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「やっほー」
俺の前にやってきたアホそうなやつは俺の相棒の月森 茨《ツキモリイバラ》いっつもちょっとだけ薄汚れている白衣を着て腰らへんまであるワイン色の髪の毛を雑に結び、吸っていない時を見かけたことのないタバコを吸っている。女とは言いたくないが女だ。
「今日も絶好調だね〜椎名 玲奈《シイナレイナ》くんは」
椎名 麗奈とは俺の名前だ。
正直この名前は嫌いだ女みたいだからだ名前が原因でいじめられたことだってある。
「るっせ、この顔見て絶好調と思えるお前がこぇーわ」
俺の顔は誰からみても白くて今にも死んでしまいそうな顔をしている
「私はね顔で判断しないんだよ”心”で感じてるんだから」
「うぜ〜」
こいつは何かと腹立つ言い方で言いやがる
「さて、それでは本題に入ろうか麗奈くん」
「……」
「今日は大変重大な話だ聞き逃さないように。
麗奈くんは私たちの仲間の椎名 琴梨《シイナコトリ》が誘拐されたのはご存知かな?」
「知ってるに決まってるだろ」
コトは俺の大事な奴なんだから
「情報はもう出回っているようだね
琴梨ちゃんが誘拐された場所、時刻はだいたい分かっている。誘拐されたのは場所は琴梨ちゃんが住んでいるマンションの前だ、時刻は21時頃
あそこは人通りが少ない、犯人にとってはうってつけな場所だっただろう、けどねやっぱり防犯カメラがついているわけなのでね確認してみたのだが、カメラには犯人が映っていなかった、死角を突かれたんだろうね。ずいぶん手慣れた犯人だ前科あるだろう、」
「チッ」
「そんな顔しないで、麗奈くんの大事な娘なのはわかっているけれど」
「自分の大事な娘を誘拐されて黙っていれる奴がいると思うかっ!」
ガシャン
壁を思いっきり蹴る
「麗奈くん」
このとき見た茨の顔は今までで見たことない哀れみの顔で俺のことを見ていた
「なんだよその顔、お前にはわからないだろ」
「わかるよ、わからない訳が無い」
「どういうことだよ」
あいつの声は苦しそうに絞り出したような声をしていた、俺の声も震えてたと思う
「今は言えないがいつか言えるといいな」
この言葉を言うときはいつもの声に戻っていた。苦しそうじゃなかった。
「………」
「………」
俺は何も言えなかった
あいつも何も言えてなかった
この間にも1秒…2秒とコトを救える時間が減っていく
「早くコトの居場所を教えてくれよ」
「ごめん」
「はっ?」
「………」
「どういうことだよっ!」
気付いた茨の肩を掴んでいた
それでも茨は無言を貫いていた
「なんとか言えよっ! 」
「ごめん、まだ琴梨ちゃんの居場所は見つかっていない」
茨がすごく申し訳無さそうな顔で謝るから俺も何も言えなくなった
「嗚呼そうかよ」
「麗奈くんは琴梨ちゃんにGPSはつけてなかったのか?」
「つけてたよ。けどコトが外すんだよ」
プルルルッ
「おっとごめんちょっとまっててくれ」
『はい、……えっ?、はい、はい、失礼しました』
「麗奈くん、ごめん」