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『サラダ油買ってきてくれる?』
図書館を出てスマホを見ると母からLINEが入っていた。
いつもの図書館が祝日のため閉まっており、駅で少し行ったところにある図書館で勉強した。
最近、少し母と喋るようになった。俺が学校に行くようになり、友達がいると聞いて母も安心したのだと思う。
ここではなく、家の近くのスーパーでいいかと思い駅に向かった。
「萩原くん?」
突然後ろから名前を呼ばれ振り向くと、篠田がこっちに駆け寄ってきていた。
「偶然!何してたの?」
そういえば、これから向かう駅が最寄り駅だと言っていた。
「図書館行ってた」
「図書館?もしかして勉強?」
「まあ」
「へえ偉いね、今から帰るの?」
「ああ」
篠田は駅まで一緒に行くと言い、俺の隣を歩いた。
「やっぱり私服おしゃれなんだね、その白ニットどこで買ったの?」
「ああ、花田に選んでもらったやつ」
「凌ちゃん?一緒に服買いに行ったんだ」
半ば強制的に買わされた服だったが、割と着心地がよく着回しも効く。
「凌ちゃんのこと、、好きなの?」
「え?」
唐突な質問を投げかけられ、歩くスピードを落とした。
「あ、いや、二人すごい仲良いからさ!もしかしたらどっちか好きなのかなあって思って」
「、、別に」
「、、普通の友達だよねっごめんね」
〜""
急にスマホが震えた。花田からの着信だ。
『あ、急にかけてごめん』
「いや別に、どうした」
『あ今外?』
「もしかして凌ちゃん?」
『、、沙羅ちゃん?』
「凌ちゃん!やっほ!」
『、、おお、沙羅ちゃん、、と一緒?』
「た」
「うんっ、凌ちゃん今何してたの?」
たまたま会った、と言おうとすると篠田と被った。知り合ったばかりなのに相当仲がいいんだな。
『いや、、暇、してただけ』
「そっか〜休みって特にすることないよね」
「どうした、花田」
「花田?」
返事がなかったのでもう一度呼んだ。
『、、いや、なんもない』
「なんだよそれ」
『暇だからかけただけ!外だとは思わなくてさ』
「そうか」
『、、今帰り?』
「うん、もうすぐ電車乗る」
『そっか、暗いから気をつけて帰れよ』
「え〜凌ちゃん男の子みたい、かっこいいね」
『、、でしょ、かっこよかったっしょ』
『じゃ、また明日な』
「ああ」
「ばいばい凌ちゃん!」
『ばいばいっ』
駅に着き、改札近くで篠田と別れた。