テラーノベル
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「美味しい。口の中でパチパチする」
アケビによく似た果物をアリスに渡されて、ぱくっと口に入れてみると、ふわっととけたあとにパチパチパチパチして不思議な食感だった。まるで子供のころに食べた駄菓子みたい。
ここは、火の精霊の国フレアストーン。その中のオアシスで休憩中です。眼前には岩山や岩石砂漠がひろがる。
「もう少ししたら城と街が見えてくるんだ」
「アリスちゃんはこの辺のこと詳しいの?」
「うん、何度も通ってるからね」
「本当に、王子様が旅人もしてるんだ」
おかしいかな? とアリスは首を傾げる。
「いまは旅人が少なくなっちゃって、外の情報が入りにくくなったんだ。だから、ボクが自分の目や耳、足で他の国を回って集めたりしてたんだ。まあ、昔はそうでもなかったんだけどね。精霊の姿が見えなくなって加護がなくなったんじゃないかって心配する人が増えて国同士の交流や移動が減ってしまったんだ。姿形が違う他国では、加護が受けられないかもしれないって不安でね」
メリエルが言ってた話ね。
チュンチュンと、ぴーちゅんが頭の上にとまって会話に参加してるみたい。
あ、耳をツンツンされてる。
「さ、休憩はそろそろ終わり。いこっか」
「うん」
そう言って立ち上がった時、アリスの耳がピクリと動いてオアシスの外側に視線をやる。
数匹の馬とその上に乗る人間がこちらへと向かってきていた。
「あぁ、彼らか」
「知り合い?」
アリスはコクンと頷く。
「少し驚くかもしれないけど、いい人だから怖がらないであげてね」
どういう意味だろう?
ーーー
これは、あれね!
いわゆるお外に追い出されたり、頭に角があったり、豆が嫌いな……。鬼!?
褐色の肌、頭にそれぞれ形や本数は違うけど角、口から覗く小さな牙。
この人達のリーダーだろうか? 一人がこちらへとやってきた。
「お、なんだ。アリストだったのか。久しぶりだな」
「やぁ、ドレン」
「なんだ、今日は女の子連れてるのか?」
ドレンと呼ばれた鬼さんがこちらに視線をむける。
大きい、身長が2メートル位? ううん、それ以上ありそう。
「リサちゃん、ボクの未来の花嫁さんだよ」
そっと、庇うように背中の影へアリスが私を引き寄せた。
花嫁さんと言われて、少し顔が赤くなった気がした。
「あはは、とってくいやしないぞ。そうか、花嫁か。すまないな、驚かせて。オアシスの水が今は貴重で、怪しいヤツに潰されたりされると困るからって今は見回りしてるんだ」
アリスの顔が、少しかたくなる。
水が貴重って、どうしてだろう?
「まだ、悪化してるの?」
ドレンが困り顔で、頭をかきながら言った。
「あぁ……」
comi
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#異世界転生
しめさば
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花月夜れん
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コメント
1件
おお、火の精霊の国、一気に雰囲気が変わって面白いですね!口の中でパチパチする果物の食感、すごく気になる……駄菓子みたいって表現が可愛い。鬼族のドレンたちも、角や牙のディテールがしっかりしていて世界観が広がります。それにしても「水が貴重」って言葉にアリスが固くなるシーン、何か大きな問題が潜んでそうで続きが気になります。花嫁発言には思わずにやり。二人の距離感がじわじわ縮まってる感じがいいですね!