テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
寝言の代償
翌朝。
「……ん……」
奏音が目を開けると、部屋には朝の光が差し込んでいた。
熱もだいぶ下がっている。
「よかった……」
起き上がろうとした瞬間。
「奏音」
すぐ隣から声がした。
「うわぁっ!?」
驚いて振り返ると、椅子に座ったまま眠そうにしている那月がいた。
「な、なんでいるの!?」
「心配だったから」
さらっと言う。
「え、ずっと?」
「途中でみんな帰った。最後俺だけ」
心臓が変な音を立てた。
「……ありがと」
「ん」
那月は少しだけ笑う。
寝起きだからか、いつもより柔らかい雰囲気で、奏音はまともに顔を見れない。
すると那月がぽつりと呟いた。
「寝言」
「へ?」
「俺の名前呼んでた」
「…………え?」
世界が止まった。
「え!?!?!?!」
奏音は一瞬で真っ赤になる。
「うそ!? な、なんて!?」
「“那月ありがと”って」
「いやぁぁぁぁ!!」
恥ずかしすぎて布団に潜り込む。
那月はくすっと笑った。
「かわいかった」
「忘れて!!」
「無理」
「なんで!?」
「嬉しかったから」
その一言で、奏音の心臓は完全に終了した。
コメント
1件
まあ!朝の光の中での看病エピソード、胸がきゅんとしました……。「心配だったから」ってさらっと言う那月くん、ああいう距離感がたまらないですね。奏音ちゃんが布団に潜り込むくらい恥ずかしがるのも可愛くて、最後の「嬉しかったから」で私まで心臓が止まりそうでした。温かい空気感が素敵な回でした🌷