テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
りおんさん!すいません!私チャットよりノベルのほうが書きやすかったんでこっちに変えさせてもらいました!
なので、今回は少し長めです!
それではどうぞ♪
設定
赤 高校3年生
桃 大学1年生
前回の従兄弟の設定は消させてもらいます!
ほんとにごめん!😭
触れた先に、君がいる
「桃、もう……逃げないで」
低く、熱を帯びた声が耳元に落ちた。ベッドの軋みとともに、赤の体温が押し寄せてくる。
「だって……赤、まだ高校生でしょ……」
「でも、もう十八だよ。子どもじゃない」
桃の言葉を遮るように唇が塞がれた。赤のキスは強引で、それでいて切実だった。長い片想いを育ててきた赤の想いが、身体ごとぶつかってくる。
シャツの隙間から忍び込む指先が、遠慮なく桃の素肌をなぞっていく。触れられるたび、桃の体が微かに震える。
「……ずっと、こうしたかった。桃を、全部、俺だけのものにしたかった」
耳元で囁かれたその言葉に、桃の喉が小さく鳴る。年下のはずの赤が、今はどこまでも大人びて見える。
桃の肌に唇が触れ、鎖骨をなぞるように下りていく。焦らすように、慈しむように。息を詰めるほどに丁寧で、優しくて――けれど熱い。
「赤……ほんとに、もう止まらないよ?」
「止める気なんか、最初からない」
そう言って笑った赤の目に、子どもじみた無邪気さはもうなかった。
指先が、唇が、熱を生む。肌の温度が重なって、境界が溶けていく。桃は抵抗をやめて、赤の背に腕を回した。
――もう、いいかもしれない。
ずっと追いかけてきたまっすぐな想い。逃げるには、優しすぎた。
夜が深まるほどに、二人の間にあった“年の差”は意味を失っていった。ただ、好きという気持ちだけが確かだった。
・強引だねw
桃の指先が、赤の頬をそっと撫でた。
見慣れたはずのその顔が、今はどこか知らない男の顔をしていた。
「こんなに強引になるなんて、思ってなかった」
「桃が……俺をずっと子ども扱いしてたから」
赤は小さく笑って、桃のシャツのボタンに指をかけた。
ひとつ、またひとつ。弾ける音に合わせて、桃の白い肌があらわになる。
「ちゃんと……全部、覚えてる。桃が俺に優しくした言葉も、触れた手も。ずっとずっと我慢してたんだよ?」
その声音に、桃は目を伏せた。
どこか罪悪感のような、けれどそれ以上に抗えない熱がこみ上げてくる。
赤はゆっくりとその胸元に唇を落とした。柔らかく、確かに肌を辿る。
熱にあてられたように、桃は吐息を漏らした。
「……こんなふうに触れられたら、もう……戻れなくなるよ」
「戻るつもりなんかないよ。ずっと……先に行きたい。桃と、もっと深く」
赤の手が桃の腰にまわり、その細い身体を抱き寄せた。
桃も応えるように赤の首に腕をまわし、彼の背中を抱きしめた。
熱が、互いの境界を焼き溶かしていく。
唇が何度も重なり、舌先が言葉よりも深く真実を探る。
重なる肌の音さえも、鼓動の早さにかき消される。
「……赤、気持ちいい……でも、優しくして……っ」
「うん。大事にするよ。何度でも、桃を愛するから」
優しさと欲望が交差するリズムの中で、ふたりは何度も名を呼び合った。
それは確かに、少年と大人の関係じゃない。
もう、ただの「恋人」としての距離だった。
夜はまだ終わらない。
交わるたびに、心の奥がほどけていく。
そして、赤はもう二度と桃をひとりにしないと、胸の奥で誓った――。
・朝の光、揺れる輪郭
カーテンの隙間から差し込む光が、桃の頬を淡く照らしていた。
静かにまどろむその顔に、赤はそっと指先を伸ばす。
「……起きてるの?」
まぶたの奥に問いかけるように撫でると、桃はうっすらと目を開けた。
「ん……うん。起きてた。さっきから、赤の寝息……近くで聞こえてたから」
「……そっか。夢じゃないんだなって、ちゃんと確かめたかった」
