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そのまま二人は、ゆっくり立ち上がった。
静かな廊下。
さっきまでリビングで寄り添っていたせいか、まだ少し距離が近い。
シェアハウスも、もうほとんど寝静まっていた。
たっつんは歩きながら、小さく呟く。
「……なんか変な感じやな」
「何が?」
「お前の部屋行くの」
じゃぱぱは少し笑った。
「前も来たじゃん」
「その時とは意味違うやろ……」
今は“恋人として”一緒にいる。
そう思うだけで、また心臓が落ち着かない。
じゃぱぱはそんなたっつんを見ながら、嬉しそうに目を細めた。
「意識してる?」
「……うるさい」
図星だった。
⸻
部屋に入ると、じゃぱぱが先にベッドへ腰掛ける。
たっつんは入口付近でまだ落ち着かないまま立っていた。
「なんでそんな固まってんの」
「いや……」
普通に恥ずかしい。
するとじゃぱぱが、少し困ったみたいに笑う。
「そんな警戒しなくても何もしないよ」
「その言い方もなんか嫌や!!」
思わずツッコむと、じゃぱぱが吹き出した。
でも次の瞬間。
「……でも、隣にはいてほしい」
その声が優しくて。
たっつんは数秒黙ったあと、小さくため息をついた。
「……ずるい」
そう言いながら、ゆっくり隣へ座る。
距離、近い。
肩が触れる。
じゃぱぱは嬉しそうに笑って、そのままたっつんへ軽く寄りかかった。
「今日いっぱいドキドキした」
「こっちの台詞や」
「たっつん今日かわいかったから」
「また言う……」
でも前みたいに強く否定できない。
むしろ最近は、言われるたびに嬉しくなってる自分がいる。
するとじゃぱぱが、そっと指を絡めてくる。
静かな部屋。
近い体温。
たっつんがちらっと横を見ると、じゃぱぱもこっちを見ていた。
目が合う。
どちらも少し照れてる。
でも、嫌じゃない。
じゃぱぱが小さく笑った。
「……ほんと好き」
その言葉に、たっつんの心臓がまた跳ねる。
でも今回は逃げなかった。
少しだけ身体を寄せて、小さく呟く。
「……俺も」
今度はじゃぱぱが固まる。
「え」
「だから毎回聞き返すなや!」
二人で笑ってしまう。
そのあと、じゃぱぱがそっと肩を抱き寄せた。
たっつんも自然に寄りかかる。
静か。
安心する。
するとじゃぱぱがぽつり。
「……このまま寝れたらいいな」
「ん」
「起きても隣にいてほしい」
どくん。
また真っ直ぐ。
たっつんは少し照れながらも、小さく笑った。
「……おるやろ、多分」
その瞬間。
じゃぱぱが本当に嬉しそうに笑った。
そして、そっとたっつんの頭を撫でる。
「……やば、幸せ」
「大げさやなぁ」
「たっつんといると全部嬉しい」
「っ……!」
もう何回心臓が跳ねたかわからない。
たっつんは照れ隠しみたいにじゃぱぱの肩へ顔を埋めた。
するとじゃぱぱが優しく抱きしめ返す。
静かな夜。
誰にも邪魔されず、二人はゆっくり寄り添ったまま、穏やかな時間を過ごしていた。
続く!