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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
「……俺、もう止まれねぇよ。」
熱を帯びた声と同時に、ゆあんくんの腕にぐっと抱き寄せられる。
えとさんは驚きながらも、胸に顔を埋めた。鼓動が速い。自分のじゃない。彼の鼓動だ。
だけど次の瞬間、耳元に低い声が落ちてきた。
「……けど、ここじゃダメだ。」
押し殺した吐息。苦しそうに、堪えている。
「お前に触れたい。全部さらけ出したい。……でも、こんな路地裏じゃ、俺……男失格だろ。」
えとは顔を上げる。街灯に照らされた横顔は、冷たさじゃなく必死さで歪んでいた。
胸の奥にじんわり熱が広がる。
「……だったら、場所なんて関係ないよ。私は……」
そう言いかけた唇に、人差し指が触れる。
ゆあんくんが首を横に振る。
「……そんなこと言うな。俺、本当に抑えられなくなる。」
彼の声は震えていて、逆にどれだけ必死に自分を律しているのかが伝わってきた。
だからこそ――えとは胸が苦しいほど、嬉しかった。
「……わかった。でも、ひとつだけ約束して。」
「……なんだよ。」
「ちゃんと、本気で好きって……言ってほしい。」
沈黙。だけど次の瞬間、強く抱き寄せられ、耳元で震える声が響いた。
「……好きだよ、えとさん。」
「……っ」
その言葉が、夜風よりずっと熱くて、ふたりの間を繋いでいった。
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わ ぁ ~ ッ .ᐟ さ い こ う で す т т