そう呟いて、赤はベッドのシーツを少しだけ握った。
一晩中、触れていたはずなのに、まだ不安が残る。
桃が目を覚ましたら、元の距離に戻ってしまうんじゃないか――そんな恐れが胸をよぎる。
「……赤」
桃が名前を呼び、ゆっくりと体を起こす。
髪が寝癖で跳ねていて、思わず赤は笑った。
「なに、その頭。猫みたい」
「……うるさいな」
苦笑しながらも、桃は赤の頬に手を添えた。
指先は熱くない。けれど、確かに優しさが宿っている。
「ちゃんと覚えてるよ、昨夜のこと。夢なんかじゃない」
その言葉に、赤の喉が小さく鳴った。
「じゃあ……後悔してない?」
「するわけないじゃん。……君に触れられて、あんなに心が動いたの、初めてだった」
赤は目を伏せて、静かに笑う。
けれどその手は、迷いなく桃の手を握った。
「これからも、もっと深く知りたい。桃の全部を」
「……赤、ほんとに大人になったな」
「まだまだ子どもだよ。でも、桃の隣に並びたいって本気で思ってる。それだけはずっと変わらない」
静かな朝だった。
外では鳥の声が響き、日常が始まろうとしている。
けれど、このベッドの中だけは、二人だけの時間が流れていた。
そしてその朝は、恋の余韻と、確かな未来の輪郭に包まれていた――。
・秘密を抱く午後
昼休みの屋上。風が強く、空は夏に向かう気配を含んでいた。
「赤って、最近ちょっと落ち着いたよね」
そう言ったのは、水(みず)。クラスの誰とも仲良くできる、爽やか系の男子だった。
「彼女でもできたんやないん?」
と笑うのは黒(くろ)。無遠慮だけど悪気のないタイプ。
その言葉に、赤はジュースのストローを咥えたまま、目を細めてごまかした。
「まさか。そんな暇ないし」
「へー? でもさ、先週の日曜、駅前で誰かと一緒にいたの見たよ。あれ、桃先輩じゃね?」
言ったのは白(しろ)。観察力が鋭く、なにかと人の様子をよく見ている。
赤は一瞬だけ言葉を詰まらせたが、すぐに肩をすくめた。
「たまたま会っただけだよ。昔から知ってるし、ちょっと飯食っただけ」
「ふーん? ……じゃあ、“そのあと”は?」
白の目が少し意地悪に笑っているのを感じながらも、赤は顔色一つ変えずに答えた。
「俺んち帰ってゲームして寝たけど?」
青(あお)がそのとき、静かに口を開いた。
「別に誰と一緒にいようがよくない? 赤が嘘ついてても、ついてなくても、バレなきゃセーフだし」
それは擁護とも皮肉ともとれる口ぶりだったが、赤は青にだけ、少しだけ視線を送った。
――青は、気づいている。
おそらく誰よりも早く、赤が桃と深い関係にあることを察していた。
でも、それを暴こうとはしない。ただ、距離を保って見守っている。
「ありがとうな、青」
その一言に、青は視線を逸らしながら、小さく笑った。
放課後、桃の部屋。カーテンが揺れていた。
「……バレかけた?」
「ちょっとだけ。でも、うまくごまかしたよ」
赤は制服のままベッドに腰を下ろし、桃の方へ視線を向けた。
「でもさ、いつかきっと――バレてもいいくらい堂々と一緒にいたいんだよな。俺は」
桃は少しだけ寂しそうに笑って、それでも赤の隣にそっと腰を下ろした。
「……その日が来るなら、きっと俺も隣にいるよ」
ふたりの関係は秘密だ。
けれど、秘密はいつか、“覚悟”に変わる――そんな午後の予感が、部屋を静かに満たしていた。
・明るい場所へ
「……これ、ほんとに赤と桃先輩?」
放課後の教室。
白が手にしていたのは、誰かがSNSに上げた写真だった。
駅前のカフェ、寄り添う赤と桃の姿。手は、指先だけ絡めていた。
「撮られてた……?」
赤の声が乾いていた。
写真は後ろ姿だったが、制服と桃のピンク色の髪が、何よりの証拠だった。
黒が目を丸くして赤を見つめる。
「マジで付き合ってんの!? ……え、てか、大学生だよな?」
周囲の空気がざわつく中、水が口を開いた。
「赤……ちゃんと、自分の意思でやってるんだよね?」
