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「第四章 赤月の魔女」 ―第一戦・中盤
銀色の巨人が、拳を振り下ろす。
その一撃はまるで隕石の衝突のようで、衝撃波が地表の結晶を粉々に砕いた。
あなたは間一髪で横に跳び、砂塵の中を転がる。
「っ……!」
息を整える暇もなく、背後から赤い光が迫る。
振り返ると、魔女が指先から結晶の鎖を放ち、セレスティアの体を絡め取ろうとしていた。
セレスティアは星剣で鎖を切り裂きながら叫ぶ。
「この二人、完全に連携してる……!」
その言葉通り、巨人が進路を塞ぎ、魔女が死角から攻撃を差し込む――その動きは、まるで長年戦場を共にした仲間のようだった。
巨人の足元から光が走り、次の瞬間、無数の結晶が地面から生えた。
それは瞬く間に壁や槍へと形を変え、逃げ場を奪っていく。
「囲まれる!」
あなたは星剣を地面に突き立て、力を込める。
すると、剣先から星光が走り、周囲の結晶を一瞬だけ蒸発させた。
だが、その隙を突いて巨人の拳が迫る――!
ドン、と空気を裂く音。
セレスティアがあなたの腕を引き、間一髪で回避。
しかし地面に叩きつけられた拳の衝撃で、二人とも宙へと跳ね飛ばされた。
視界がぐるぐると回る。
耳鳴りの中で、魔女の声がかすかに聞こえる。
「――まだよ。あなたが“あれ”を思い出すまでは」
次の瞬間、巨人の足が赤く輝き、まるで跳躍するようにあなたへと迫ってきた。
避けきれない――そう思った瞬間、セレスティアが叫ぶ。
「星の門、開け!」
光が弾け、地面に青白い円が広がった。
その中から無数の小さな星が噴き出し、巨人の体にまとわりついていく。
だが、巨人は唸り声とともにその星を弾き飛ばし、ゆっくりと再び構えを取った。
息が荒く、体力が削られていくのを感じる。
まだ戦いは始まったばかりだというのに――。