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東 桃子
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#溺愛
桜咲かな
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桜咲かな
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二月十四日。
付き合って初めてのバレンタインだった。
私にとっては、ただのイベントじゃなかった。
小学生の頃。
毎年、女の子たちに頼まれてヤマへチョコを届けていた。
本当は。
私も渡したかった。
でも、自分の気持ちはずっと隠したままだった。
だから今年は違う。
何年も越えて、やっと。
私のチョコを、ちゃんとヤマに渡せる日だった。
少しだけ緊張しながら、私は夕方ヤマの家へ向かった。
学生マンションの一室。
1ルームの小さな部屋。
真ん中にはこたつ。
ロフトベッドの下にはテレビ。
狭いのに、なぜか落ち着く部屋だった。
何度も来ている、見慣れた景色。
でも、その日だけは少し違って見えた。
コメント
1件
ああ、もう……このエピソード、胸がぎゅってなりました。 小学生の頃にずっと隠してきた気持ちを、やっと自分の手で渡せる——その「やっと」に、何年分の想いが詰まっているんだろうって思うと、切なくて、でもすごく温かい気持ちになりました。 「見慣れた景色が、その日だけは少し違って見えた」——この一文、もう好きすぎてノートに書き写しました。日常に一歩踏み出す瞬間の繊細な空気感が、本当に美しかったです。次が気になります🌷