「うん。俺が桃を好きになった。桃も、ちゃんと俺を選んでくれた」
そう、まっすぐに答える赤の目を見て、水はふっと表情をゆるめた。
「……なら、文句言うことじゃないか」
「えー……でも年上って、なんかズルくね? 絶対あっちが主導権握ってるだろ~」
黒が言いかけた瞬間、青が無表情に口を挟んだ。
「主導権持ってるの、どう見ても赤のほうだけどな。見てて分かる」
それを聞いたクラス全体が笑いに包まれた。
緊張が、すっとほどけていく。
白は最後まで写真を見つめたあと、赤に言った。
「……隠すの、苦しかったろ。でも、守りたかったんだな。ちゃんと、気づいてたよ」
週末。桃のアパート。
「……バレたんだって?」
桃は不安そうな顔をしていた。
赤はうなずくと、桃の両手を取って、少し照れたように言った。
「でもな、誰も否定しなかった。むしろ、『やっとか』みたいな感じで」
「……やっと、か」
桃の声が少し震えた。
それが嬉しさの涙か、不安の名残か――赤には全部、抱きしめる覚悟があった。
「俺たち、もう隠れなくていい。……だから、恋人ってちゃんと言わせて?」
桃は黙ってうなずき、ゆっくりと赤の胸に顔を寄せた。
「……うん。俺も、“赤の恋人”でいさせてほしい」
それは、嘘のない言葉だった。
秘密が明るみに出た先にあったのは、終わりではなく始まりだった。
誰かを好きになることに、理由なんていらない。
ただ、信じて、選び続けるだけだ。
もう、隠れなくていい。
赤と桃は、ようやく“並んで歩く恋人”として、未来に向かって歩き出した。
・ 嘘じゃない、ほんとうのこと
その日は、曇り空だった。
赤は、桃の手を離して玄関を開けた。
家の中には母と姉がいた。父は仕事で不在。
「話がある」と伝えてあったからか、ふたりとも真剣な顔をしていた。
「で? 大事な話って何?」
姉が口火を切る。
赤は深呼吸をひとつして、背後の桃を振り返った。
「……紹介したい人がいて。俺の……恋人。桃っていう」
一歩踏み出して頭を下げた桃は、大学生らしい落ち着いた雰囲気で微笑んだ。
「はじめまして。赤さんと、お付き合いさせていただいています。桃と申します」
沈黙が、数秒だけ流れた。
「……男なのね」
母のその一言に、赤はすぐ反応した。
「うん。男。同い年じゃなくて、桃は大学生で、俺より4つ上。……でも、俺が本気で好きになって、桃もちゃんと俺を大事にしてくれてる」
姉は視線を逸らして、ソファに沈み込むように座った。
「はぁ……びっくりしたけど、なんとなく、そんな気はしてたよ。赤、家でよくスマホ見てにやけてたし」
「お姉ちゃん!」
思わず赤が声を上げると、母が静かに笑った。
「そんなに焦らなくてもいいのよ。でも、ちゃんと……覚悟はあるの?」
桃がその問いに、まっすぐ答えた。
「はい。赤さんがどんな未来を選んでも、僕は隣にいたいと思っています。無理をさせたり、誰かを傷つけたりしないように、できる限り誠実に向き合っていくつもりです」
母はしばらく何も言わず、ただじっとふたりを見つめていた。
そして――
「……そうね。赤が自分の言葉で選んだ人なら、私は否定しない。ただ、ひとつだけ。泣かせないでね」
桃は深く頭を下げ、赤も隣で小さくうなずいた。
姉がふと笑って呟く。
「……ま、面倒見てくれるなら助かるかもね。赤って、放っておくとすぐ無茶するし」
その冗談に、場の空気がゆるんだ。
家族にすべてを受け入れてもらえたわけじゃない。
けれど、「否定されなかった」という事実は、何より温かかった。
帰り道、赤は桃の手をしっかり握った。
「これで、嘘つかなくていいや」
「……ありがとう、赤。話してくれて」
「俺のほうこそ。ちゃんと向き合ってくれて、嬉しかった」
家族に認められたその日。
ふたりの関係はまた一歩、未来へと深く踏み出していった。
・ 春は、未来に続いている
高校の卒業式。
