──────ノイズ視点──────
(おいおい、嘘だろ?)
俺は困惑を隠せない。俺と一名を除いてみんな仮面をつけたまま菓子に向かって攻撃を仕掛ける。しかし、動きは鈍い。みんな、自身の記憶に疑問を持っているのだろう。俺がそうだったように。しかし、村民たちは俺のように抗えないのだろう。
そのくらい植え付けられた記憶は精巧に作られているからである。おかしい気もするが、その鮮明な記憶は疑う事すらできない出来栄えだ。それに、自身の記憶を疑え、なんて言う方がおかしいだろう。
おそらく偽物の記憶を植え付けたであろうダークは菓子に殺されたかと思えば黒い液体をまき散らし、また復活する。この繰り返しだった。
おそらく、闇で作った分身のようなものだろう。しかし、その闇を放置するのはなぜか。脳をフル稼働しようと思えば、それを妨害するかのように黒い液体が飛んでくる。
そこで、やっと気づいた。
これは、黒い液体なんかじゃない。穴だ。この空間に穴を作り出している。とても暗い穴。遠くから見れば黒い液体にしか見えないそれは空間を破壊するためものだったのだ。
俺は武器を取り出そうとする。が、武器はポンッと音をたてて塵と化す。菓子の法律は俺にも適用されているのだ。
ならば、なぜ、あいつらは武器を使えているのか。条件があるのだろうか。
「あ」
なぜ、武器を扱えるのか。
レイラが魔法を扱おうした時、魔法陣は最初は展開されていた。しかし、魔法が発動する寸前に音を立てて消えてしまった。
魔法陣は展開できるのに、魔法が発動できないのはなぜか。魔法が発動したらどうなるのか。
俺が考えた仮説。それは
暴力をふるおうとする意思がこの裁判所では行けない。
こう考えた。根拠はいくつか。
1つ目、魔法は発動できないが、あくまで魔法陣を展開することは出来る。
2つ目、誰1人菓子に対して攻撃を当てていない。
この2つがこの仮説の裏付けになる。が、今はそんな悠長にはしていられない。この仮説を元にするならば攻撃をする意思は無いが、あくまで武器を取り出すだけ。それだけならば大丈夫だと判断した。
念じる。俺は武器を取り出すだけだと。
これは戦うために取り出すものなんかじゃないと。
俺の仮説は当たっていたようで剣を取り出すことに成功する。あとは、傷つけないように村民たちの動きを封じるだけだ。
簡単だ。そう思っていた。
この裁判所に亀裂が入り、瞬く間にこの空間が壊れ、元の城へと戻ってくる。一瞬の出来事だった。何が起こったかも分からない。こんなことならば能力を発動しておくべきだったと思わず舌打ちをする。
突然、意思が遠のいていく。俺の出番に終わりが告げられる。敵の攻撃なんかではない。これは元々俺の肉体では無いのだ。元の持ち主に返さねばならない。しかし、それが今だったらしい。なんともまあ、タイミングの悪い。あとはいえもんに託すしか無くなった。情報を渡し、俺は肉体の主導権を返す。
──────いえもん視点──────
目を開ける。と、同時に様々な記憶が俺の脳内に流れ込む。妖精の殲滅、裁判所、ダーク。そして、現状を理解する。何者かによって裁判所が破壊されたのだと。一気に情報が流れこみ、吐き気がする。だが、そんなことを気にしていられる時間はなかった。
「やっほ〜久しぶり。」
平然な面をしながら軽い挨拶をしてくる。
城の屋根をぶち壊し、はるか上空にいてもなお、その存在感を表すそいつを、俺は知っていた。
金髪のロングヘアを風になびかせ、自身が天使であるというように輝く光輪。かと思えば自身が悪魔であると矛盾を主張する翼。
そいつの名はメテヲ。人形だからという理由で簡単に壊した人の心がないもの。壊れた破壊マシーン。
「は…?なんで…空間が…?」
菓子さんは訳が分からない、といった様子で項垂れている。いつの間にか裁判所の服装から普段の服装へと変わっていた。
「え〜?それ説明する必要なくない?メテヲ達の特、考えてよー」
と、やや面倒くさそうに言ってくる。いつの間にかメテヲの隣にはダークが飛んでいた。
「あははw中々に面白かったよw 滑稽で。」
ダークは俺たちを嘲笑う。黒い翼と黒いツノ。まるで堕天使かのような姿は空を汚染するのではないか、と思うほど嫌悪感を感じる禍々しい闇を放っていた。
「ちょっと、記憶改変をそのままにしないでよ?お許し貰ってないから。」
「分かってますよーホ〜イっと。」
メテヲにそう言われ、ダークは右目を光らせる。そうすれば、村民たちはばたりと倒れる。
「この人たちも回収する?」
「いや、命令外の動きはやめておこう。」
2人は飛びながら会話している。
あるひとつの疑問が浮かぶ。それは結局目的はなんだったのか、と。その疑問に気づいたかのようにダークは笑いながら言ってくる。
「私の記憶操作に抗えた緑髪の子!疑問に思ってること教えてあげちゃう!」
そう言いながら、ダークは上空から瞬きの間に俺の前へと降り立つ。そして、言う。
「今回の目的は!『レイラの回収』と『代償の確認』でした〜!まあ、あなたは代償について知らないでしょうけどあなたの中にいるやつがわかると思よ〜?」
あはっとひと笑いしてからまた、上空へと戻る。
「1つ、いいことを教えてやろうあげよう。」
メテヲが高らかに言う。
「1種族だけ残ったとしてもどうせ殲滅する。つまり、戦争に勝ったとしても意味は無いんだよ!」
そう、言いきった後に、ダークは笑いを堪えながら言う。
「抗議があるなら死後に来れば?来る方法があるなら、だけどね〜」
そう言って、2人は禍々しいワープ路を生成し、その中へと入っていった。
ここで切ります!そろそろ終わりが近いな〜って思いながら今書いてます。本当に今ハッピーエンドがバッドエンドかトゥルーエンドか悩んでます。一応、今ならどのエンドにも出来るんですけど…いやぁ、悩みどころ。てか、この物語長くないですか?そろそろ一年経ちますよ?この物語始めたの5月なので。あっというまですね〜。次の作品は何個かネタがあるので続けられそうです。それに、リメイクも出す予定なので。リメイクのアイコンを急がねばならない。
まあ、ぼちぼち頑張ります!コメント!!!ハート!!!お願いします!!特に!!みんなと!!話したいので!!コメント!!お願い!!
それでは!おつはる〜
コメント
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現在厨二病進行中 厨二病じゃなかったら決め台詞とか言わせんよ!! 弟とお母さんがユーラシア大陸の国を言い合ってて気になって眠れん
長編すぎるよ
2END書く…は負担凄すぎる? ここまで来たらハッピーエンド見たいな🥺