた瞬間、空が裂ける。
そこから銀色の巨人が姿を現し、低く唸り声をあげた。
「行きなさい、私の“守護者”」
巨人が地を踏みしめた瞬間、地面が波打ち、結晶の破片が吹き飛ぶ。
あなたとセレスティアは反射的に背中合わせになった。
「……あれを倒すわよ」
「分かってる!」
星剣が輝きを増し、あなたたちは赤月の魔女とその巨人へ同時に飛び込んだ――。