校舎の廊下に立つ赤は、少しだけ落ち着かない表情をしていた。
卒業証書を抱えながら、真っ先に思ったのは、
――「これで、桃と同じ“大学生”になれるんだ」ということだった。
式が終わった後、友人たちに囲まれながら、ふとスマホを見れば──
「体育館裏、来られる?」
そう、短く送られたメッセージがあった。
向かえば、そこには桃がいた。
相変わらず淡い桃色の髪に春の風が揺れている。
「卒業、おめでとう」
「ありがとう。……来てくれてたんだ」
「もちろん。赤の晴れ姿、ちゃんと見たかったから」
桃は微笑んで、赤の頭に手を置いた。
いつものように撫でるその仕草が、どこか「おめでとう」の代わりにも思えて、赤は照れながら顔を伏せた。
「俺、受かったよ。志望してたとこ」
「知ってる。……同じ大学に来てくれて嬉しい。これで、もっと一緒にいられるね」
春。
入学式を終えた赤は、大学の門をくぐりながら不思議な気分でいた。
もう「高校生と大学生」じゃない。
堂々と、肩を並べられる。
「今度は俺が、“君の世界”に入っていく番だ」
赤はそんな決意を胸に、桃の待つキャンパスへと足を踏み出した。
・会うということ、知っていくということ
「え、赤くん来るの?」
桃の妹・沙耶(さや)は、電話越しにそう言った。
大学の長期休暇を使って、桃が実家に帰省するのに、赤を連れてくるという話を聞いたのだ。
「うん。……紹介したい人だから」
そう答えた桃の声に、迷いはなかった。
数日後。
桃の実家。
やや緊張した面持ちの赤が、玄関に立っていた。
「失礼します……赤と申します」
「どうぞ、上がってくださいね」
出迎えたのは桃の母。柔らかな笑顔を浮かべていたが、内心は警戒もあったに違いない。
リビングでは、桃の父と妹がすでに待っていた。
年の離れた妹の沙耶は赤をじーっと見つめ、
「へぇ……これが、兄ちゃんの好きな人か」
とつぶやく。
「なにそれ」
赤はちょっと苦笑しつつ、視線をまっすぐに桃の両親に向けた。
「ご挨拶が遅くなってしまってすみません。……俺は桃さんと真剣にお付き合いしています。これからも彼の隣にいたいと思っています」
沈黙。
やがて、父が口を開く。
「……息子が男を連れてくる日が来るとは思ってなかったな」
「すみません」
「いや、謝る必要はない。俺が想像してなかっただけだ」
続けて、母が穏やかに言う。
「桃が、あなたと一緒にいるときの顔がとても穏やかでね。私たちよりずっと、素直に笑ってた。……あれを見てしまったら、もう何も言えないわ」
妹がソファから立ち上がり、赤の前に来て言った。
「よろしくね、赤くん。……兄ちゃん、ずっと恋愛に無頓着だったからさ。ちゃんと甘えさせてやって」
桃は少し照れながら、横で小さく笑った。
帰り道。
実家を出たあとの道をふたりで歩く。
春の夕暮れ、桃の手をそっと取った赤が言う。
「……やっと、ここまで来たな」
「うん。僕も、君の隣を“本当の意味で”歩けてる気がする」
ふたりはもう、隠すものがない。
言葉も、想いも、名前すらも――誰の前でも誇れるようになった。
それがどれほど幸せなことかを、ふたりはよく知っている。
・恋人時間、ただそれだけで
午前10時。
桃のアパートの一室、光の差し込むリビングに、赤の笑い声が響いていた。
「だから! 桃ってば、また寝癖ひどいってば!」
「仕方ないだろ……赤が昨夜、襟元にずっと顔うずめてくるから、寝返り打てなかったんだって」
「それ俺のせい!?」
言いながらも、赤は桃の寝癖を手で撫でながら整えてやっている。
桃はなすがまま、むしろ心地よさそうに目を細めた。
「……朝から甘やかされるの、悪くないね」
「朝からじゃなくて、いつも俺が甘やかしてるでしょ」
「うん。幸せすぎて、ちょっと怖いくらい」
午後。
大学の中庭。
お昼休み、人目を避けてふたり並んでベンチに座る。
「はい、サンドイッチ。今日のは卵とツナ両方だよ」
