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私と貴方の小さな物語

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私と貴方の小さな物語

1 - ハッピーエンド

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2025年06月28日

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🦊「俺たち、別れよう」



貴方にそう告げられた時、私は何も言わなかった。




「さよなら」って言いたいのに、

そのたった一言が喉の奥で止まって出てこない。



〇〇「…ありがとね」



下を向いたまま、そう言った。


次に言う別れの言葉を心の中で探しても、

出てくるのは”貴方を好きな私”ばっかりで。


眉を八の字に下げて私を見つめてる貴方。

心配してるの?



〇〇「なんでそんな顔で見つめるの(笑)、私は平気だよ。大丈夫」



貴方を困らせたくなくて、私は嘘をついた。

本当は全然平気じゃないよ。大丈夫じゃないよ。



🦊「そっか(笑)」



まだ若くて青い葉っぱのように

私の心は貴方を好きなまま 枯れていく。


この気持ちを心の中で葉っぱと共に握り潰すけど、やっぱり完全には潰しきれない。



〇〇「抱きしめて…」



私が居れば何もいらないって、

そう言ってよ。


そう呟けば貴方の瞳がゆらっと揺れる。

これが私の本音だよ、オッパ。

私、全然大丈夫じゃないんだよ。



〇〇「…冗談だよ、ごめん(笑)」



貴方にこの気持ちを悟られないように、

咄嗟に嘘をつく。


そうすれば貴方はクスッと笑ってくれた。



貴方の笑顔を見て思い出した。


私たちのストーリーが始まった時に言ってくれた言葉…



🦊「絶対一人にしないから」



あれ、実はすごく嬉しかったんだよ。


その日の夜、貴方が勇気を出して

初めて電話をくれたよね。


今の私はあの夜の私と何が違うの?


遠距離になっても、全然会えなくても、気持ちが変わらないから今ここにいるのに。


でも貴方の気持ちは変わってしまったみたい。



〇〇「…」



別れ話をして泣かない私に少しだけほっとした顔をする貴方。


相変わらず呑気だね、そこも大好きだよ。



気が付けば傍に居てくれた貴方。


不安で泣いてた私に



🦊「〇〇は〇〇のままでいて。全部大好きだから」



って言って優しく涙を拭いてくれた。



視覚も聴覚も、全部全部貴方のもので埋め尽くされたのに


こんなに好きにさせたのに。



〇〇「離れたくないなぁ….(笑)」



でも私は、


貴方にとってのハッピーエンド(いい終わり)にしたいから


貴方が思う「私」でありたいから





〇〇「バイバイ、大好きだったよ」





最後まで嘘をついたんだよ。












┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


backnumber - ハッピーエンド


幸せの終わり。

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