「作ってくれたの? やっぱり赤って……彼氏力高い」
「でしょ? 彼氏だからな」
当然のように言いながら、赤は桃の口元にサンドイッチを差し出す。
桃はそれをそのままぱくりと頬張り──ふっと笑った。
「おいしい。……赤の味がする」
「それセクハラじゃね?」
「うれしいセクハラ、ってことで」
くすくすと笑い合うふたりの空間は、誰にも邪魔できない優しさで満ちていた。
夕方。
桃の研究室が終わるのを待って、赤は図書館で時間を潰す。
ノートPCに向かってレポートを仕上げながらも、心のどこかではずっと“あの人”のことを考えている。
「……お待たせ」
閉館時間ぎりぎり、桃が息を弾ませて駆けつけてきた。
「おつかれ。夕飯、どうする? 俺、作ろっか?」
「ううん。今日は俺が作るよ。赤、午後から授業3コマあったでしょ? 偉かった」
「じゃあ……デザートだけ、俺が出す」
そう言って、赤はバッグから小さなプリンのカップを2つ取り出す。
「2人で半分こしよ」
その言葉に、桃は嬉しそうに笑った。
夜。
食後の食器を片づけたあと、ふたりはソファで並んで映画を見ていた。
途中、赤がもたれかかってくる。
「眠い……」
「寝れば?」
「……腕枕して」
「甘えすぎ」
そう言いながらも、桃はそっと赤を引き寄せて膝枕にしてやった。
心臓の鼓動が聞こえるほどの距離で、赤が目を細める。
「なぁ、桃」
「ん?」
「好き。今日も、好き」
「……俺も。毎日、好きが増えてる気がする」
触れる手も、声も、すべてが甘く優しい。
ただ寄り添っているだけで、どんな日でも幸せになれる。
それが恋人という存在なのだと、ふたりは心から感じていた。
「……ねぇ、赤」
「ん?」
「もうちょっとこのままでいて」
「……うん。ずっといるよ」
静かな大学生活の中で、ふたりだけの時間はまるで魔法のように甘く、永遠に続くようだった。
・ ふたりだけの家、甘い時間
午後の窓辺。
柔らかな日差しがカーテン越しに差し込み、部屋を暖かく包んでいる。
赤はリビングの床に座り込み、ノートパソコンを広げていた。桃はキッチンで料理の準備中。
「ねぇ、赤」
桃の声に振り返ると、手には真っ赤なトマトと香ばしいバジルの葉。
「今日はパスタにするよ。赤の好きなトマトクリームソースね」
「おお、プロの味期待してる」
赤がにっこり笑い、パソコンを閉じる。
「待ってる間、ソファでゴロゴロしよっか」
「賛成」
ふたりは肩を並べてソファに沈み込む。
桃が赤の頭をそっと撫でると、赤はすぐに甘えて顔を寄せた。
「桃の手、あったかい」
「ずっと触っていたいよ」
夜。
食卓には、桃の手料理とワインのグラスが並ぶ。
「いただきます」
赤が桃の目を見つめながら言うと、桃もにっこりと笑った。
「今日もお疲れ様、赤」
「疲れが吹き飛ぶな、君と一緒だと」
食事の後は、一緒に片付け。
水を流しながら、桃が赤の手をつかむ。
「赤、明日の授業、何時から?」
「午前中から。だから、早く寝なきゃ」
「そうだね。俺もだ」
桃がキスをして、耳元でささやいた。
「一緒に寝よう?」
「うん。赤の隣ならすぐ眠れる」
深夜。
ベッドの中、ふたりは寄り添い合っていた。
赤がぽつりと呟く。
「同棲って、思ってたよりずっと幸せだな」
「俺も。毎朝赤の寝顔が見られるのが一番の贅沢かも」
桃の手が赤の髪を撫で、唇に軽くキスをした。
「これからも、ずっと一緒だよ」
「ずっとだ」
同じ屋根の下、同じ時間を過ごすだけで、ふたりの距離は確実に縮まっていく。
甘い時間はまだまだ続く。
・ 甘く深い夜の語らい
夜の静けさが部屋を包み込む。
窓の外では、遠くの街灯がぼんやりと灯り、ふたりだけの世界をつくりだしていた。
赤はそっと桃の腕を掴み、視線を合わせる。
「今日も、一緒にいられてよかった」
桃は柔らかな微笑みで応えた。
「俺も。赤の隣にいると、どんな不安も消えていく気がする」
言葉が途切れると、自然とふたりの距離が縮まっていく。
桃の頬に赤の指先が触れ、指の腹でゆっくりと撫でる。
「桃の肌、あたたかいね」
赤の声は震えていた。
桃は目を閉じて、その手の温もりを全身で受け止める。
「赤……」
呼ばれる名前に、桃の胸が高鳴る。
赤は優しく唇を重ね、ゆっくりと時間を刻んでいく。
ふたりの呼吸が重なり合い、静かな夜が甘い囁きで満たされていく。
心も身体もひとつに溶け合う、その瞬間に、言葉はいらなかった。
「ずっと、君を守りたい」
赤のその誓いに、桃は小さく頷いた。
「俺も、君とならどんな未来でも歩いていける」
濃密な愛情が、深い信頼とともにふたりの間に満ちていく。
夜が明けるまで続く、やさしく、そして熱い時間。
それはただの肉体的な結びつきではなく、
ふたりの魂が重なり合う、かけがえのない愛の証だった。
・最終章:永遠を誓う夜
柔らかな夕暮れの光が、部屋いっぱいに広がっていた。
窓の外からは、遠くの街並みが静かに見え、時折すれ違う人々の声がかすかに響く。
赤と桃は、いつものように並んでソファに腰掛けていた。
この数年、何度も時間を重ね、どんな小さなことも共有してきた。
けれど今夜は、いつもとは違う特別な空気が漂っていた。
赤は桃の手を握り、ゆっくりと見つめる。
「桃、今までありがとう。桃と出会えて、本当に良かった」
桃はその言葉に目を潤ませながらも、強く頷いた。
「俺もだよ、赤。赤がいてくれたから、ここまで来れた」
互いの手の温もりが伝わり、言葉以上の想いが胸に響いた。
赤がそっと桃の頬に触れる。指先のやわらかな感触が、桃の心を穏やかに包み込む。
「桃のことを、ずっと守りたい。これからも、ずっと」
「俺も、赤の隣にずっといるよ」
桃の声は震えていたが、確かな決意を含んでいた。
ふたりはゆっくりと距離を詰めて、唇を重ねる。
甘く静かなキスは、長い時間をかけて積み重ねてきた信頼の証だった。
桃の手が赤の首筋に回り、赤は背中を撫でながら彼を抱き寄せる。
お互いの鼓動が速くなり、けれど決して急ぐことなく、丁寧に触れ合った。
「赤……」
「ん……」
声が漏れ合い、ふたりの世界は濃密な空間に満たされていく。
身体だけでなく、魂が絡み合うような感覚。
これまでの喜びも、涙も、痛みもすべてを超えて、いまここにいることの幸福が胸を満たした。
夜が深まるにつれ、赤は桃の肌を優しく撫でながら耳元で囁く。
「桃は、俺のすべてだ」
「俺も、赤がいなきゃだめだよ」
声の震えは、ふたりの心の繊細な響きだった。
そのまま静かに、でも確かな熱を持って、ふたりは深く繋がっていく。
肌が触れ合うたびに、新しい感覚と安心が広がり、言葉にならない感情が波のように押し寄せる。
互いの目を見つめ合いながら、赤がそっと言う。
「これからも、ずっと一緒にいよう。どんな未来が来ても、桃となら乗り越えられる」
桃も小さく頷き、涙を流す。
「約束だよ、赤。永遠に、赤の隣で笑っていたい」
ふたりは抱き合いながら、深い愛情と確かな絆を確認した。
夜が明ける頃、静かな寝息が隣同士で重なり合う。
互いの存在が、何よりも大切なものになっていた。
あの日、赤と桃が出会った時から、数えきれないほどの季節を超えた。
嬉しさも不安も一緒に乗り越えてきたふたり。
そして今、確かな未来を胸に刻んで、
彼らはまた新しい一歩を踏み出す。
「触れた先に、君がいる」――
それはもう、言葉ではなく生きる証となった。
コメント
13件
ごめん見るの遅れたぁ、😭😭😭 コンテ参加ありがとぉ~!🫶🏻︎💕︎︎ 私と違ってストーリーが長くてめっちゃ満足感あって最高だった!!🥹 私も短くなんないように凛音ちゃんを見習います…、()
うへへ(( これ売ろうよ......(( 売れるよ、、2~3000円くらいで売っても良いと思う((
うわ〜…まじノベルっていうかガチ小説にした方がいいレベルよ好きっす🫶 書くのお疲れ様~!